大窪寺
すべてのお遍路さんが目指す、四国霊場最後の札所
徳島県との県境近くの山中に立つ寺
高松市の中心部からは車で約50分。市街地を抜け山に入ると、途中で道が合っているのか不安になるほどただひたすら山道を登って行く。その先に「大窪トンネル」というトンネルがあり、その手前を左へ曲がると、ようやく寺の建物が見えてくる。こんな道を、昔は誰もが歩いてお参りしていたというのだから、四国八十八ヶ所巡礼にかける思いの強さは並たいていのものではなかっただろう。今は車道が整備されて車で気軽に行けるようになったとはいえ、徳島県との県境近くの山のなか。冬は積雪する場合もあるので注意が必要だ。ここ大窪寺は、四国八十八ヶ所霊場の最後の札所、結願の寺。長い巡礼を終えたお遍路さんにとっては、ここまでの道のりの大変さと大願を果たした達成感を同時に味わう特別な場所だ。山深い秘境めいたこのロケーションも、何か特別な思いを引き起こす要因になっているのかもしれない。
本尊は空海自作の薬師如来
大窪寺は717年(養老元)に行基菩薩がこの地に草庵を結んで修行したのが始まりとされる。その後、815年(弘仁6)に中国から帰国した空海が、現在の大窪寺奥の院にある岩窟で修行し、等身大の薬師如来像を作って本尊とした。また、中国の僧、恵果阿闍梨(けいかあじゃり)から授かったという三国(インド・中国・日本)伝来の錫杖を納めて大窪寺と名付け、結願の寺と定めたとされている。奥の院の胎蔵峯寺(たいぞうぶじ)は本堂から大師堂へ向かう途中、右手にある階段から山道をずっと登った先にあり、本堂からは往復1時間ほどかかるので時間には余裕をもって訪れてほしい。
また、大師堂の地下には四国八十八ヶ所すべてのご本尊の仏像が祀られており、この像すべてをお参りすることで八十八ヶ所を参拝したのと同等のご利益が得られる「お砂踏み」をすることができる。健康上の理由から巡拝が難しい人や時間がない人も四国霊場を巡れる場所で、静かな室内で自分のペースでお参りできると好評だ。拝観料は500円。希望者は納経所まで申し出を。
紅葉シーズンの美しさは必見
古くから女性の参拝を許していたため「女人高野」とも呼ばれていた大窪寺。結願の寺であるだけでなく紅葉の名所としても有名で、秋はお遍路さん以外にもたくさんの人が紅葉を目的に訪れる。本堂の右手前には大きなイチョウの木がそびえ、さらに二天門を入って本堂へと続く参道の途中を右にそれるとモミジの美しい庭が広がっている。秋は境内一帯が赤や黄色に色づくが、特にこの庭の景色は一見の価値あり。秋だけでなく初夏の新緑も美しいので、ぜひカメラを持って訪れてほしい。自然豊かな大窪寺周辺には、BBQ広場やキャンプ場も備えた「みろく自然公園」や、地元で採れた新鮮な野菜を味わえる産直カフェ「五名(ごみょう)ふるさとの家」などがある。東讃エリアの山側の自然を一日中たっぷり満喫しよう。
スポット詳細
- 住所
- 香川県さぬき市多和兼割96 地図
- 電話番号
- 0879562278
- 時間
- 7:00-17:00
- 休業日
- 無休
- 料金
-
[拝観料]無料
[お砂踏道場]500円 - 駐車場
- あり(100台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 可
- 滞在目安時間
- 0-30分
情報提供: ナビタイムジャパン
このスポットを紹介している記事
クチコミ
-
- 第88番札所
- 第88番札所 大窪寺結願のお礼にお伺いしました。最初にお伺いしたのが5年前、久しぶりのお参りです。境内は広く見ごたえも十分。8月の四国とは思えない雨で寒さもなかなかでしたがゆっくりとお参りさせていただきました。
-
- 結願の心を新たに
- 四国遍路の結願寺。9月19日 日曜日の夕方2年ぶりの参拝です。前回は、雨模様の参拝でしたが、今回は台風一過の穏やかな天候に恵まれたドライブと参拝になりました。駐車場から山門、大師堂、本堂までなだらかな坂をゆっくりと散策できます。紅葉にはまだ早い季節ですし、コロナ禍で参拝者は、まばらで線香の香りを感じながらリフレッシュできました。本殿から納経場(御朱印)まで通路があり、足元を気にせず移動できます...
-
- 最後の札所としての風格がある寺!
- 四国八十八ヶ所の最後の札所の大窪寺に行ってきた!さすが最後の札所であるからかかなり規模の大きい寺だった。山門を見れば分かる!本尊は薬師如来!人々の悩みを吹き飛ばすために法螺貝を持っているそうだ(本尊は秘仏)。11月上旬に行ったが境内の紅葉が綺麗だった。紅葉の名所としても有名なのでこの時期はオススメだ!
TripAdvisorクチコミ評価
もっと見る