田沢湖遊覧船

田沢湖のシンボル「たつこ像」。遊覧船の上から記念撮影する観光客が多いスポット

季節や天候で水面の色が変わる神秘の湖

JR田沢湖駅から車で10分ほどで到着する、田沢湖の東岸付近。広い駐車場を囲むようにお土産店や飲食店が立ち並び、田沢湖観光拠点のひとつになっている。目の前の湖岸には美しい白浜が広がっており、夏場の湖水浴やスワンボート、マリンスポーツなどのレジャーが楽しめるエリアとして賑わう。ここにある田沢湖レストハウスが田沢湖遊覧船の受付場所であり、遊覧船の乗船起点になっている。田沢湖レストハウス前の白浜にある乗り場を出航し、黄金のたつこ像がある潟尻(かたじり)を通ってぐるりと湖を一周するコース。運航期間は4月下旬〜11月上旬で冬期休業となる。オンシーズンには9時・11時・13時・15時の4便体制で運航しており、乗船には年齢制限がないため田沢湖の人気観光スポットになっている。料金は大人1400円で小学生以下の子どもは半額の700円(未就学児は無料)とお得だ(2023年10月現在)。

乗船券売場の田沢湖レストハウスの目の前にある田沢湖遊覧船乗り場

湖の深さや天候によって湖面の色合いが変化するので何度訪れても感動がある

遊覧船から眺める美しい湖面

田沢湖レストハウスで乗船券を購入したら、目の前の白浜乗り場へ。湖上へ連れて行ってくれる高速遊覧船「TAZAWA」は総重量19tで乗員乗客あわせて112名乗り。船内に乗り込むと大きな窓の向こうには、天候によってコバルトブルーやエメラルドグリーンに変化する美しい湖面を望める。スタートすると一気に加速していき、爽快なスピードで湖面を滑るように走っていく遊覧船。後部のデッキ席に移ってみると、真っ青な湖面を真っ二つに割るように船の軌跡が流れていく。目線を上げると遠くには雄大な秋田駒ケ岳(あきたこまがたけ)の山々が見えてくる。出航して10分ほど進むと、湖の北岸にある観光名所「御座石神社(ござのいしじんじゃ)」付近に到着する。遊覧船は観光スポットに立ち寄ると少しの間待機してくれる。ちなみに御座石神社の御神体はたつこ像のモデルになったたつこ姫で、美貌成就(びぼうじょうじゅ)や縁結びのご利益があるパワースポットとしても有名だ。

天気のよい日は絵の具を溶かしたようなエメラルドグリーンの湖面をクルージングできる

湖岸にたたずむ朱色が美しい御座石神社の鳥居。本堂は山側の奥まった位置にある

黄金のたつこ像と一緒に船の上から記念撮影

北岸の御座石神社(ござのいしじんじゃ)を後にした遊覧船は10分ほど進むと、黄金に輝くたつこ像がある西南岸の潟尻(かたじり)に到着。たつこ像は陸側を向いており、船上からは貴重なうしろ姿を鑑賞できる。ここでも船が待機してくれるので、ぜひたつこ像と一緒に記念撮影をどうぞ。たつこ像のすぐ隣には漢槎宮(かんさぐう)、別名「浮木神社(うききじんじゃ)」という小さな神社があり、こちらも縁結びのご利益があるとして多くの観光客が拝観に訪れるスポットだ。付近は浅瀬になっており、船の下にはウグイの大群が現れる。さらに湖をぐるりと周遊してから、出発した白浜の乗り場へ戻ってくる。遊覧船の起点である田沢湖レストハウスの中には、秋田名物グルメを堪能できるレストランや地酒、地元特産品を購入できるお土産コーナーもあるので、遊覧船の乗船時間あわせにも利用できて便利だ。フードコーナーのテイクアウトグルメでは、特に名物みそたんぽやオリジナルソフトクリーム「辰子伝説」が人気。

田沢湖のシンボルである「たつこ像」にも立ち寄る。うしろ姿を鑑賞できるのは遊覧船の特権

付近で小魚用のエサが売られているため、船を囲むようにウグイの大群が寄ってくる