伊香保神社
365段の石段を登ってたどり着く、温泉街を見守る神社
神話の時代から続くとされる霊験あらたかなお社
伊香保温泉街の365段の石段を登ってたどり着く伊香保神社。石段途中にある1つ目の鳥居、そして登り切ったところに立つ2つ目の鳥居をくぐり境内に足を踏み入れると、とたんに静寂に満ちた空気に包まれる。
本殿前の説明書きを確認すると、神社の始まりは、第11代垂仁天皇の時代(紀元前29~70)にまでさかのぼるとわかり驚く。現在の吉岡町に開かれ、現在の場所には平安末期以降に移されたという。格式高い神社を定めた「延喜式神名帳」では、一宮貫前神社、二宮赤城神社に次ぐ三宮に数えられている。ご祭神は、温泉地に祀られることが多い国造りの神・大己貴命(おおなむちのみこと)と薬の神・少彦名命(すくなひこなのみこと)。縁結びや子宝、安産、家内安全、商売繁盛、健康、豊穣などのご利益があるとされる。また、本殿の左前に建つ小さな社には、八坂神社・八幡宮・稲荷神社の三社が鎮座しており、合わせて参拝できる。
災禍を経ても変わらぬ神々の魂に守られる
火事の多かった伊香保では、伊香保神社も災禍に見舞われ、1878年(明治11)に焼失したが、1883年(明治16)に再建。その後も改修が行われ、現在の姿に。建物が変わっても、この温泉街が長く栄え、今も多くの観光客に愛されていることが、祀られた神々の魂は昔も今も変わっていないことを証明している。
境内を散策すると、そこかしこに石碑が建っている。そのなかで最も古いものは、1778年(安永7)に建てられた松尾芭蕉の句碑。芭蕉は伊香保を訪れていないが、伊香保を訪れた芭蕉の弟子が、師匠が伊勢神宮を訪れたあとに詠んだ句「初しぐれ 猿もふみのを ほしげなり」を伊香保神社で思い出し、石碑に記したものだ。石碑を見ていくと、伊香保神社の刻んできた歴史が垣間見える。
自然の恵みに包まれた癒やしスポット
伊香保神社の例大祭は、9月19日。835年(承和2)の9月19日に大社の社格を授けられたことに由来している。例大祭は3日間にわたる「伊香保まつり」とともに開催され、盛大な賑わいを見せる。
伊香保神社の南側には榛名山がそびえ、周囲は木々に囲まれた自然豊かな場所にある。境内にある掲示板には、「自然を感じ、その恵みに感謝しながら素直な心で祈ってほしい」と宮司からのメッセージが書かれている。神社におわす神々と自然の力が相まって、ここで過ごす人々を癒やし、守ってくれるに違いない。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
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