五色沼自然探勝路
訪れるたびに色を変える神秘的な沼巡り
東西どちらから歩いてもOK
東西に延びる約4kmの探勝路は標準所要時間が片道1時間20分。こう配はあまりない。東側のスタート地点は裏磐梯ビジターセンター、西のスタート地点は裏磐梯物産館で、どちらも近くにバス停、駐車場、トイレ、食堂がある。バスの運行間隔は60-120分と幅があるので(季節・平日/休日で異なる)、あらかじめ磐梯東都バスの時刻表を調べておくといい。車の場合は駐車場に車を停めたらバスで反対側へ行き(所要7分)、歩いて戻れば、帰りのバスの時刻を気にせずに歩ける。晴れていても急に天候が崩れることもあるので雨具を持とう。夏は虫よけスプレーがあるといい。紅葉は10月中旬からで、混雑するので早朝に訪れるのがおすすめ。季節ごとに色が変化するので、いつ訪れても楽しむことができる。
色の秘密は火山性の白い粉
五色沼の独特な色は、水に含まれるケイ酸アルミニウム系の火山性粘土鉱物が原因。沼によってその含有量に違いがあるので、さまざまな色に見える。五色沼の水源は磐梯山の火口カルデラにある銅沼(あかぬま)。強酸性のため、金属物質が多量に溶け込んでいて、この水がいったん地下に浸透し、五色沼に流入している。地下を流れる過程で酸性度が変わり、そのため周辺の植生も変わってくる。るり沼の岸にはヨシやヤナギが群落を作っているが、こうした酸性の沼が植物によって陸化されていく過程は学術的に貴重な観察だという。また、みどろ沼は沼底からの湧水があり、水深にも差があるため、ひとつの沼のなかに3つの色が見られる。
宝の山の山体崩壊の衝撃
1888年(明治21年)7月15日、磐梯山の水蒸気噴火にともなって大規模な山体崩壊が発生。大磐梯(標高1816m)の隣にあった小磐梯の北側の山腹が崩れて岩なだれとなり、麓の村を埋め尽くして477名の命を奪った。これは国内では史上最悪の火山災害といわれている。この岩なだれが川を堰き止めて桧原湖などができ、また「流れ山地形」と呼ばれる凹凸をつくった。そのくぼみに水がたまってできたのが五色沼を含む大小300余りの湖沼群だ。山体崩壊で流れてきた土砂は今も裏磐梯一帯に積もっていて、その厚さは100m以上と考えられている。
私財をなげうって荒れ地を緑に変えた男
裏磐梯をつくった岩なだれは、熱い溶岩と違って植生の回復は比較的早い。それでも何年もの間荒涼としていた風景を少しでも早く緑化しようと考えた明治政府は、植林した者にはその土地を安く払い下げるという方策を打ち出した。これに手を挙げたのが会津若松の遠藤現夢だ。最初はブナ、ナラなどを植えたが根付かず、専門家の指導を受けて、栄養の乏しい土地に適したアカマツを中心とした。13㎢を超える土地に植えた約10万本の木々は見事に根付き、今でも探勝路沿いに数多く見ることができる。探勝路自体も植林のために使われていたものだ。植林のおかげで緑化が早まった一方で、自然な植生の回復を観察するまたとない機会を失ったという見方もある。
スポット詳細
- 住所
- 福島県耶麻郡北塩原村大字桧原字剣ヶ峰1093-697(裏磐梯ビジターセンター) 地図
- エリア
- 磐梯高原・猪苗代エリア
- 電話番号
- 0241322850
- 時間
- 制限なし(夜間街灯なし)
- 休業日
- 制限なし(冬期は積雪が1m-2mほどあるため、スノーシュー等が必要)
- 料金
- 無料
- 駐車場
- あり(裏磐梯ビジターセンター駐車場約78台、大型5台、車イスマーク3台)
- 備考
-
※電話番号はビジターセンターへ繋がります。
[ビジターセンターHP]https://urabandai-vc.jp/trekking/1goshiki/
【写真】
[1枚目]弁天沼
[2枚目]みどろ沼(深泥沼)
[3枚目]るり沼
[4枚目]毘沙門沼
[5枚目]青池
[6枚目]赤沼
情報提供: ナビタイムジャパン