川原毛地獄
三途川を越えた先に広がる荒涼とした白の世界へ
山懐に突然現れる地獄のような光景
湯沢横手道須川ICから県道51号線を車で20分ほど進むと、途中で三途川という切り立った渓谷にたどり着く。三途川に架かる橋を越えて、さらに標高約800m付近まで山道を登った先に灰白色の山肌が突然現れる。草木が生えない山肌と鼻を突く硫黄の匂い、辺りから噴き出す蒸気などがまるでこの世の地獄のよう。この一帯は約600万年前から始まった大規模噴火により形成された「三途川カルデラ」のほぼ中央部に位置しており、今も火山ガスの噴出など活発な噴気活動が続いているエリア。見渡す限り広がる白い山肌の正体は、強酸性の熱水と噴気作用により凝灰岩(ぎょうかいがん)という岩石が白く珪化(けいか)したものだ。駐車場からは遊歩道が整備されており、荒涼とした光景の地獄巡りを体験できる。
カルデラ地形が「日本三大霊地」とされる理由
今から1200年以上前、天台宗の僧侶であった「月窓和尚(げっそうおしょう)」がこの地を訪れ、修行の地として霊通山前湯寺(れいつうざんぜんとうじ)を建立したことが霊場としての始まりといわれている。山形県の山寺「立石寺」を創建した慈覚大師(じがくだいし)もここを訪れて、地蔵やお面を奉納したという霊験あらたかなパワースポット。また、江戸時代には良質な硫黄が取れる鉱山としても知られていた。霊山という言葉や不毛な景観のために、足を踏み入れるのをためらいそうな場所だが、これも秋田県南エリアに広がる火山地形のひとつであり壮大な自然の営みでもある。川原毛地獄と川原毛大湯滝(かわらげおおゆたき)にはそれぞれ駐車場があり、大湯滝駐車場の脇を歩いて15分ほど下流方面に降りると、国内でも珍しい滝の湯「川原毛大湯滝(かわらげおおゆたき)」が見えてくる。
川原毛地獄は実は温泉天国だった!?
川原毛地獄の西側にある「川原毛大湯滝」は、滝つぼが天然の湯船になっているという珍しいスポット。約1㎞上流で湧出する源泉温度90℃以上の熱水が沢水と合流し、約20mの高さから流れ落ちる湯滝はダイナミックで大自然を満喫できる。7月上旬から9月中旬が適温時期であり、誰でも無料で楽しめる野天風呂として全国のコアな秘湯ファンが訪れている。シーズン中は簡易脱衣所も設置される。pH1.4という強酸性泉で目に入るとしみるような刺激があるので、肌の弱い人や子供連れなどの場合は特に注意が必要だ。また、川原毛地獄の頂上付近から車で5分ほど山道を下っていくと、開湯1200年以上の歴史をもつ湯治場「泥湯温泉(どろゆおんせん)」に到着する。現在は2つの宿が営業しており、茶褐色の濁り湯などを露天風呂で堪能できる。
スポット詳細
- 住所
- 秋田県湯沢市高松 地図
- エリア
- 横手・湯沢・栗駒エリア
- 電話番号
- 0183558180
- 時間
- 24時間
- 休業日
- 冬は積雪により完全通行止め。道路閉鎖期間は通常11-5月上旬。
- 料金
- 無料
- 駐車場
- あり(20台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 0-30分
情報提供: ナビタイムジャパン