熊野古道・中辺路ルート
中辺路から熊野を目指す!王子を目印に進むべし
かつては数か月を費やして参詣していた
「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されたのは2004年(平成16)のこと。奈良県、三重県、そして和歌山県の3県にまたがって構成されている広大な文化的景観は、世界的にも珍しい資産として価値が高い。熊野本宮大社に通じる大辺路(おおへち)、中辺路、小辺路(こへち)などの何通りもある参詣道。古来人々が、さまざまな場所からさまざまなルートを通って参拝したことがうかがえる。参拝にかかる期間は数か月。なかでも、和歌山県田辺市から入る中辺路は比較的整備された古道で、現在では道しるべも設置されていたりと、観光目的で訪れやすくなっている。
熊野古道のセーブポイント的存在「王子社」
熊野古道のいたるところにある王子社。約2~3kmごとに設けられており、かつての参拝者は各王子社をたどりながら、そのたびに遙拝(ようはい)を繰り返したという。身分や老若男女関係なく大勢の人が熊野を訪れたそうで、その姿を行列をなすアリに例えて「蟻(あり)の熊野詣」と表現されたそうだ。王子社はそこで休憩したり、疲れを癒やしたりしながら熊野を目指す、RPGのセーブポイントのような存在だ。熊野古道にある王子社は「九十九王子(くじゅうくおうじ)」と呼ばれているが、これは実際の数ではなく王子社がたくさんあったという意味。熊野古道を歩く際は、当時に思いを馳せ、王子社にも注目してみてはいかがだろうか。
今も旅人の喉を潤す冷たい湧き水
今も人々の生活用水として使用されている「野中の清水」。かつての熊野詣での過酷な道のりを行く人々にとって、きれいな水が湧き出ていることがどれほどありがたいことだったのだろうか。「日本名水百選」にも選ばれているこの湧き水は、日照りが続いても一度も枯れたことがないといわれ、湧き出た水は野中川へと流れている。近くには継桜王子(つぎざくらおうじ)があり、樹齢800年ほどの立派な一方杉を見ることができる。野中の清水は目印となる朱い橋の下で汲めるほか、近くの民宿などでも出されているそう。
スポット詳細
- 住所
- 和歌山県田辺市中辺路町 地図
- エリア
- 熊野古道・本宮エリア
- 電話番号
- 0739641470
- 駐車場
-
あり
※滝尻、道の駅熊野古道中辺路、近露、野中 - 備考
- ※電話番号は中辺路町観光協会に繋がります。
情報提供: ナビタイムジャパン