生口島
瀬戸田レモンの香りと潮風に包まれた「アートの島」
「レモンの島」の中心地・瀬戸田へ
「しまなみ海道」のほぼ中央に位置し、「レモンの島」として知られる生口島。東西に山が連なり、島のおよそ半分が日当たりのよい斜面で、温暖で降水量の少ない気候もあって、レモンをはじめ柑橘類の栽培に適している。レモン生産量が日本一で、国産レモンの約4分の1(28%)がこの島で生産されるという。海に面した山麓の斜面にレモン畑が広がり、潮風に乗って爽やかなシトラスの香りが感じられるのも、この島の魅力だ。島の北岸のほぼ中央部にある瀬戸田が島の中心で、おもな見どころも周辺に集まっている。対岸に高根島(こうねしま)を望み、瀬戸田港がある瀬戸田水道の風景もまた見どころのひとつだ。西の日光と称される耕三寺(こうさんじ)や平山郁夫美術館などを訪ね歩きつつ、地元出身の平山郁夫画伯が『しまなみ海道五十三次』に描いた風景が見られる瀬戸田の散策を楽しみたい。
製塩業で栄えた潮待ちの港町を行く
瀬戸田の港は古くから瀬戸内航路の一拠点で、特に西回り航路が発達した江戸時代には、頻繁な船の往来があった。潮の干満差が激しい瀬戸内海では、潮流を利用して航行したことから、上げ潮下げ潮を待つ船が集まった「潮待ちの港」が点在する。瀬戸田もそのひとつで、全国各地から多くの人や物資が集産する賑やかな港町だった歴史をもつ。また瀬戸田では、瀬戸内海の干満差や雨が少ない気候を利用し、古くから製塩が盛んだった。港の前には塩田開発で財をなした浜旦那(豪商)の蔵や、浜旦那が寄贈した1813年(文化11)の常夜灯が残る。蔵は2021年(令和3)4月に「SOIL SETODA KURA(そいるせとだ くら)」としてリノベーションされ、築140年の蔵の中には、しゃれた内装の観光案内所やコーヒーショップがある。耕三寺や平山郁夫美術館から港までは、昭和レトロな雰囲気が漂う「しおまち商店街」を歩いて10分足らずだ。
潮風に吹かれてアート巡りを満喫したい
もう1つ瀬戸田で見逃せないのが、港を見守るように潮音山(ちょうおんさん)の中腹に立つ「向上寺(こうじょうじ)」の三重塔。『しまなみ海道五十三次』のスケッチポイントであるだけでなく、瀬戸内らしさにあふれる瀬戸田を象徴する風景は、多くの画家やカメラマンの注目を集めてきた。平山画伯が生まれ育った風光明媚な「レモンの島」生口島は、「アートの島」でもある。島の沿岸部には17の個性的な野外アートが点在し、それらを総称して「島ごと美術館」と呼んでいる。アートのうち6点は「瀬戸田サンセットビーチ」の周辺にあるので、ドライブやサイクリングの途中にでも、それぞれ意味深長なタイトルが付けられた不思議なアートを鑑賞してみたい。サンセットビーチは「日本の水浴場88選」に選定された美しい海岸で、その名のとおり夕日の名所になっている。また「かおり風景100選」に選定された「シトラスパーク瀬戸田」が、2022年(令和4)8月にグランピングやドッグランを供えた施設としてリニューアルオープンし、生口島での楽しみが広がった。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン
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