帝釈峡
絶景、美景、奇景の広がる三段峡と双璧をなす大峡谷
上帝釈、神龍湖、下帝釈の3エリアからなる
広島県内には、西日本屈指の大峡谷が東西2か所ある。1つは県西部の太田川上流域にある「三段(さんだん)峡」、そしてもう1つが県の東北部、庄原市東城町と神石高原町にまたがって広がる帝釈峡だ。高梁(たかはし)川水系成羽(なりわ)川支流の帝釈川が刻む谷間に、南北18kmにわたり、国内有数の大峡谷が続く。国の名勝で「日本百景」に数えられ、「比婆道後帝釈(ひばどうごたいしゃく)国定公園」の主要景勝地となっている。そこでは石灰岩台地が深く浸食され、大絶壁や鍾乳洞、岩塔など大自然が造形した奇観が目を奪う。帝釈峡は広大で、大きく「上帝釈」「神龍(しんりゅう)湖」「下帝釈」の3つのエリアに分かれ、それぞれに違った趣がある。
上帝釈で奇景巡りを楽しむ
帝釈峡探勝のメインとなるのは、上流域の上帝釈エリアだ。渓流沿いに歩きやすい遊歩道が整備され、ここならではの景色を愛でながら散策が楽しめる。遊歩道を入ってすぐの場所にあるのは、帝釈峡で探勝できる代表的な鍾乳洞「白雲洞」。石灰岩で形成された帝釈峡一帯には無数の鍾乳洞があるといわれるが、下帝釈の「幻の鍾乳洞」など大半が未知の世界で、一般の探勝はできない。さらに谷間の遊歩道を進めば、「鬼の唐門(からもん)」「鬼の供養塔」などの奇観が見られ、上帝釈でいちばんの見どころ「雄橋」が眼前に姿を現す。隆起と浸食作用によってできた巨大な天然の岩の橋で、「神の橋」とも呼ばれ、国の天然記念物となっている。さらに進めば、流れの美しい「断魚渓(だんぎょけい)」や、鍾乳洞から流下する「素麺(そうめん)滝」などが見られる。たんたんと続く遊歩道をそのまま下れば、やがて神竜湖の湖畔にたどり着く。
泊まりがけで帝釈峡の自然を満喫したい
神龍湖は全長8km周囲24km、1924年(大正13)に建設された帝釈川ダムの歴史ある人造湖だ。山々に囲まれた湖面に映える深紅の橋が印象的で、遊覧船が湖を巡る。湖を取り巻く山々は初夏に新緑、秋に紅葉が美しく、湖上の遊覧船からすばらしい景色を楽しめる。湖上に架かる3つの赤い橋(神龍橋、桜橋、紅葉橋)を渡り、湖を1周する遊歩道もある。特に紅葉シーズンには紅葉を映す湖面のリフレクション、青空とのコントラストが見事で、多くの行楽客で賑わう。神龍湖の下流にあたる下帝釈では、高さ100mに及ぶ断崖絶壁が続く。帝釈峡でもいちばん「大峡谷」にふさわしいエリアだが、行楽客で賑わう帝釈峡にあって、ほとんど知られていない秘境の地だ。近年「花面(はなづら)公園」が整備され、そこからは息をのむような絶景を眺望できる。また帝釈峡には休暇村があるほか、キャンプ、カヤック、セグウェイなど、多彩なアクティビティを楽しめる。広大で見どころも多彩な帝釈峡では、ぜひ泊まりがけで、心ゆくまで大自然を満喫したい。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン