港の見える丘公園

高台から海を見下ろすのはこの公園ならではのアングル

見晴らしの良い丘の上の展望台

みなとみらい線元町・中華街駅から公園の入り口までは徒歩5分ほど。バルタール広場側より園内に入ると正面は木々が生い茂る小高い丘となっており、ここからは公園の全貌がわからないため少し不安になるが、臆せずその先に続く細い散策路を進んでいこう。階段をしばらく上がるとそこがフランス山。さらに進むと急に視界が広がり展望台にたどり着く。展望台からは、本牧ふ頭と大黒ふ頭を結ぶ全長860mの斜張橋・横浜ベイブリッジと、そこを車がまるでジオラマのように行き来する様子が見られる。高い場所にあるので吹き抜ける風も気持ち良く、思わず長居したくなる爽快な空間だ。この展望台は24時間解放されているので、夕景や夜景の時間帯にはカップルたちのデートスポットとなる。

山手・外国人墓地・元町公園側(中央入り口)

ベンチも多くのんびり過ごせる

文化的な見どころがたくさん

この一帯は開港当時外国人居留地で、丘の上にイギリス軍、下にフランス軍が駐屯していた場所で、太平洋戦争後にはアメリカ軍など進駐軍がこの地を接収した。接収が解除されると、横浜市が公園用地として手に入れ整備し、1962年(昭和37)に風致公園として一般者が立ち入ることができるようになった。終戦直後にヒットした流行歌『港が見える丘』にちなんで命名され、開園式には同曲が流れるなか、横浜市長によるテープカットがなされたという。このことから、園内には『港が見える丘』の歌碑が立っている。その後、フランス領事官邸跡地のフランス山地域、イギリスの総領事公邸であった横浜市イギリス館、大仏次郎記念館、神奈川近代文学館などの施設が次々とオープンし、このエリアの一大観光スポットとなった。

園内にある西洋館、山手111番館は市指定文化財

多種多様なバラが咲き競う

園内の「イングリッシュローズの庭」は、バラの名所として有名。横浜市イギリス館を背景にバラをメインとした英国風の庭が広がっており、四季を通してさまざまなバラや草花が咲き乱れる。また、沈床花壇「香りの庭」や、横浜市イギリス館から山手111番館の後庭を結ぶ「バラとカスケードの庭」も、地形を生かしながら美しく手入れされた庭園が見事。バラの見頃は、春と秋の2回。それぞれ5月中旬から6月上旬と、10月中旬から11月上旬がバラの最盛期なので、タイミングを合わせて訪れてみよう。

バラの見頃の時期は公園全体が華やかな香りで包まれる