丸山千枚田
最盛期には2000枚以上も! 日本最大規模の棚田はまさに絶景
地元住民が一丸となって守る、日本の原風景
伊勢神宮から、本宮へ向かう本宮道と吉野へ向かう北山道に分かれる熊野古道の通り峠は、海の幸と山の幸が行き交う生活道路として古くから利用されてきた。山中を進むと突如視界が開け、眼下に広がるのは斜面を埋め尽くすいくつもの棚田。これらは丸山千枚田と呼ばれ、開墾時期は不明だが江戸時代初期の1601年(慶長6)にはすでに2240枚の田があったという記録が残っている。その後、昭和から平成にかけての過疎化などにより530枚まで減少したが、地元住民が保存会を結成し、1340枚まで復元。日本最大規模の棚田として、現在も稲作が行われている。
成り立ちから読み解く、先人たちの技と知恵
棚田が各地で見られるようになったのは江戸時代以降。少しでも苗を植えられる平らな土地を増やすため、傾斜部分がほぼ直角の階段状になるよう石垣で補強するようになった。この石垣を組む技術は、中世から近世にかけて飛躍的に発達した城郭建築の影響が考えられ、丸山千枚田の棚田も石垣で造られている。また、上の田から下の田へと水が流れる仕組みになっており、水回りのよさも棚田の特徴だ。傾斜によって棚田の面積はさまざま。なかには、たった3株しか植えられない小さな棚田もある。これは水の落差をなくすために造られており、その成り立ちからも先人たちの知恵を知ることができる。
展望スポットを巡り、小径を散策しよう
現地には、棚田を一望する展望スポットがいくつかある。丸山千枚田の最上部にある展望所には棚田を見下ろすようにベンチが設置され、周りの山並みと調和した景色を楽しめる。ここから少し下った棚田の中腹にも、展望所がある。風に揺れる稲穂や、存在感抜群の大岩を眺めるには最適だ。一方、県道40号線沿いには、山の切れ間から全景を望む展望台がある。これら車でアクセスできる3か所の展望スポットのほか、峠道を40分ほど歩いた山中にも展望台があるので、体力に自信のある人は、ぜひ訪れてみてほしい。丸山千枚田内にある展望スポットに車を停めて、棚田を縫うように整備された小径を歩くのも楽しい。ついつい見逃しがちな昆虫や草花に出合えるかもしれない。
海景色も山景色も満喫できるドライブ
白い砂浜が広がる「七里御浜(しちりみはま)」など熊野灘の海岸線から車で40分ほど山手へ進み、風伝トンネルを抜けて県道40号線沿いに北上すると、丸山千枚田にたどり着く。道中には丸山千枚田展望台があるので、ぜひ立ち寄ってほしい。すぐ近くを熊野古道が通っており、散策するのもオススメだ。棚田の風景を満喫したあと、県道40号線をさらに北へ10分ほど進むと、中世山城の構造を今に伝える国史跡の「赤木城跡」がある。
スポット詳細
- 住所
- 三重県熊野市紀和町丸山318 地図
- エリア
- 熊野・尾鷲エリア
- 時間
- 24時間
- 休業日
- 無休
- 料金
- 無料
- 駐車場
-
あり(9台)
※上東屋(※記事内展望所)5台/下東屋4台 - Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 滞在目安時間
- 60-120分
情報提供: ナビタイムジャパン