湯の街ギャラリー
温泉街を楽しくするギャラリー散歩
湯の街に小さな「ギャラリー」が点在
三朝温泉の「湯の街ギャラリー」は、温泉本通りを中心に飲食店、土産物店、旅館などがショーウインドーや店内の空間を小さな博物館にする試みだ。温泉街を楽しく歩いてもらおうと1994年(平成6)に始まったもので、ギャラリー数は21あり、展示しているものはそれぞれに個性的。店主こだわりのコレクションや、地域ゆかりの人物や産物にまつわるもの、そして、歴史を伝える品など、派手なものはないが実に多彩にそろっている。店先に掲げられたオレンジ色の看板が目印になっているので、それを見つけたら遠慮なくのぞいてみよう。店が営業中なら、スタッフに展示物の特徴や由来などを聞いてみると会話が弾んで思わぬ発見があるかもしれない。
見逃せない理髪店とセラミック人形
三朝橋のたもとにある1917年(大正6)創業の「梶川理髪館」は、店内に江戸末期以降に作られたシェービングマグ、大正時代に製作されたアールヌーヴォーデザインの理髪椅子など、主人が収集を続ける仕事関連グッズを展示。店内全体がレトロな雰囲気の「理容資料館」となっている。今も、現役の理髪店として営業しているので、見学は邪魔にならないよう気をつけなくてはいけないが、三朝に来たら絶対に見て帰りたい「ギャラリー」のひとつだ。ワインバー「たんたん」の入り口「セラミック人形館」に飾ってあるのは、愛知県瀬戸市で輸出用に製造された陶磁器製の人形たち。西洋の童話に出てきそうな人形は一つひとつに表情があり、つい見入ってしまう。
多種多様な展示を見てまわろう
地元にゆかりのある展示も見逃せない。三朝橋のたもとにある土産店「扇屋」には、地元有志が工房で製作する織物が並んでいる。そして、「茶房木木」の「カムパネルラの館」は、旧制盛岡高等農林学校で宮沢賢治と交友を深めた倉吉市出身の詩人・河本緑石(かわもとりょくせき)の資料館。賢治の『銀河鉄道の夜』に登場するカムパネルラのモデルのひとりとされる緑石が遺した作品や、文人たちからの書簡を多数展示している。ちなみにマスターは緑石の孫にあたる人だ。また、三朝の地酒や野菜を販売する「楽寿夢庵(らじゅうむあん)」も実にユニークだ。展示しているのは「葉蘭(はらん)」を使った切り絵作品。料理の盛りつけや弁当の仕切りなどに使われる「葉蘭」を使って、町内の調理師が細工して腕を振るった作品は見ごたえ十分だ。1920年(大正9)創業の宿・依山楼岩崎は1階ロビーの中央に「ぎゃらりぃ岩崎」を設置し、宿泊された皇室ゆかりの品や文人墨客が遺した思い出の品を紹介。バイオリンの製作過程を紹介し、使われる道具や材木を館内に展示する「三朝バイオリン美術館」もおすすめの施設だ。散策マップを手に入れて、三朝温泉のひなびた街並みと、豊かな自然の風景、そして個性的なギャラリーを満喫したい。
スポット詳細
- 住所
- 鳥取県東伯郡三朝町 地図
- エリア
- 倉吉・三朝温泉エリア
- 電話番号
- 0858430431
- 時間
- 施設により異なる
- 休業日
- 施設により異なる
- 料金
- 無料
- 駐車場
- なし
- 喫煙
- 不可
情報提供: ナビタイムジャパン