とろろ汁の丁子屋

郷土料理

広重の浮世絵に名を残す、400年余りの伝統を受け継ぐとろろ汁店

江戸時代の東海道を思わせる、見ごたえのある茅葺き屋根の古民家。ここは、丸子名物のとろろ汁をいただくことができる丁子屋だ。歴史資料や浮世絵を見学できる資料館も併設しており、当時の様子を思い浮かべながら時を過ごせる。

2022年(令和4)に登録有形文化財に指定。葺き屋根の古民家が目印} 2022年(令和4)に登録有形文化財に指定。葺き屋根の古民家が目印

戦国時代にお茶屋として創業

東海道五十三次の20番目の宿場町「丸子宿」にある「丁子屋」。創業は戦国時代の1596年(慶長元)。駿府の町が焼き払われ、豊臣秀吉が小田原城征伐のために兵を挙げ、この地を通過。そんな動乱の時代にお茶屋として開業し、今も場所を変えることなく営業し続けている。歌川広重の『東海道五十三次内 丸子』に描かれているお茶屋は「丁子屋」がモデルといわれている。絵に登場する店の看板には「名ぶつ とろろ汁」の文字が。自然薯(じねんじょ)の採れる時期にとろろ汁を提供していたそうだ。丸子宿の先には難所である宇津ノ谷峠(うつのやとうげ)があり、旅人たちはとろろ汁で精をつけていたといわれている。

とろろ汁、麦めし、味噌汁、香物、薬味が付いた定番の定食「丸子」1630円} とろろ汁、麦めし、味噌汁、香物、薬味が付いた定番の定食「丸子」1630円

店の横には歌川広重の『東海道五十三次内 丸子』の絵が描かれた看板がある} 店の横には歌川広重の『東海道五十三次内 丸子』の絵が描かれた看板がある

農家と協力しながら育てた特製自然薯

「丁子屋」では、40~50年ほどかけて静岡県の農家と協力しながら自然薯の栽培を研究。その質は年々よくなっていると14代当主は話す。「丁子屋」のとろろ汁は、すりおろした自然薯と卵、秘伝のマグロの煮汁と醤油を合わせたものに、焼津産のかつお節の出汁とこだわりの自家製白味噌を合わせた味噌汁でのばしていく。自家製白味噌は昔から静岡市周辺で作られてきた米こうじの割合が多めの「相白みそ」と呼ばれるもので、高級大豆のツルムスメを使って今でも手作りしている。茶碗に軽くよそって香ばしい麦飯にとろろ汁をたっぷりかけてザーッと流し込むように食べると、風味豊かな出汁と自然薯特有の香りが口いっぱいに広がる。麦飯はおひつにたっぷり入ったものが提供され、素朴な味わいで何杯でも食べられそうだ。

多くの観光客が訪れ、バブル期には1日1200食ほど提供していたそう} 多くの観光客が訪れ、バブル期には1日1200食ほど提供していたそう

席数180席。時代を重ねた古民家の集合体

実は「丁子屋」は、江戸・明治・大正・昭和と時代を重ねたいくつかの古民家の集合体になっており、席数は約180席。店の外に行列のできることもあるが、席数が多いため回転は早い。座敷、テーブル席のほか、庭の見える個室もある。建てられた時代が異なり、それぞれに趣がある。どの部屋にも江戸時代を思わせる調度品や、浮世絵、季節の花、掛け軸が飾られ、食事を待つ間も楽しめるようになっている。江戸時代に使われた旅人の道具や、松尾芭蕉、十返舎一九、歌川広重の作品が展示された歴史資料館も併設。レジ近くには自然薯を使った商品やオリジナルのお土産を販売しているコーナーもあるので、忘れずに立ち寄ろう。

歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』の復刻版がすべて並べられた部屋も} 歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』の復刻版がすべて並べられた部屋も

歴史資料館。「丁子屋」は江戸時代に摺(す)られた当時の浮世絵『東海道五十三次』をすべて所蔵しており、4~5枚ずつ展示} 歴史資料館。「丁子屋」は江戸時代に摺(す)られた当時の浮世絵『東海道五十三次』をすべて所蔵しており、4~5枚ずつ展示

オリジナルの手ぬぐいや茶碗のほか、むかごやとろろの羊羹なども販売} オリジナルの手ぬぐいや茶碗のほか、むかごやとろろの羊羹なども販売

スポット詳細

住所
静岡県静岡市駿河区丸子7-10-10 map map 地図
電話番号
0542581066
時間
[平日]11:00-14:00
[土日祝]11:00-19:00(15:00-16:30休憩あり)
休業日
木、月末の水
駐車場
あり(80台、大型3台含む)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(PayPay、LINE Pay)
Wi-Fi
あり
コンセント口
あり(10口※複数部屋に分かれる)
喫煙
不可
ベジタリアンセレクション
あり
英語メニュー
あり
平均予算
【昼】1,001-3,000円
【夜】1,001-3,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい
備考
※お電話については営業中は対応できないことがあります。

[HP]https://chojiya.info/
※問い合わせはホームページからもお受けできます。

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 東海道の旅人気分
    5.0 投稿日 : 2023.05.03
    東海道五十三次の鞠子宿にある400年を超える歴史のあるお店。開店11時で、15分前ぐらいに到着。 入り口で発券機で順番待ち。 店の前から見える藁ぶき屋根の古民家は小さく、15番で、どれくらい待つのか心配でしたが、中に入ってみると廊下伝いに奥へ建物がつながっていて、難なく着席できました。 建て増し建て増ししたようで、沢山建物がありました。 この日は定番メニューとろろ汁・麦めし・味噌汁・香物・薬味...
  • 自然薯のイメージが変わる
    4.0 投稿日 : 2023.01.28
    最近静岡によく行く機会があり、昼食を数カ所で食べているが、ここは別格でした。お店は増築に増築を重ねているのか迷路の様です。今回はかなり奥まで通されました。落ち着いた雰囲気で趣きがあります。「本陣」コースをいただきました。とろろは程よい粘り気があり、味付けも濃過ぎず薄過ぎず絶妙です。量も多く、麦飯が進みます。とろろ以外も美味しいです。特に初めて食べましムカゴ揚げ団子?が不思議な食感...
  • 麦とろご飯の有名店
    4.0 投稿日 : 2022.01.09
    自然薯の麦とろ飯が美味しかったです。歴史あるお店らしく、増改築を重ねて迷路みたいなお店でした。以前は畳の座敷だったようですが、今は和室にテーブルと椅子がセッティングされており、お年寄りの方でも足腰に負担なく、ご飯が食べられる。麦とろは味噌あじで薄めの味付けでした、物足りない方はテーブルにわさび塩や醤油が置いてあるので、味変して食べても良いと思います。ご飯おかわり自由なので男性でもお...

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アクセス

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