潟沼
世界有数の酸性度を誇る幻想的なカルデラ湖
火山の噴火によってできた強酸性のカルデラ湖
JR鳴子温泉駅から車で約10分、徒歩だと約35分で「潟沼」に到着する。鳴子温泉街と山を隔てた場所にあり、周囲を胡桃ヶ岳、尾ヶ岳、松ヶ岳など、鳴子火山群に囲まれるようにたたずんでいる。東西約500m、南北約400mの小さな円形の沼で、約1200年前の火山活動により流出した溶岩によって堰き止められてできた。それゆえ酸性度が強く、現在でこそpH2.4だが、かつてはpH1.4とさらに強く、触るだけでピリピリするような水だった。そのため魚は棲んでおらず、水辺で見かけるのはユスリカという蚊くらいだ。ユスリカは通常の蚊のように人を刺すことはない。潟沼は、水の色がよく変わることでも知られている。季節や天候によって変化し、周囲の森や空を水面に映す。新緑も美しいが、赤や黄色に染まる紅葉の景色も格別だ。
広葉樹の森に整備された遊歩道を自然散策
潟沼には、沼沿いを気軽に歩ける遊歩道が整備されている。レストハウスからスタートし、森へと入って行く。歩道は歩く幅が確保されて、適度に踏み固められた土は歩きやすく、自然散策を楽しむのにも最適。緑が生い茂る初夏から夏にかけては、緑のトンネルとなり気持ちがいい。初夏の朝には、アカゲラやアオゲラといったキツツキ類のドラミング、夏の渡り鳥であるオオルリやキビタキなどの美しい声が森に響き渡っていることもある。湖面の色は、場所が変わると微妙に変化していく。刻一刻と変わる景色を楽しみながら歩いて行くと、レストハウスの対岸に位置する場所にあずまやが見えてくる。ここから潟沼の全景を眺めながらしばしの休息をしよう。小さな潟沼の遊歩道は、30分もあれば歩き終えることができる。
かつての噴火活動を知る、貴重な自然遺産
宮城県北西部に広がる鳴子火山群は、今も噴気活動のある活火山だ。大地がむき出しになった場所ではガスが噴出し、湖底からはポコポコと水蒸気が上がる。こうした、噴火地点ならではの自然現象を間近で見られるのも潟沼の魅力だ。遊歩道を1周したあとは、レストハウスで受け付けているボートで沼へ漕ぎ出すのもおすすめ。神秘的な色の沼をボートから見れば、その透明度の高さに感動必至。また5月から10月までの日曜には、SUP体験(要予約)もできる。潟沼の自然を思いきり楽しんだあとは、鳴子温泉街で「滝の湯」や「早稲田桟敷湯」などの共同浴場へ行き、疲れを癒やすのがいいだろう。温泉街には無料で利用できる手湯や足湯もあるので、名湯・鳴子温泉の湯を気軽に体感できる。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン