石川県立白山ろく民俗資料館
白山麓の伝統的な古民家を移築した野外博物館
雪とともに暮らす知恵と工夫
金沢市内から国道157号線をたどって行くと、深い山々に囲まれた白山麓エリアに至る。この地では、厳しくも豊かな自然とともに生きる山村ならではの文化がはぐくまれてきた。最も山奥に位置する白峰地区は全国有数の豪雪地帯でもあり、その生活様式は独特だ。乏しい耕作地、雪に閉ざされる長い冬。こうした環境で生まれたのが、集落から離れた山中に暮らしながら農業や養蚕などを行う「出作り」である。「石川県立白山ろく民俗資料館」は白山麓各地から6棟の古民家や出作り小屋を移築した野外博物館。まずは管理棟に併設された展示室に立ち寄り、白山麓の歴史や文化について学ぼう。出作り生活を支えた民具などの展示品からも、山村生活の一端を垣間見ることができる。
山の暮らしを伝える古民家
古民家が立ち並ぶ民家園には、雑穀などを栽培する畑や地蔵を祀る小さな祠もあり、まるで本物の山村に迷い込んだかのようだ。園内でひときわ目を引くのが「杉原家」。江戸時代末期に建てられた住まいで、縦長の窓や分厚い土壁、屋根にさしかけた大梯子(おおはしご)など、豪雪地帯・白峰ならではの建築様式を知ることができる。かつて養蚕が行われていた2・3階には、さまざまな民具を展示。太い梁や柱を組み上げた構造も興味深い。また、明治時代に改築された「織田家」は1979年(昭和54)まで店舗として使われていた商家だ。そのほか、茅葺き屋根に半鐘を掲げた「表家」は浄土真宗の道場だった家で、山村の人々の信仰を支え、心の寄りどころとしての役割も果たした。
江戸~明治期に建てられた出作り民家
白山麓における出作りでは、焼畑農業や養蚕、機織りなどで生活の糧を得ていた。園内に移築された2棟の出作り民家では、こうした厳しい自然のなかでの暮らしを伝えている。1872年(明治5)建築の「長坂家」は、刀鍛冶を先祖とする出作り農家だ。銅や銀などの鉱山経営も手がけたという。3階建ての大規模な出作り民家で、養蚕も行っていた。江戸時代末期に建てられた「尾田(びた)家」は、昭和中期まで出作りを営んでいた民家で、屋根を地面まで葺きおろした「ナバイ小屋」と呼ばれる珍しい構造だ。これは風雪に耐え、居住空間を広く取るための工夫だという。屋内には多数の民具が展示され、当時の生活ぶりをリアルに感じ取ることができる。
スポット詳細
- 住所
- 石川県白山市白峰リ30 地図
- エリア
- 白山・小松エリア
- 電話番号
- 0762592665
- 時間
- 9:00-16:30(最終入館16:00)
- 休業日
- 木(祝の場合は翌日)、冬期(12/11-3/9)
- 料金
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[入館料]一般260円、65歳以上200円、高校生以下無料
※団体(20名以上)210円 - 駐車場
- あり(30台)
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PASMO、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay)
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり(説明用パンフレット)
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 最高の資料館
- 10月23日火曜日は店は閉まっていましたが、車で右折してこの資料館へ。65歳以上200円とあり、免許書を見せると「いいですよ」と二人で400円。「後から小学生の団体が来るので、先に杉原家を観た方がいいですよ」とのアドバイスに二人で最も大きな移設した杉原家を見学。中の土間、大きな柱、こんな山奥にとても造られないような造り。「永平寺から宮大工を詠んで年がかりで」との説明。2階、3階も庶民の暮らしがわか...
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- 白山麓の生活がわかる博物館
- 重要伝統的建造物群保存地区・白峰から少し外れたところにある博物館で、白山麓の古民家が数件移築されています。展示室では白峰を主邑とした白山麓地方の生活と歴史が解説されており、見ごたえ十分です。
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- 松任駅から歩いて行きました。
- とても参考になりました。加賀の千代女記念館にも立ち寄り、金沢駅に出て路線バスで小1時間、白川郷に着きました。始めに行っておいて良かったと思いました。
TripAdvisorクチコミ評価
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