千年鮭 きっかわ

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1000年を超える、村上の鮭の歴史を体現する名店

昔から家庭で作られていた村上特有の鮭料理を、戦後いち早く商品化したのが「千年鮭 きっかわ」だ。店に併設された住居部分の土間の上に1000匹を超える鮭が吊るされている光景は圧巻。伝統的な製法を守り、豊かな鮭の食文化を今に伝えている。

風情ある外観に合わせ、ポストも古いデザインのものが置かれている} 風情ある外観に合わせ、ポストも古いデザインのものが置かれている

築130年の町屋に吊るされた1000匹の鮭

村上と鮭との歴史は深く、平安時代の書物『延喜式(えんぎしき)』の記述までさかのぼることができるという。1000年以上前から続く鮭文化を体感できるのが、鮭加工販売店の「千年鮭 きっかわ」である。「鮭」と大きく書かれた暖簾をくぐると、珍味のような香りがわずかに漂う。店の奥の引き戸を開けると飛び込んでくる景色は、豪華な茶の間と、天井に吊るされたたくさんの鮭。思わず驚きの声を上げる観光客も多いそうだ。この鮭は「鮭の酒びたし」という商品を熟成させているもの。内臓を取り除き塩漬けにした鮭を12月頃から吊るし始め、約1年かけて作り上げる。乾燥が進みうまみの凝縮した鮭を薄く切り、日本酒をかけて食べることから酒びたしと呼ばれる。村上の鮭料理を代表する酒の肴である。

12月頃から吊るされた鮭は、熟成と乾燥が進むにつれ飴色になっていく} 12月頃から吊るされた鮭は、熟成と乾燥が進むにつれ飴色になっていく

村上と鮭料理の歴史

「千年鮭 きっかわ」で販売されている商品は、その多くが村上の伝統的な鮭料理だ。村上藩が鮭を租税として納めていたという歴史的背景や、ほかの産地に比べても漁獲量が多くないこともあり、鮭は村上の人々にとって身近ながら貴重な存在だったという。鮭を無駄にせず、調理法に工夫を凝らし、ほかの地域では廃棄することの多い内臓や頭までおいしく調理し食べる。この村上の人々の姿勢が、他に類を見ない豊かな鮭の食文化を形作ったといわれている。戦後、食文化の欧米化により廃れかけた村上の鮭料理を後世に残したいと、それまで各家庭で作られていた鮭料理を商品として販売し始めたのが先代社長の吉川氏。村上の鮭料理を全国に伝える先駆けとなった。

店員が畳に座ってお客様を迎える「座売り」と呼ばれる昔ながらのスタイル} 店員が畳に座ってお客様を迎える「座売り」と呼ばれる昔ながらのスタイル

伝統の鮭料理を製造・販売

店内に並ぶ商品は、町屋づくりの建物の奥の工場で自社製造されている。鮭の中骨(村上の鮭ことばで「どんがら」)を骨までやわらかく煮上げ、甘辛く味付けした「鮭のどんがら煮」や、「鮭の塩引き」を薄く切り、大根などと一緒に麹で漬けた「鮭の飯寿司(さけのいずし)」など、伝統的な鮭料理が多い。化学調味料などはいっさい使わず、手作りするのがこだわりだという。鮭に塩をすり込み、約1か月寒風のなかに吊して仕上げる「鮭の塩引き」は、各家庭でも作られる村上を代表する鮭料理で、これを目当てに来店する観光客も多い。12月になると歳暮や大晦日に鮭を食べる「年取り魚」という風習に合わせ、多くの来店客が「鮭の塩引き」を買い求めている。

お土産品や歳暮などの贈答用に買い求める地元客も多い} お土産品や歳暮などの贈答用に買い求める地元客も多い

町屋巡りも楽しみのひとつ

「千年鮭 きっかわ」が位置するのは、城下町として栄えた村上の町なかの、商人たちが暮らしていたエリア。商人の暮らしていた建物は町屋と呼ばれ、店舗と住居がひと続きになっていて、うなぎの寝床のように間口が狭く奥行きが長いのが特徴だ。このエリアには、築100年を超える町屋が現存していて、「千年鮭 きっかわ」を含め、酒店や和菓子店など、その多くは店舗の奥の生活空間である茶の間部分も公開されている。店から家の裏口まで続く廊下代わりの土間は「通り土間」と呼ばれ、表通りから裏通りまで抜けている。風情ある街並みを通り、今も地域の人々が暮らしている建物を訪ねる町歩きも村上を楽しむうえでは欠かせない。

「千年鮭 きっかわ」の茶の間。神棚と仏壇があるのも村上の町屋の特徴のひとつ} 「千年鮭 きっかわ」の茶の間。神棚と仏壇があるのも村上の町屋の特徴のひとつ

スポット詳細

住所
新潟県村上市大町1-20 map map 地図
電話番号
0254532213
時間
9:00-17:30
休業日
元日、1月と9月に臨時休業あり
駐車場
あり(15台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、PayPay、LINE Pay、メルPAY、d払い、ALIPAY、Kitaca、toica、manaca、ICOCA、SUGOCA、nimoca、はやかけん)
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
平均予算
【昼】1,001-3,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 何度か訪れている村上の老舗
    4.0 投稿日 : 2022.03.29
    今年の3月も、おひな様を見に来ました。ぶら下がっている新巻き鮭も圧巻です。江戸時代からのおひな様も惜しげなく展示されています。日本酒を一本買いました。
  • 天井から吊られた鮭に圧倒される
    5.0 投稿日 : 2022.01.30
    歴史のある建物の中で今も実際に作られている鮭の塩引きを見られるのが素晴らしい。こうやって仕上げられるのか・・・と食べるのにもまた一味加わる気がする。その後でお土産物を購入するのだが、総じて高価な物でまた少し驚くのだが、きっかわの鮭を使っている井筒屋で食事をした後にまた再度買い足しに来たくらいの美味しさであった。
  • 鮭 鮭 鮭
    4.0 投稿日 : 2021.10.29
    鮭の加工品のお店です。店の奥が加工場になっていて見学できます。メディア等によく出てくる天井から鮭がつるしてる光景です。11月ころ鮭を処理し、天井からつるし1年間干すそうです。季節によって光景が違うと言っていました。きっかわさんは元々作り酒屋だったそうで、いまでも麹を作っていて発酵技術にたけているそうです。

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アクセス

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最寄り

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