くるみの木

四季折々に移ろう庭の植栽を眺めるのも、くるみの木を訪れる楽しみのひとつ

奈良の中心地から離れたとっておきの場所へ

JR奈良駅または近鉄奈良駅から奈良交通バス「西大寺行き」に乗って「教育大附属中学校前」で下車、踏切の方向に向かって徒歩3分ほど。「くるみの木」は、現在空間プロデューサーとしても全国区で活躍する石村由起子さんが、1983年(昭和58)、奈良中心部から少し離れた閑静な場所にたたずんでいた建物を生かして開いたカフェ&雑貨店だ。ケーキ工房を備えるカフェ「くるみの木 一条店」、調味料や食品を扱う「グローサリー」、暮らしの道具を提案する「cage(かーじゅ)」、着心地のよい服や小物をそろえる「NOiX La Soeur(のわ・らすーる)」、イベントスペース「pieni35(ぴえにさんじゅうご)」からなり、幅広い世代に愛されている。店名に由来するクルミをはじめ、ブルーベリー、洋ナシ、グミなど、四季折々の植栽に染まる庭も見どころで、実った果物はお酒に漬けて並べられるなどカフェの空間に彩りを添えている。

明るい光が降り注ぐ店内。カウンターや窓の上に並べられた果実酒にも注目

くるみの木セレクトの「食」を楽しむ

敷地中央のカフェ「くるみの木 一条店」では、「家族の健康を願って作るひと手間かけたごはん」というオープン以来40年近く変わらない想いで作られる季節のランチが評判。旬の素材や近郊の食材を使った滋味も彩りも豊かなランチで、毎日食べたくなるおいしさだ。ケーキ工房で作るケーキは、テイクアウトもOKで、ベリーの生クリームケーキ、タルトショコラ、プリンなど季節限定のものを含め常時10種類ほどがそろう。カフェの手前にある小さな建物は、全国から選りすぐった食品や調味料を扱う「グローサリー」。カフェで提供するメニューにもトマトケチャップをはじめとする調味料や、大和茶、コーヒー、ビスケット、カヌレなど、くるみの木オリジナルの商品はパッケージデザインも美しく、贈り物としても人気を集めている。

「季節のランチ」1760円は数量限定のため要予約。＋250円でハーフサイズのドリンクも付く

「ベリーの生クリームケーキ」479円と「オリジナルブレンド珈琲」550円

「グローサリー」にはオーナー自ら全国各地に足を運んで選び抜いた品が並ぶ

奈良のシンボルである鹿をモチーフにした「くるみの木オリジナルビスケット缶」1944円

良質な雑貨や服で暮らしを楽しむ

木々に囲まれた路地を奥へと進むと左手にあるイベントスペース「pieni35」は、イベント期間外に要予約でカフェの個室として貸切OK。向かいにある「cage」には、くるみの木がセレクトしたグラス、陶器、カトラリー、籠など作家による手仕事の品や、布巾、靴下などくるみの木オリジナルのアイテムも。「cage」に隣接する「NOiX La Soeur」は、着心地や肌触りのいい良質な服をはじめ、バッグや靴の並ぶセレクトショップとなっている。カフェも雑貨も食品も服も、選び抜かれた商品たちは、どれもシンプルだけれど永く愛用できる良質なものばかりで、自分用にはもちろんのこと、大切な人にも贈りたくなる。「くるみの木」で巡り合えたお気に入りのアイテムが、きっと毎日の暮らしを心豊かにしてくれることだろう。

「cage」の店内には、布巾や靴下など奈良の特産品とコラボレーションした商品も

敷地のいちばん奥にある「NOiX La Soeur」も必見