万座温泉

濃い硫黄の香りが立ち込める温泉の真髄を味わえる観光スポット

標高1800mという高地にあり、1日に約540万ℓもの豊富なお湯が湧出する。濃度の高い硫黄によってつくられた白い岩肌、鼻をつくような硫黄の香り……。温泉に入る前から、五感を通してその効き目が伝わってくる、まさに「温泉＝大地の恵」を実感できる温泉地。

湯畑上部から万座温泉一帯を望む

先史時代の利用跡も発掘されたほどの歴史ある温泉地。華美に彩られた温泉街はないが、玄人好み良質な温泉を求めて通い詰めるリピーターも多い。豊富な湯量を誇り、使われていない源泉も含めると28か所もあるという。硫黄濃度日本一ともいわれる乳白濁色の滑らかな泉質で、腰痛やリウマチのほか、高い保湿力で美肌効果も高いとされる。
温泉エリアにある6軒のホテルや旅館の温泉を複数味わいたい人におすすめなのが、お得な日帰り入浴を楽しめる「万座温泉湯めぐり手形」。万座プリンスホテルの売店や万座しぜん情報館で購入できる。手形は木札になっているため、万座温泉を訪れた良い記念品にもなる。

温泉の蒸気が地表に噴き出す名勝「空吹(からぶき)」

群馬・新潟・長野にまたがる上信越高原国立公園のなかに位置するため、四季を通じて自然が身近にある。軽井沢方面からは、上信越高原国立公園を縦走する標高1000mの道「鬼押・万座ハイウェー」で、大自然のなかのドライブを楽しむことができる。トレッキングスポットも多く、白根山の山頂にはエメラルドグリーンに輝く「湯釜」がハイキング客を楽しませてきた(2021年11月現在、ガス噴出により立ち入り制限あり)。冬場は「万座温泉スキー場」がオープンし、温泉とウインタースポーツの両方を求める観光客から人気が高い。

ウインタースポーツと温泉の相性は抜群

春や秋は、ゆったりと自然を感じられる昼間の周辺散策がオススメ。湯畑近くにある万座薬師堂は、湯治客のお参りスポットとして親しまれてきたパワースポットで、本尊の薬師如来は、湯の守り神として地域の人々からも大切にされてきた。万座プリンスホテルからすぐの距離にある牛池(うしいけ)は、底が透けて見えるくらい透明度が高く、足を止めて見入ってしまうほど美しい。周囲には遊歩道があり、誰でも気軽に散策でき、春には若葉、秋には紅葉が湖面に映り、四季折々の表情を見せてくれる。

エメラルドグリーンに輝く牛池(うしいけ)