白神山地世界遺産センター(藤里館)

藤里町役場から車で10分ほど走ると到着する

自然アドバイザーが白神山地を解説

藤里町役場から車で10分ほどで到着する「白神山地世界遺産センター(藤里館)」。自然を体験して学べるエコツアーの基点でもあり、最新のフィールド情報や白神山地の価値について教えてくれる場所だ。白神山地は屋久島とともに、1993年(平成5)12月11日に世界自然遺産として登録されている。ここでは展示物を見られるほか、白神山地についてやさしく解説してくれる自然アドバイザーもいて、季節によって変化を続ける森の楽しみ方を教えてくれる。研修向けの自然プログラムや、センター主催の自然体験教室も人気だ。

館内に入ると正面にはシンボルツリー「400年ブナ」の写真が展示されている

常設展示やオリジナル映像のほか、手作り展示もおもしろい

自然アドバイザーがわかりやすく解説してくれる

白神の奥に残された絶景を巡る

標高1042mの小岳は、白神山地世界遺産センターから登山口まで2時間弱。現地ガイドでさえも「何度も振り返りたくなる」というほどの絶景が待ちかまえている。世界遺産の緩衝地帯にある小岳の山頂からは、高圧鉄塔などの人工物のいっさいない原生的な森を見渡せ、遠く青森県の岩木山も展望できる。小岳登山口までは未舗装道路が23km、車で約1時間半の道のりが続く。RV車推奨だ。ガイドの依頼やツアー情報は白神山地世界遺産センターに隣接する観光案内所「白神山地　森のえき」まで問い合わせよう。小岳の登山ルートは往復4時間ほどだが、安全に登山を楽しむためにもツアーに参加したりガイドを依頼して入山することをおすすめする。

小岳から眺める世界遺産エリアの風景

シンボルツリーに出合える散策コース

白神山地世界遺産センターで森の理解を深めると、白神山地を体験したいと思う方もいるはず。本格的な登山は不安だという方にはスニーカーでも行ける「岳岱(だけだい)自然教育観察林」を紹介したい。世界遺産地域ではないものの、遺産地域と同じような原生的なブナ林の景色を楽しむことができる。ジブリ映画『もののけ姫』の視覚的参考にもされた場所だ。遺産センターから車で片道約40分走ると到着する。約12haのブナの原生林のなかには、マイナスイオンを浴びながら樹齢約400年のブナや巨岩の間を歩ける遊歩道が整備してある。環境に配慮されたトイレもあり、本格的な登山の用意がなくても気軽にトレッキングを楽しめる。道路状況などは白神山地世界遺産センターのFacebookでも随時情報を確認できる。

ブナの原生林。春になると根元を中心に雪がとけ始める「ブナの根開き」

観光案内所で希少な国産羊グルメを堪能

センター目の前にある観光案内所「森のえき」には、お土産の販売所と地元の味を楽しめる食堂もある。藤里町で育った希少な国産羊肉とクレソンの丼「ラムクレ丼」は人気メニューで、リピーターも多い。また、ラーメンやそばもあり、観光客のほか地元の方々の利用も多い。売店ではブナ林が時を経て地下に蓄えた良質な地下水を、空気に触れることなく採取・非加熱濾過をした水「白神山水」やオリジナルTシャツも手に入る。味噌「白神の恵」や地元で採れた新鮮野菜、山菜も随時販売中だ。ガイドの申し込み窓口も兼ねているため、興味のある方は気軽に相談してみるとよい。「森のえき」から歩いていける場所には、源泉の違う3つの日帰り入浴施設がある。こちらも地元民が愛するやわらかな湯が特徴だ。

人気の白神ラム肉とクレソンを使った「ラムクレ丼」(1000円)

白神山水限定ボトル(140円)。滑らかな口当たりの超軟水