植田正治写真美術館

美術館

山陰を撮り続けた写真家を紹介するユニークな美術館

アート感覚あふれる作品で知られる写真家植田正治(うえだしょうじ)氏の寄贈を受けて、大山を見渡す立地に誕生した美術館。写真作品の展示だけでなく、風景を取り込んだ仕掛けがあり、建物そのものが芸術品のようだ。

館内の正面に見える大山と水鏡に映し出された逆さの大山。流れる雲がアクセントを加える} 館内の正面に見える大山と水鏡に映し出された逆さの大山。流れる雲がアクセントを加える

アート感覚あふれる「砂丘シリーズ」

写真家の植田正治氏(1913~2000年)は、現在の鳥取県境港市出身。少年時代から写真に親しみ、東京のオリエンタル写真学校を卒業後、帰郷して写真館を開業、鳥取を中心に山陰地方を撮り続けた。なかでも1949年(昭和24)、1950年(昭和25)に撮影した、鳥取砂丘を背景に人物をまるでオブジェのように配したアート感覚あふれる『砂丘シリーズ』は特に有名。フランスで「Ueda-cho(植田調)」という言葉で広く紹介され、フランス芸術文化勲章を受章するなど国際的にも高い評価を受けている。シンガーソングライターの福山雅治さんが師事したことでも知られる。植田正治写真美術館は、本人から1993年(平成5)に寄贈を受け、鳥取県岸本町(現伯耆町)が1995年(平成7)に開館した。約1万2000点の作品を収蔵している。

植田作品を紹介する企画展の展示室は3つある} 植田作品を紹介する企画展の展示室は3つある

モダンな建物もすばらしい

大山を一望できる絶好のロケーションを生かし、自然を大胆に取り入れている美術館だ。設計は、島根県出身の高松伸(たかまつしん)さん。約1万6000平方メートルの敷地に地上3階建てのむき出しのコンクリートの建物が4棟、下駄を裏向きにしたような形に並ぶ。建物は、棟と棟の間に水をたたえて、大山が逆さに映る仕掛けを造っている。美術館のすぐ裏には大山をほぼ真正面にして、「逆さ大山」を映し出す池「福岡堤」があり、高松さんはそのイメージを受け継いでいるという。同美術館の設計で、1995年(平成7)度芸術選奨文部大臣賞に輝いている。

大山側から見た美術館} 大山側から見た美術館

世界最大級のレンズで映し出す映像展示室

植田の作品を体系的に紹介する展示室のほか、2階の映像展示室が見ものだ。ここは、直径600mmもある世界最大級のレンズ5枚を入れ、リアルタイムの大山の姿を逆さに映し出すカメラの構造を再現した部屋になっている。5枚のレンズの総重量は245kg、鏡胴部を含めると625kg。このレンズによって壁面に映しだされる映像は直径7m。映像展示室そのものがカメラの内部構造となっている。大山の映像は、植田氏のプロフィールや理念などを紹介するビデオが大画面で流される前後に映し出される。1階のミュージアムショップでは、図録、写真集のほか、作品のカードやポスター、Tシャツ、高松伸キーホルダーなどがそろう。館内の随所に椅子が設置されているので、展示室の作品だけでなく、周辺の風景もゆっくり時間を取って鑑賞したい。

2階の映像展示室は部屋全体がカメラの内部のような仕掛けだ} 2階の映像展示室は部屋全体がカメラの内部のような仕掛けだ

通路に世界最大のカメラレンズが展示されている} 通路に世界最大のカメラレンズが展示されている

通路に設置された椅子に座って、大山をゆっくり眺めたい} 通路に設置された椅子に座って、大山をゆっくり眺めたい

販売機の置かれたカフェスペースがあるので、鑑賞の途中にひと息つける} 販売機の置かれたカフェスペースがあるので、鑑賞の途中にひと息つける

ミュージアムショップに並ぶポストカード。植田氏の代表作がそろっている} ミュージアムショップに並ぶポストカード。植田氏の代表作がそろっている

スポット詳細

住所
鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3 map map 地図
エリア
大山エリア
電話番号
0859398000
時間
10:00-17:00(最終入館16:30)
休業日
火(祝の場合は翌日)、展示替え期間
[休館期間]12月中旬-2月末日
料金
【入館料】
[一般]1,000円
[高・大学生]500円
[小・中学生]300円
駐車場
あり(100台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB)
※ショップのみ利用可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
あり(Houki Town Wi-fi)
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
60-120分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 建築見学
    5.0 投稿日 : 2022.10.20
    田んぼ?畑の真ん中にぽつんと立っていて、とても目立ちます。現代建築としても素晴らしく、アメリカで建築デザイナーをしていた主人は大変感激していました。建物、周囲の景観、影の落とし方まで、全てがアートとして成り立っています。建築好きな年配の観光客の方が一眼レフで写真を撮られていたのも印象的でした。
  • 近代的な建物と素晴らしい写真
    4.0 投稿日 : 2019.11.29
    ガイドブックで紹介されていたので行ってみました。のどかな風景のなかにある近代的な建物に驚かされました。2階に上がると大山が綺麗に見えました。逆さ大山も見ることが出来ます。植田さんの写真も素晴らしく、昔の人や風景などの写真をじっくりと見学しました。
  • 演出写真の世界を体感できる
    5.0 投稿日 : 2019.09.16
    演出写真家で福山雅治の写真の師匠でもある植田正治氏の写真が展示されております。写真を通じて植田氏の生涯を知ることができる施設です。写真映えのスポットもあり独自の演出写真を撮ってみては?

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アクセス

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最寄り

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