櫟野寺
最澄が彫り上げた本尊・十一面観音は日本最大の坐像
わざわざでも訪れたい最澄ゆかりの古刹
JR草津線甲賀駅から町内巡回バス「櫟野観音行き」で約15分。山々や田畑に囲まれたのどかな地にたたずむ櫟野寺。参拝者が奉納した小さな観音像500体ほどが並ぶ参道を進み、鎌倉時代の仁王像が脇を固める山門をくぐろう。境内中央に柱や高欄の朱塗りがあでやかな本堂が現れる。櫟野寺の創建は奈良時代後期のこと。比叡山延暦寺の根本中堂を建てるための木材を求めてこの地を訪れた最澄が、霊夢を感じた櫟(いちい)の木で十一面観音坐像を彫り、本尊として安置したのが始まりだ。天台宗の甲賀六大寺の筆頭で、ほかの寺院は時の流れとともに廃れたという。
お寺の境内に縁結びの神様と相撲の土俵!?
本堂左手前の小さな祠は、縁結びの神。平安時代から霊験あらたかであるとして当寺で守り伝えられてきた神像を祀り、今も手を合わせる人が絶えない。本堂右手前には毎年秋に奉納相撲をするための土俵もある。さかのぼること平安時代初期、桓武天皇の命を受けた征夷大将軍の坂上田村麻呂が、鈴鹿の山に棲みつき悪さをしていた鬼を退治しにやってきた。苦戦したものの本尊の観音様に祈願すると、力を得て勝利をおさめたという。田村麻呂がのちに再び参拝に訪れ、家来に命じて相撲を奉納したのがルーツだという。
本堂で手を合わせ、仏像群が待ち受ける宝物殿へ
宝物殿の拝観受付をしたら本堂へ上がろう。伊藤若冲の絵を模写したという華やかな天井画を仰ぎ見たら、係の人の案内でいざ宝物殿へ。中央に安置されるのが本尊の十一面観音菩薩。ふだんは厨子の中におられる秘仏だが、春と秋の特別拝観が出合えるチャンス。本体は3.3m、うしろの光背を含めると高さ5.3mで、日本最大の坐像だ。右側は「甲賀三大仏」のひとつ薬師如来で、廃寺となった寺の本尊を守り継いでいる。釈迦如来、弥勒菩薩、地蔵菩薩、吉祥天など宝物殿の仏像は全25体、そのうち20体が重要文化財というからまさに仏像の宝庫。ぜひ本尊にも出合える春と秋を待って訪れたい。
スポット詳細
- 住所
- 滋賀県甲賀市甲賀町櫟野1377 地図
- エリア
- 信楽・甲賀エリア
- 電話番号
- 0748883890
- 時間
- 9:00-16:00
- 休業日
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不定休
[拝観休止]12/17-1/3 - 料金
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【通常拝観料】
[大人]500円
[中、高校生]300円※小学生以下は、保護者同伴に限り無料 - 駐車場
- あり(普通車50台、大型バス10台)
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 甲賀三大仏!!
- 滋賀県甲賀市甲賀町にある天台宗の寺院で「らくやじ」と言います。たまたま近所を車で走っていて「甲賀の大仏」と言う看板が見えたので寄りました。無料の駐車場があり、そこから境内に向かうと、たくさんの観音様がたくさん並ぶ参道があり、ガラス張りの中に仁王様がいる仁王門も小ぶりですが素敵でした。ここの一番の見どころは甲賀三大仏と言われる薬師如来坐像、日本最大の十一面観音坐像ですが、少し急いでいたので...
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- 甲賀三大仏のひとつ
- 甲賀三大仏のひとつということで訪れました。10月に十一面観音のご開帳があるとのことで、今回は内覧しませんでした。秋が楽しみです。
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- 東京で出会い、追いかけて
- 数年前に東京国立博物館で、この寺院所蔵の仏像の展示会がありました。その際に秘仏であること、櫟野寺では33年に一度の公開(大開帳)であること、仏殿の修繕の為博物館へ貸出されたことを知り、ぜひ、現地で見たいと思いました。今年、たまたま関西への出張予定と公開が重なったので、なんとか時間をやりくりして参拝。(櫟野寺参拝のための臨時バス便があり助かりました)照明が異なるからか環境からか、博物館での拝観と...
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