法体の滝
「日本の滝百選」のひとつ流長100m、落差57mの荘厳な白滝
鳥海山の雪どけ水をたたえた水量豊富な滝
「日本百名山」のひとつ鳥海山の東のふもと、日本海につながる子吉川(こよしがわ)の源流部にある滝。日本海東北道本荘ICから車で鳥海山に向かって山道を走ること60分ほどで到着。駐車場付近まで瀑布の音が響いてきて、音のほうに目を向けると末広がりに流れ落ちる滝の姿が確認できる。法体の滝(ほったいのたき)は約10万年前に鳥海山が大噴火して流れ出した溶岩が、上玉田川(かみたまだがわ)をせき止めてできたとされる。一の滝、二の滝、三の滝から構成されていて、3つの滝をあわせて流長100mほど、落差57.4m、幅30mという大きさ。上流部の一の滝付近や二の滝の河床には、10万年前に流出した安山岩溶岩流が削られた多くの甌穴(おうけつ)がある。法体の滝はこの甌穴群(おうけつぐん)とともに、秋田県の名勝および天然記念物に指定されている。一般的な滝は山頂から平野部に向かって流れるが、ここは鳥海山の山頂方面に向かって流れ落ちる全国でも珍しい滝のひとつでもある。
「日本の滝百選」の名瀑を下から見るか横から見るか
法体の滝の周辺には1万7000平方メートルもの広大な法体園地があり、さらに奥に進むと丸く削られた大小のゴロタ石が散らばる河原が見えてくる。河原の石は丸くて滑りやすいので、注意しながら三の滝の滝つぼ方面へ。近づくほどにゴーっという瀑布の音が大きくなり、流れ落ちる滝の飛沫が見えるようになる。川の水は非常に透明度が高く、のぞき込むと川底までクリアに見えるほど。辺りの緑や空の色を反射してエメラルドグリーンに輝く川岸を散策しながら、大迫力の滝つぼ付近へ。安全を考慮して近づくことはできないが、浅瀬の河原に足を入れて水遊びを楽しむ観光客も多い。法体の滝の脇には赤い吊り橋がかかっており、滝全体を上流部から眺められる展望台へ通じている。展望台からさらに登ると二の滝、一の滝の観察ポイントにたどり着く。
無料で楽しめるアウトドアスポットとしても人気
法体の滝から流れる河川沿いに広がる芝生が美しい緑地広場には、100張りほどのスペースのテントサイト・炊事場・バリアフリートイレなどが整備されている。しかも無料で利用可能なので初夏から秋の紅葉シーズンにかけては、休日には気軽なデイキャンプや本格キャンプを楽しむ観光客で賑わう。河原での水遊びもできるとあって、家族連れのファミリーキャンパーが多い印象。車両の乗り入れはできないが、駐車場からテントサイトが近いので荷物の出し入れもしやすい。爽やかな景観に囲まれた絶好のロケーションは、映画『釣りキチ三平』のクライマックスシーンのロケ地としても有名。敷地内にお風呂はないが、車で30分ほどの位置に露天風呂から鳥海山を望める猿倉温泉があるので、観光帰りやキャンプの途中に立ち寄るのもおすすめだ。
スポット詳細
- 住所
- 秋田県由利本荘市鳥海町百宅 地図
- エリア
- 由利本荘・鳥海エリア
- 駐車場
- あり
情報提供: ナビタイムジャパン