六方焼惣八

100年以上のロングセラー。昔ながらの焼きまんじゅうに舌鼓

六方焼はその日の天候や気温、湿度によって材料の配分、焼き上げ時間を調整。サクッふわの食感を守る。焼きたて1個120円、個包装1個140円

惚八は山代温泉の中心、総湯のほど近くで営業する、地元で人気の菓子店だ。看板商品の六方焼は、先祖代々の製法を受け継いでいる。水を加えず卵とはちみつで小麦粉を練った生地でこし餡を包み、焼き上げる。100年以上の超定番。余計な甘みを加えないシンプルな製法だからこそ、素材にはこだわり、卵は地元の養鶏場で毎朝選ぶ新鮮なもの、小麦粉と小豆は北海道産などを吟味している。生地は形を作るのがやっとなほどのやわらかさで、餡を包むのにも熟練の技を要する。手早く天板に並べ、表裏、さらに四方をこんがり焼くので「六方焼」という。卵のふくよかな香りの生地、なめらかなこし餡の素朴でいて飽きのこない味わいは、お茶のお供など日々のおやつにぴったり。生地がカリッとした焼きたてを味わいたいなら朝10時過ぎに訪れよう。また、時間が経つほどに生地とこし餡がなじみ、表面はサクッ、中はふんわりの食感に変化する。こちらの味もおすすめだ。

1820年頃(文政年間)の創業。3代目が作り始めた六方焼を現在は6代目が受け継ぐ