鳳来寺山
豊かな自然と情緒ある歴史が共鳴する霊山
美しい自然が名高い国の名勝・天然記念物
愛知県新城(しんしろ)市に位置する鳳来寺山は、山一帯がほぼ原生林であり、その自然の豊かさから国の名勝・天然記念物に指定されている。屛風岩が美しい岩肌は、古くから多くの修験者の聖地として信仰を集めてきた。また、山中で見ることのできる樹齢800年「傘杉」は新日本名木百選にも選ばれ、樹高60mの重厚な貫禄を放つ。森に目を向ければ、声のブッポウソウ(仏法僧)として親しまれ、愛知県の鳥にもなっているコノハズクや、モリアオガエルの姿も。山頂までの行き方は、表参道の石段を登るハイキング、または車で周回する2通りの方法があるが、歴史的建造物や自然を堪能したい人は、ぜひふもとから鳳来山東照宮まで続く1425段の石段を登ってみよう。
参道を登りながら歴史と自然を満喫
鳳来寺山の歴史情緒ある参道を楽しみたいのなら、表参道から続くハイキングコースがおすすめだ。石段を進み、1651年(慶安4)に徳川家光公によって建立され、国の重要文化財に指定される仁王門をくぐる。そしてその100mほど先の参道には、うっそうと生い茂る針葉樹のなかにひと際目立つ、長きにわたりこの地を守り続ける「傘杉」が。迫力満点のご神木に癒やされたら、さらに上へと続く石段を登り、徐々に広がっていく奥三河の美しい自然にも注目してみよう。1316段の石段を登り切ると鳳来寺の本堂、そこからさらに杉木立のなかを東へ進むと、鳳来山東照宮の朱塗りの鳥居が目に入る。残りの石段を上がると、いよいよ東照宮の社殿に到着だ。春から夏の間には、耳を澄ましてみるとコノハズクの鳴き声を聞けるかもしれない。
徳川家と親交の深いスポットも
1648年(正保5)に、徳川家光によって建立された鳳来山東照宮。初代将軍である祖父、家康を深く尊敬していた3代将軍家光は、家康を祀る日光東照宮へ参詣し、「家康の父君広忠公が良い世継ぎを得たいと鳳来寺にて祈願したところ、その効あって家康を授かった」と記されたものを目にする。それに感銘を受けた家光公は、鳳来寺山での東照宮の建立を発願。1650年(慶安3)に建築を始める儀式である釿(ちょうな)始めが行われ、翌年の1651年(慶安4)、4代将軍家綱の時代に完成している。また、1953年(昭和28)には、本殿・拝殿・幣殿・中門・水屋・左右透塀(すきべい)が国の重要文化財に指定された。
スポット詳細
情報提供: ナビタイムジャパン