徳田秋聲記念館

記念館

「女性を書かせては神様」と言われた文豪の足跡を紹介

徳田秋聲(しゅうせい)は、泉鏡花、室生犀星(むろおさいせい)とともに金沢の三文豪の一人に数えられる。ひがし茶屋街の南側を流れる浅野川に面して建つ記念館では、秋聲の自筆資料や遺愛品を多数展示している。

金沢の街並みに似合う黒瓦屋根や土塀が記念館の建物・外構に用いられている} 金沢の街並みに似合う黒瓦屋根や土塀が記念館の建物・外構に用いられている

ノーベル賞作家も絶賛した自然主義文学の大家

「日本の小説は源氏に始まって西鶴に飛び、西鶴から秋聲に飛ぶ」。これは、ノーベル賞作家・川端康成の徳田秋聲に対する評価だ。秋聲は、身の回りの出来事や庶民の生活をありのままに綴る「自然主義文学」の代表的作家として明治後期から昭和前期まで活躍し、自身の結婚生活や師である尾崎紅葉の死を題材とした『黴(かび)』、お島という女性の半生を生き生きと描いた『あらくれ』、女流作家との恋愛を告白した私小説『仮装人物』などの作品を残した。記念館は、そんな秋聲の生涯や人柄、作品の魅力を広く伝えることを目的に2005年(平成17)に開館した。入館したら、まずは秋聲の出生から小説家になるまでの歩みを自伝小説の文章に沿って紹介するパネルコーナー「光を追うて」から見て回ろう。

「光を追うて」のコーナーには、自伝小説のワンシーンを切り取ったジオラマも置かれている} 「光を追うて」のコーナーには、自伝小説のワンシーンを切り取ったジオラマも置かれている

秋聲作品のヒロインを和紙人形で表現

秋聲は、女性の容姿やしぐさ、心の中まで鋭く描写し「女性を書かせては神様である」と評された。館内には、秋聲の5作品『黴』『あらくれ』『挿話』『仮装人物』『縮図』に登場するヒロインをモデルにした和紙人形が展示されたコーナーがある。制作者は、日本を代表する和紙人形作家・中西京子氏。人形のポーズや服装でヒロインの個性を見事に表現しており、思わず見入ってしまう。ミニシアターも併設され、5作品の制作背景を映像で知ることができる。また館内には、都内に現存し東京都指定史跡でもある秋聲旧宅の書斎を忠実に再現したスペースや、初版本、直筆原稿、書簡などを閲覧できる常設展示室も用意されている。

人形は金沢の伝統的な和紙「二俣(ふたまた)和紙」で制作された} 人形は金沢の伝統的な和紙「二俣(ふたまた)和紙」で制作された

秋聲が実際に使用していた机や掛け軸を用いて再現した書斎} 秋聲が実際に使用していた机や掛け軸を用いて再現した書斎

第1回菊池寛賞を受賞した際の正賞の懐中時計など、文業を示す貴重な品を展示している} 第1回菊池寛賞を受賞した際の正賞の懐中時計など、文業を示す貴重な品を展示している

現代仮名遣いの秋聲作品を販売

徳田秋聲記念館は、2階の休憩スペースからの景色も見どころのひとつ。大きなガラス窓からは、「女川(おんながわ)」と称される浅野川の穏やかな流れと、映画やテレビドラマの舞台としてよく登場する梅ノ橋や黒瓦の家々が並ぶ金沢の街並みを一望できる。また、1階受付横のミュージアムショップでは、同記念館が秋聲の作品を現代仮名遣いに改めたオリジナル書籍が販売されている。秋聲の作品をまだ読んだことがないのであれば手に取ってみてはいかがだろう。便せんやクリアファイルといったグッズは、秋聲作品の初版本の口絵などがあしらわれ、レトロな趣がある。

ミュージアムショップ。記念館オリジナルの文庫が人気だ} ミュージアムショップ。記念館オリジナルの文庫が人気だ

敷地内には、浅野川の河川敷へ直接上り下りの可能な展望デッキが設けられている} 敷地内には、浅野川の河川敷へ直接上り下りの可能な展望デッキが設けられている

スポット詳細

住所
石川県金沢市東山1-19-1 map map 地図
電話番号
0762514300
時間
9:30-17:00(受付終了16:30)
休業日
火(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/29-1/3)
展示替期間
料金
【観覧料】
[一般]310円
[団体(20名以上)]260円
[65歳以上・障害者手帳保持者およびその介護人]210円(祝日無料)
[高校生以下]無料
駐車場
あり(普通車2台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、au WALLET、Apple Pay、Google Pay、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
Wi-Fi
あり(kanazawa Free WiFi)
コンセント口
なし
喫煙
不可
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

クチコミ

  • 梅ノ橋のたもとに
    3.0 投稿日 : 2023.04.11
    日本の近代文学を代表する作家の一人で、こちらの記念館の近くが生誕地だそうです。梅ノ橋を南側から渡るとすぐのところにありました。書斎の再現や遺品の展示など、よくあるタイプの展示館ですが、和紙の人形で登場人物か紹介されているのはなかなか珍しい感じでした。
  • 秋聲のみちを歩いて
    3.0 投稿日 : 2020.04.14
    金沢三大文豪といわれる徳田秋聲氏の記念館、室生犀星の記念館と同じようにきれいな建物です。特に「女性を描写させたら神レベル」と言われたほどですから、女性の遍歴もさぞやということでしょうか。奥様を亡くされてからが作品もお元気が増したような尾崎紅葉の弟子、自然主義派の方ですね。
  • とてもきれいな施設です
    3.0 投稿日 : 2019.07.10
    とてもきれいな施設で、ゆっくりと来館したあとも過ごすことができました。入口には金沢の案内もたくさんあり驚きました。時間があるときや作品が好きな方はよいかもしれません。

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アクセス

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