鳴海醸造店

酒造

黒石市で最も古い歴史を有する酒造蔵。建物と庭園も必見

黒石市の重要伝統的建造物群保存地区「中町こみせ通り」の一角に、ひときわ風情のある建物がある。江戸期に創業された造り酒屋「鳴海醸造店」だ。黒石市で最も古い歴史をもつ酒蔵で、お気に入りの日本酒を見つけよう。

「鳴海醸造店」の代表銘柄。中央は「大吟醸 稲村屋文四郎(ぶんしろう)」1800㎖、いちばん左は「稲村屋 吟烏帽子(ぎんえぼし)50」1800㎖} 「鳴海醸造店」の代表銘柄。中央は「大吟醸 稲村屋文四郎(ぶんしろう)」1800㎖、いちばん左は「稲村屋 吟烏帽子(ぎんえぼし)50」1800㎖

米、酵母、水。「青森県の酒造り」にこだわる老舗

「鳴海醸造店」は、1806年(文化3)創業。屋号は「稲村屋」、現当主・鳴海信宏さんで7代目を数える老舗の造り酒蔵(さかぐら)だ。代表銘柄として「菊乃井」「稲村屋」「稲村屋文四郎」が知られる。「菊乃井」の名は、菊の花を愛した当主・2代目文四郎が、「この芳香を酒に取り入れれば酒の楽しみが増し得意先に喜ばれるだろう」と、吟醸の搾りの際、槽口に菊を置いたことにはじまるという。また、「稲村屋文四郎」は当主に代々受け継がれる名称。そして、その名を冠した純米大吟醸と大吟醸は、全国新酒鑑評会などでたびたび金賞を受賞している。「青森県の酒造り」にこだわるのも特徴だ。たとえば酒米の場合、「稲村屋文四郎」には酒造好適米「山田錦」。そのほかは、おもに青森県産の品種である「華吹雪」「華想い」「華さやか」を使用。黒石特産の寿司専用米「ムツニシキ」100%使用の「菊乃井 ムツニシキ 純米原酒一回火入れ」という酒もある。酵母に使うのは青森県で開発された「まほろば吟(ぎん)酵母」「まほろば醇(じゅん)酵母」「まほろば華(はな)酵母」などで、さらに仕込み水は八甲田山系の伏流水(軟水)。店内では試飲もできるので、ぜひ試してみよう。

「中町こみせ通り」と横町の角に立つ。建築から200年以上が経過しており、黒石市の有形文化財に指定されている} 「中町こみせ通り」と横町の角に立つ。建築から200年以上が経過しており、黒石市の有形文化財に指定されている

「鳴海醸造店」の店内。太い梁など古いままの店構えを守っている。土間の奥は座敷や庭へ、写真右奥は酒蔵へと続いている} 「鳴海醸造店」の店内。太い梁など古いままの店構えを守っている。土間の奥は座敷や庭へ、写真右奥は酒蔵へと続いている

店内の一角に並ぶ「稲村屋」「菊乃井」の酒。純米酒、特別純米酒、大吟醸、純米大吟醸などがあり、容量は1800㎖、720㎖、300㎖の3種} 店内の一角に並ぶ「稲村屋」「菊乃井」の酒。純米酒、特別純米酒、大吟醸、純米大吟醸などがあり、容量は1800㎖、720㎖、300㎖の3種

店内では、銚子や猪口(ちょく)などの酒器、「菊乃井」のロゴ入りグッズをはじめ、実際に使用した古い酒袋なども販売} 店内では、銚子や猪口(ちょく)などの酒器、「菊乃井」のロゴ入りグッズをはじめ、実際に使用した古い酒袋なども販売

黒石市指定有形文化財「鳴海家住宅」を見学しよう

店の建物として使用されている「鳴海家住宅」は、1998年(平成10)に黒石市の有形文化財に指定された。主屋(母屋)は醸造店の創業(1806年)以前に建てられたと推測されており、ざっと200年以上の歴史があるそうだ。建物の規模は、間口18間弱(約32.7m)、奥行き43間半(約79m)。主屋のほかに作業場と蔵があり、それらは通り土間でつながっている。現在の店舗部もその土間の一部に位置。建物の歴史的特徴は、たとえば「中町こみせ通り」側の入り口を入ってすぐ、天井に見ることができる。天井にある大きな戸板のようなものが「吊り上げ式大戸」。この大戸は夜になると天井から吊り下げ、玄関戸として利用されていた。また、土間から続く部屋も必見。板の間には、鳴海家で使われてきた帳簿や酒桶、戸棚などの調度品が置かれ、奥にはふた間続きの座敷がある。さらに奥には国登録記念物である庭園が広がっている。座敷は、店の方にひと声かければ、上がって見学することが可能。今まで大きな改築や改修をせず、伝統的な店構えを守っている「鳴海醸造店」。地酒を購入しつつ、その歴史にも触れられる貴重な空間だ。

店舗部土間から見た、建物の北側に続く板の間と座敷。板の間には古い調度品が置かれ、その奥に座敷、さらに奥に庭がある} 店舗部土間から見た、建物の北側に続く板の間と座敷。板の間には古い調度品が置かれ、その奥に座敷、さらに奥に庭がある

津軽地方の庭園様式、国登録記念物「鳴海氏庭園」も必見

この酒蔵でぜひ見ておきたいのが、主屋の座敷の奥に造られた池泉観賞式の「鳴海氏庭園」だ。幕末から明治、大正期に津軽地方で独自の発展を遂げた、大石武学流(ぶがくりゅう)様式の庭園で、鳴海家の当主・3代目文四郎の求めに応じて、1887年(明治20)頃に小幡亭樹(おばたていじゅ)が作庭を開始、その弟子の池田亭月(ていげつ)が完成させたという。庭には、座敷前の沓脱石(くつぬぎいし)から、池の手前にある礼拝石(らいはいせき)と右側にある離れ蹲踞(そんきょ)に向かって、飛び石がV字形に配置されている。池の北端に枯滝石組(かれたきいわぐみ)があるほか、庭園の主景となるのは植樹されたクロマツ。庭で使われている石は、近隣の山から選んだ比較的粗野なもので、これも津軽地方に見る大石武学流の庭の特徴なのだそう。ちなみに、この庭園は北に向かって延び、その奥はさらに東西に広がっているため、全体的にはT字型。北西側は「中町こみせ通り」に面している。庭園の見学は、庭に下りることはできず座敷からのみ。座敷の縁側に座り、じっくり観賞しよう。

座敷から見た庭園。池の北西(写真左)側には、1910年(明治43)に建立された3代目鳴海文四郎の銅像がある} 座敷から見た庭園。池の北西(写真左)側には、1910年(明治43)に建立された3代目鳴海文四郎の銅像がある

建物の表通り(中町こみせ通り側)に設けられた「こみせ」。長さは23間半(約42.7m)もあり、伝統的な店構えを守っている} 建物の表通り(中町こみせ通り側)に設けられた「こみせ」。長さは23間半(約42.7m)もあり、伝統的な店構えを守っている

スポット詳細

住所
青森県黒石市中町1-1 map map 地図
電話番号
0172523321
時間
[平日]8:00-17:00
[土日]10:00-15:00
休業日
不定休
駐車場
なし
※市役所を利用可(徒歩4分)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、PayPay、LINE Pay、ALIPAY)
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
滞在目安時間
0-30分

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

map map 地図

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