幻想の森

根元から複数に分かれて幹を延ばすタコ足型の杉

神秘の巨大杉に囲まれた森で散策を楽しむ

「幻想の森」は、最上地方にある戸沢村にある樹齢1000年以上の杉が群生する森。ゆっくり歩きまわっても30分ほどのエリアで、地面にはルートに沿ってウッドチップが敷かれているため、ガイドがいなくても迷う心配はない。またこう配もきつくないため、年齢問わずに散策を楽しむことができる。タコ足の杉は圧巻のひと言。かつて鉄道のCMに登場し全国的に有名になった樹木や、幹がないため惜しくも「日本一の杉」とは認定されなかったが根元の周囲が17mもある巨木も。自然の雄大さを感じながら、日常を離れた体験をするにはもってこいの場所だ。樹齢が長い杉は花粉を飛ばさないそうなので、スギ花粉アレルギーの人も安心。

群生する杉は樹齢1000年を軽く超えるというから驚きだ

解明されない謎が多く残る天然杉の森

天然杉の群生地は日本国内にいくつかあるが、その特徴は年間降雨量の多さ。しかし「幻想の森」がある最上峡の年間降雨量は2600mm程度と、原生林を作るほどではない。北向きの斜面にあるため、とけずに残る雪の影響ではないかといわれているが、はっきりしたことはわかっていない。樹齢に関しても1000年は超えているものの正確な年代はわからないそう。

1本の木に複数の幹が。なぜこうなるかは未だはっきりしないという

ガイド付きツアーで森の魅力に触れる

国道から幻想の森に向かうためには車を利用することになる。現地までは、くねる山道が続くため、運転の難易度は多少高め。自分の車で行くのが不安な場合は、ガイド付きツアーがおすすめだ。最上川舟下りの出発地である「戸沢藩船番所」やJR古口駅から幻想の森まで往復送迎付きで、現地では最上峡案内人協会のガイドが森に関する知識を惜しみなく披露してくれる。不定期実施で要予約のため、興味がある場合は問い合わせよう。

散策ルートにまかれたウッドチップは、ふかふかと心地良い感触

幻想の森の主ともいわれる巨大杉。もともとは1本の樹木だというから驚き