キリンビール名古屋工場(見学)

工場の広い敷地には、仕込み釜のモニュメントが置かれている

製造工程を見学する以外の内容も充実

城北線尾張星の宮駅から徒歩5分、JR東海道線枇杷島駅からは無料シャトルバスが運行されるなど、アクセスのよい場所に位置するキリンビール名古屋工場。1962年(昭和37)操業の歴史ある工場で、基幹商品の「一番搾り」をはじめ、多くの種類のビールを製造している。以前から工場見学を実施してきたが、2022年(令和4)4月に内容をリニューアル。「工場だけの特別体験。キリン一番搾り おいしさ実感ツアー」と題し、見て、知って、味わえる、ビール好きの大人が楽しめる見学ツアーとして再開された。製造工程の見学はもちろん、AR(拡張現実)を使った臨場感を楽しめる特殊映像や、五感に訴える工場ならではの体験を通して一番搾りのおいしさを実感することができる。そして、見学後は一番搾りシリーズ3種類のテイスティング(試飲)が可能だ。

パッケージングの様子のほか、さまざまな製造工程を見学できる

通路には、1907年(明治40)会社創立以来のポスターが掲示されている

麦芽の味やホップの香りに触れてみよう

見学コースはキリンビールの歴史と製造技術についての説明に始まり、仕込みやパッケージングの工程、黄金色のビールと白い泡に色分けされた巨大なタンク外観、タンクを横にした長さがわかる通路に記された数字など、遊び心を交えた内容が盛りだくさんだ。そのなかでもやはり工場見学ならではといえる特別な体験が、ビールの原料となる麦芽などに触れられること。麦芽は口に含むと甘さを感じられ、ホップは爽やかな香りが漂う。麦芽が麦汁となり、ホップがビール特有の香りと爽快な苦みを与え、発酵してビールがつくられていく工程を五感で理解できるはずだ。そして、一番搾り麦汁と二番搾り麦汁の飲み比べができるのも楽しい。味はもちろん、見た目の色からもその違いは歴然で、こうしたキリンビールのこだわりが体験を通してよく伝わってくる。

右手がホップ、左手が麦芽。ふだんは経験できない香りや味が新鮮

見学コース内で一番搾り麦汁と二番搾り麦汁の飲み比べをできるコーナー

セミナー形式で3種類のビールを味わう

見学をひととおり終えたら、いよいよお待ちかねのテイスティングだ。会場に向かう通路にはビールがグラスに注がれる効果音が響く。この演出もテイスティング気分を盛り上げてくれる。いただけるのは鮮度やサーバーの状態に徹底的にこだわった「一番搾り生ビール」。おいしい生ビールを提供するための知識や技術を習得したスタッフ「ブルワリードラフトマスター」が、ビールと泡の黄金比、7対3を忠実に再現してグラスに注ぐ様子にも注目しよう。そして、工場見学リニューアルで新たに行われるようになったのが「一番搾りおいしさ実感セミナー」だ。「一番搾り」「一番搾りプレミアム」「一番搾り黒生」の3種類をセミナー形式でテイスティングできる。ガイドによる説明のほか、それぞれの香りや色、味の違いがまとめられたシートも渡されるので、じっくりと読みながらテイスティングを楽しんでみたい。

ガイドが映像を使って解説しながら3種類の一番搾りの味わい方を教えてくれる

ファクトリーショップでしか買えない土産

テイスティングのあとは、キリンファクトリーショップで土産選びを楽しもう。おすすめは自宅でも一番搾りの特別体験ができる「おいしさ実感グラスセット」(2300円)だ。テイスティングをした3種類の一番搾りとグラスやタンブラーがセットになっており、工場見学ガイドによるオンラインレクチャー動画も見ることができる(「一番搾りプレミアム」取り扱い期間のみ販売)。ほかにもビール酵母を使用したおつまみなど、ここでしか買えないものが多い。ビール酵母使用の柿の種はチーズ味で子どもでも食べることができ、きっと喜ばれるだろう。なお、見学コース入り口には金のしゃちほこが飾られているほか、撮影スポットが幾つかあり、子ども連れのファミリーで訪れても楽しめる内容となっている。テイスティングではソフトドリンクを選ぶことも可能だ。

おつまみになるお菓子のほか、Tシャツやタオルなども人気