明々庵
松江城を望む静寂の地に立つ不昧公(ふまいこう)ゆかりの茶室
松江藩再興に尽力し茶道と禅を広めた風流人
城下町・松江を代表する文化のひとつが茶の湯。生活のなかに抹茶と和菓子が浸透し、堅苦しい流派や形式にとらわれず、日本茶やコーヒーと同じ感覚で楽しむ人々が多いのだという。その松江ならではの茶の文化を築いたのが、不昧公だ。地元の人からは「不昧さん」の名で親しまれ、茶室の造りや道具、食にいたるまで彼が好んだとされるものは「不昧公好み」といわれる。書、画、和歌、陶芸にも通じ、風流人として京の都にまで名を知られる一方で、破綻した松江藩の財政を立て直した敏腕のお殿様でもある。「塩見縄手」から徒歩約15分の高台にある「明々庵」は、その不昧公自身が指図して造らせた茶室。当初、松江市殿町の有澤家本邸内に建てられ、不昧公もたびたび茶事を催し訪れたゆかりの場所だ。その後、東京の松平伯爵邸へ移され、度重なる移築により荒廃していたが、没後150年祭を機に、修復とともにこの場所に移築された。1966年(昭和44)、県の文化財に指定されている。
定石にこだわらない不昧公好みがぎっしり詰まった茶室
茅葺きの入母屋造りの屋根に掲げられた「明々庵」の額は、不昧公の自筆とされる。にじり口の右側にある、棚のような部分が刀掛け。左側に回り込むと、立ったまま出入りできる貴人口も設けられている。茶室内部には中柱がなく、客人との距離を詰めやすい「向切(むこうぎり)」の炉など、当時としてはシンプルな造り。築山がない枯山水の庭と、飛び石の高さが10cm以上あることも特徴だ。これは雨や雪が多い山陰の地で、武士の袴が濡れないようにとの配慮だったのだとか。植栽が常緑樹だけであるのも、冬でも緑の庭を愛でてもらうためといわれている。定石に頓着せず、客人への心配りとともに合理性も重視した、不昧公の好みをよく表している。
意外なこだわりに、風流人の人柄を知る
茶室を鑑賞したあとは、敷地内に立つ「百草亭」で、庭越しに茶室を眺めながら抹茶をいただける。茶菓子は「若草」と「菜種の里」の2種類。どちらも松江を代表する和菓子で、とろけるような舌触りと上品な甘さが抹茶によく合う。ほかにも、不昧公のこだわりが現れているのが、入り口右側にある飾雪隠(かざりせっちん)付き待合所。茶室に招かれた客人がそろい、主人に呼ばれるまで待つ場所だ。「雪隠」とはトイレのこと。実際に使われるものではなく、トイレまでもぬかりなくきれいにしていることは、本席もきれいにしていることをアピールするために設けられたものだという。また、入り口にある城見台からは、松江城を一望できる。不昧公が手がけた茶室として市内にもう1か所、重要文化財に登録されている「菅田庵(かんでんあん)」がある。こちらも合わせて訪ねてみると、不昧公好みの特徴をより理解できるだろう。
スポット詳細
- 住所
- 島根県松江市北堀町278 地図
- エリア
- 松江城周辺エリア
- 電話番号
- 0852219863
- 時間
-
[4月-9月]8:30-18:30
[10月-3月]8:30-17:00 - 休業日
- 年中無休
- 料金
-
【入館料】
[大人(高校生以上)]410円
[小人(小・中学生)]200円
[幼児(小学生未満)]無料 - 駐車場
- あり
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PayPay)
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 砂地や砂利が多く、車椅子での移動は二人で抱えての移動であれば可能です
- 乳幼児の入店
- 可
- ペットの入店
- 盲導犬は可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- 不昧公
- お茶にはまっていた方の茶室だけあります。入口がちょっとわかりにくかったですが、茶道教室の方がたまたま出ていらしたので、教えていただき行くことができました。
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- お茶目的なら早めに
- 塩見縄手でいろいろと観光して、ここでお茶をしたいと訪問しましたがお茶の受付は終了していました。まだ夕方前だったのですが終わっていたので、もしかしたその日によって多少変わるのかもしれません。ガイドブックにはその辺のことは載っていないので、お茶目的ならば早めに行かれるのがよろしいかと。細く急な階段を上っていくのですが、そこからして風情があります。今度は早めの時間に行こうと思います。
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- 松江藩七代藩主松平治郷公好みの茶室です
- 松江城の北側を散策中に明々庵の看板が有ったので行ってみました。明々庵は茶人でも有名な松江藩七代藩主松平治郷公好みの茶室です。藩主松平治郷公は今まで財政悪化の一途だった松江藩を復活させた人物(有能な家老がいましたが)、但しあまりにもお茶に道楽しすぎてまた悪化させた人物でもあります。
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