サハラガラスパーク

ガラス制作体験は、キャリア10年以上のベテランスタッフがサポートしてくれるから安心

世界のアートガラスの美しさに感動

一関の有名な観光名所「厳美渓(げんびけい)」に向かう途中、突然メルヘンな施設が目に飛び込んでくる。まるで遊園地の正面ゲートのような入り口を進むと大きなガラスの噴水が現れるが、東日本大震災で設備が壊れたままで今は水が出ないという。ここ「サハラガラスパーク」は、ガラスの加工や販売を行っていた創業者が世界中をまわって収集したガラス製品を見てもらおうと1993年(平成5)に開館した。施設内には、世界のアートガラス10万点以上が展示されており、各国のガラス製品や施設のオリジナル製品などが展示販売されている。ワイングラスやテーブルランプなどのインテリアから、愛くるしいガラス小物やキャラクターのミニチュアまで、とにかく飾られている点数が多い。ガラスの美しさやかわいらしさに引き込まれ、ずっと見ていても飽きることがない。

ガラス制作体験を始める前に、完成したグラスを見ながら好きな模様や色を選ぶ。展示作品からもインスピレーションを得られるかも？

ガラスを膨らませてグラスを作る制作体験

「サハラガラスパーク」で人気なのが、グラスや一輪挿し、夏には風鈴などのオリジナルガラス製品が作れる体験メニューだ。今回紹介するのは、宙吹きガラス技法を使った色付グラスの制作体験4400円。テレビ番組などで見かける、長い筒(吹き竿)に息を吹き込んでガラスを膨らませる、あの体験ができる。まずは、見本を参考に色や模様を選ぶ。模様付きの場合は、大きな窯の中で溶けた基礎ガラスを吹き竿で巻き取り、金属を溶かして砕いたものを基礎ガラスに付けて色付けしていくそうだ。ガラスをやわらかくする窯入れの作業はスタッフがやってくれるので、子どもでも心配はない。「最初のひと吹きだけは強めに。あとは楽に吹けるようになるから」と言われ、スタッフの指示どおり吹き竿に思いっきり息を吹き込むと、意外にもスムーズに膨らんできて、ワクワク！

ガラスを溶かす窯の中の温度は1400℃。近づくだけで、熱気が伝わってくる

何度か息を吹き込んでいくと、徐々にグラスの形になってきた。あと、もう少し！

製作時間約20分でオリジナルグラス完成

ガラスを膨らませるたびにスタッフが窯入れして、キレイな形になるよう竿を動かしながらサポートしてくれる。ガラスは熱いうちに成型する必要があるため、行ったり来たりで忙しいが、グラスができあがっていく様子は見ていて楽しい。机に竿を置いて底を平らにしたら、別の竿(ポンテ)をグラスの底に付け、今まで吹いていた竿を切り離す。切り離したところがグラスの飲み口になる。グラスの中から大きな箸で飲み口を広げ、形が整ったら終了。キレイなマーブル模様の入ったグラスが完成した。初めて作ったにしては上出来。これはサポートしてくれたベテランスタッフのおかげなのだが。徐冷炉(じょれいろ)に入れ、ひと晩かけてじっくりと冷やせば使えるようになるそうだ。後日の引き取りが難しい場合は、自宅まで発送(送料1件900円)してくれる。

大きな鉄の箸を使って、飲み口をきれいに。思いどおりに行かなくても、スタッフが補助してくれるので大丈夫

マーブル模様がかわいい完成したグラス。透明なグラスや全体に色の着いたグラスも作れる

レトロな雰囲気のSNS映えスポットとして人気

ガラスショップ2階には、軽食や地元食材を使った料理を楽しめる「レストラン瑠璃」が。広々とした店内には、ガラスオブジェやランプスタンドなど、アートガラスのインテリアが飾られ、窓のステンドグラスも美しい。パーク内を歩き疲れたら、「ヘルシー&サステナビリティ」がコンセプトの「Cafe de Verre(カフェ ドゥ ヴェール)」でお茶を。ハーブティーやシフォンケーキを開放的なテラス席でのんびりいただくのもいいだろう。そして、今、SNSで話題なのが、入り口ゲート脇にある赤や青のガラス屋根が付いた「ガラスの小道」。「ノスタルジックな雰囲気とカラフルな光が写真映えする」と話題で、撮影するために来館する女性客があとを絶たない。「サハラガラスパーク」の入場は無料。パーク内を散歩して、フォトジェニックスポットを発見する楽しみもある。

オープンから30年。どこか懐かしい遊園地のような正面玄関