世界遺産 菅沼合掌造り集落
9棟の小規模合掌造り集落は、まるで昔話の舞台
高速道から近く、短時間でもまわりやすい規模
1995年(平成7)に世界遺産に登録された「白川郷・五箇山の合掌造り集落」の3つの合掌造り集落は、岐阜県白川郷が大規模集落、富山県相倉が中規模集落、同菅沼が小規模集落の代表として保存されている。菅沼集落は東海北陸自動車道の五箇山ICから車で2分の場所にある。三角屋根の貴重な建物の数々がコンパクトにまとまっており、短時間で観光するのに適したエリアだ。集落にある12棟のうち9棟が合掌造りで、江戸時代末期に2棟、明治期に6棟建てられ、最新の1棟は1925年(大正14)建築である。昔話に出てきそうな景観を楽しんでみよう。
生活の場を守りながら、生きた景観を伝える
五箇山で合掌造り集落が奇跡的に残ったのは、山深い場所で交通インフラの整備の遅れ、自給自足に近い生活が続いたことなど、複数の要因が重なったためとされる。藩政期の五箇山は、和紙と養蚕(ようさん)、火薬の原料となる塩硝(えんしょう)がおもな生産品で、菅沼集落ではさらに、わずかな土地を稲作にあて、ナギ(焼き畑農業)も営みながら暮らしを立てていた。しかし、塩硝生産は明治期に途絶え、あとを追うように養蚕も安価な輸入品に押されて衰退する。世界遺産となった集落は観光客に門戸を開き、生活の場を守りながら合掌集落の維持に努めている。2007年(平成19)には、駐車場を備え、集落を一望できる「南砺市世界遺産菅沼合掌造り集落展望広場」が整備された。集落内には郷土料理を提供する食事処が3軒と、茶房、五箇山特産の和紙や山菜などを販売する土産店がある。
武士、百姓ら150人が流された加賀藩の流刑地
五箇山はかつて加賀藩の重罪人の流刑地でもあった。武士、百姓ら、藩政期の約200年間で150人ほどが流されたという。同時に五箇山は軍事物質である塩硝の生産地でもあり、他藩の隠密や他国の者が容易に入り込めないよう、庄川に橋はなかった。川を渡る唯一の手段は、両岸にツルをよった縄を渡し、籠で移動した「籠の渡し」である。渡し自体は700年近く前の南北朝時代からあったらしく、室町時代には浄土真宗の僧・蓮如上人が、布教の折に乗って渡ったという絵図が残る。五箇山には、このような渡しが13か所あったようだ。罪人を乗せた籠は渡す途中にわざと揺らされ、これに肝を冷やした罪人は脱出を諦めたという。
スポット詳細
- 住所
- 富山県南砺市菅沼 地図
- エリア
- 南砺・五箇山エリア
- 電話番号
- 0763673008
- 時間
-
[4-11月]8:00-17:00
[12-3月]9:00-16:00 - 休業日
- 12/31、1/1
- 料金
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[自由散策]無料
※展示施設入場の際は有料 - 駐車場
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あり(30台)
※入場は16:00まで。日没後-早朝の立寄りはご遠慮ください
※保存協力金として、普通自動車500円、小・中型バス2,000円、大型バス3,000円 - クレジットカード
- 不可(駐車料金お支払いに対して)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 30-60分
情報提供: ナビタイムジャパン