三輪山平等寺
廃寺から托鉢で再建を目指した聖徳太子ゆかりの寺
由緒ある寺が廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)で廃寺の危機に
山の辺の道沿いにひっそりたたずむ聖徳太子が創建したと伝わる三輪山平等寺。日本最古の神社、大神神社(おおみわじんじゃ)の奥の院として、かつては広大な境内に七堂伽藍、12の塔頭(たっちゅう)寺院をもつ大寺院だったという。鎌倉時代には多くの高僧が学問のために平等寺を参詣したという史実も残っている。ところが明治時代の廃仏毀釈により、廃寺となってしまう。その直後に地元の有力者から現在の境内にあたる土地の寄進を受け、町内有志の努力で、本尊秘仏・十一面観世音菩薩、三輪不動尊、慶円上人像(けいえんしょうにんぞう)、仏足石(ぶっそくせき)等を守り、かろうじて歴史をつなぐことができた。
三輪山平等寺の寺号を取り戻し、本堂を再建
平等寺の本堂復興は、16年にわたって勧進托鉢行(かんじんたくはつぎょう)を続けた丸子孝法(まるここうほう)住職の熱意によって成し遂げられたといっても過言ではない。廃仏毀釈から100年目の1977年(昭和52)に「三輪山平等寺」の寺号が復興、さらに1987年(昭和62)には本堂をはじめ、鐘楼堂、鎮守堂、寺務所の落慶法要を迎えることができたという。若かりし日に師匠と交わした「托鉢をしてでも本堂を再建してほしい」という約束を守り、平等寺を再建した住職の信念には、感服せずにはいられない。また、住職は平等寺と同じ廃仏毀釈により廃寺となった多武峰妙楽寺(とおのみねみょうらくじ)の再建にも力を注ぎ、2021年(令和3)には本坊を再建している。
住職が描いた畳1畳半のお釈迦様の絵
2004年(平成16)に再建された平等寺の境内奥にある二重塔(釈迦堂)。中央に生身釈迦像(しょうしんしゃかぞう)や仏足石を祀っている。当時28歳の丸子孝法住職は恩師からもらったお釈迦様の似顔絵をもとに、畳1枚半の油絵でお釈迦様を描き、「成道(じょうどう)の釈迦」と名付けたという。釈迦堂の本尊は、この絵をもとに仏師が彫ったもので「すべてはこの絵から始まりました」と住職は語る。油絵の素養などなかったという住職が描いたとは思えない、見事なお釈迦様の絵で、本堂のガラスの入った額の中に祀られている。旧平等寺を復興させた現在の平等寺であるが、ぜひ、ここにいたるまでの歴史や再建の歩みを知ったうえで訪れてほしい。
スポット詳細
- 住所
- 奈良県桜井市三輪38 地図
- エリア
- 山の辺の道・桜井エリア
- 電話番号
- 0744426033
- 時間
- 6:00-17:00
- 休業日
- 年中無休
- 料金
- [本堂拝観]300円(要予約)
- 駐車場
- あり(10台)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 0-30分
情報提供: ナビタイムジャパン
アクセス
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