室生犀星記念館
逆境の幼少年期を経て文豪となるまでの足跡をたどる
育った寺院での経験が作風に影響
室生犀星記念館は、にし茶屋街北側の住宅街の一角にある。後年、犀星と名乗ることになる室生照道は1889年(明治22)、記念館の立つこの地に生まれたが、過ごした期間はわずかだった。父親と女中との間の私生児だったため、生家近くの寺院・雨宝院の養子に出されたのだ。養母は気性が荒く、小学生のときには実父は死去、実母は行方不明になる。不遇な少年期を送った犀星にとって心の癒やしは、寺の庭や近くを流れる犀川での生き物との触れ合いで、自然や小さな命への慈愛あふれる作風にもつながっている。記念館では、こうした作家としての原点から、詩人を志したきっかけ、人の道をはずれてしまった人々を温かく描く「市井鬼(しせいき)もの」と呼ばれる小説を書くようになった経緯などについて、パネルや映像で詳しく紹介している。
犀星の嗜好を反映した2つの庭
犀星は庭づくりが趣味だった。記念館ではその情熱を表現したような2つの庭をガラス窓越しに見ることができる。1階受付の向かい側にある中庭には、「犀星」という筆名の由来の犀川をイメージして造られた池がある。水が絶えず湧き出ているため水面がゆらめいて日の光をきらきらと反射し、見ていると穏やかな気持ちになれる。また、1階メインの庭は、犀星が愛した庭を現代的にアレンジしている。犀星の小説や詩で杏の木がたびたび出てくることから、杏の木が植えられている。3月下旬には薄いピンクのかわいらしい花が咲き、6月頃には杏が黄色く熟す。中庭とメインの庭を同時に眺められる吹き抜けの空間には、縦に長い壁面に犀星の全著作の表紙パネルが飾られていて見ごたえがある。
犀星の愛猫・ジイノのグッズも販売
犀星は望まれて、金沢や東京で多くの校歌を作詞している。金沢では犀星が卒業した旧野町小学校や小将町(こしょうまち)中学校のほか、金沢大学、金沢美術工芸大学などの校歌を手がけており、記念館2階「犀星とわたし」の視聴覚コーナーでは27曲の校歌をヘッドホンで聴くことができる。館内のミュージアムショップものぞいてみよう。犀星の著作や、愛猫・ジイノをモチーフとしたしおり、ブックカバーなどを販売している。SNS上で、犀星とともに火鉢で温まるジイノを写した写真が「かわいい」と話題になったこともあり、ジイノグッズは幅広い世代で人気だ。
スポット詳細
- 住所
- 石川県金沢市千日町3-22 地図
- エリア
- 長町周辺エリア
- 電話番号
- 0762451108
- 時間
- 9:30-17:00(受付終了16:30)
- 休業日
- 火(祝の場合は翌平日)、年末年始、その他展示替え休館
- 料金
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【入館料】
[一般]310円
[65歳以上・障害手帳をお持ちの方及びその介護人]210円
[高校生以下]無料
[団体(20名以上)]260円 - 駐車場
- あり(4台。内障害者用1台)
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、Apple Pay、Google Pay、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
- Wi-Fi
- あり(KANAZAWA FREE Wi-Fi)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可(貸出用1台有り)
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 室生犀星生家
- 室生犀星は特に文学的には興味があるわけではありませんが、「ふるさとは遠きにありて思ふもの、、、」のしで有名な金沢を代表する文豪の一人です。その生家に立てられたきれいなビルが記念館ですが、本人は幼少期の頃にそばの雨宝院に養子に出されたそうです。
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- 室生犀星生家の跡
- 金沢市三文豪の一人室生犀星の生家跡に建つ記念館です、私は子供の頃から愛読しました近頃ここを訪れる人が多いと聞いて喜んでいます、西茶屋街から近いのでお寄りください。
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- 犀星の記念館
- にし茶屋街から犀川を渡って数分、室生犀星の記念館です。犀星の足跡を紹介していますが、娘さんやお孫さんの、室生家を生活を描くエッセイが大変面白かったです。
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