大船遺跡
祭祀・儀礼も行われていたとされる、豊かな自然に囲まれた縄文遺跡
渡島(おしま)半島東岸にある函館市南茅部(みなみかやべ)地区に、世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産である「史跡 大船遺跡」がある。この遺跡があるのは、広葉樹林の広がる山を背に、海にも面した土地だ。近くには鮭やマスが遡上する大舟川も流れている。このエリアにはおそらく豊富な資源が当時からあったのだろう。100棟を超える縄文時代の竪穴建物跡と、貯蔵穴など100基以上の土坑群が見つかり、それらの一部が屋外に再現展示されている。ここから大量に出土した石皿について「中央部にくぼみがあるので、石臼やすり鉢としても使っていたのでしょう。もしかしたら肉をすりつぶして調理したり、木の実とはちみつでお菓子を作ったり、縄文の人は豊かな食生活を送っていたのかもしれません」と、遺跡を管理する「函館市縄文文化交流センター」の学芸員・太田哲也さんは語る。出土品は、ここから車で10分弱の距離にある同センターでも展示されている。車で向かう場合、国道278号線から狭い山道に入ることになるが、大型観光バスも出入りしている道。交通整理スタッフの案内に従って、譲りあって進もう。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン