中村キース・ヘリング美術館

世界で唯一キース・ヘリング専門の美術館

高原植物に囲まれた自然豊かな場所にあるキース・ヘリングの作品を展示するために建てられた美術館。趣向を凝らしたさまざまな展示で彼の世界感を体験できるようになっている。高原の静かな環境のなかでじっくりアートと向き合ってみたい。

80年代のアメリカの光と影を表現した世界的なアーティスト

小淵沢駅から車で約10分。八ヶ岳高原ラインから脇道に入ると、木々に囲まれた印象的な建物が現れる。静かな避暑地にある前衛的な美術館といった風情で、アート好きなら思わず胸が高鳴ってしまいそう。建物は北川原温氏によって設計された建物で、キース・ヘリングのアートが投げかけるメッセージを体感できるように、そして高原ならではの傾斜を生かして建てられたものだ。その独特のフォルムを見れば入場前からシャッターをきりたくなるはず(美術館はスマホでの撮影は可能だが、一眼レフや自撮り棒、三脚を使った撮影はNG)。この美術館だけでも5つの賞を受賞している。

建物は日本の現代建築を代表する建築家による設計

中に入ると、まずチケットカウンターとミュージアムショップがある。チケットを購入したらさっそく通路を通って「闇の展示室」へ。いきなりイメージと異なる文字どおり「闇の展示」に驚くかもしれないが、キース・ヘリングは人間の光と闇に向き合い、それを表現したアーティスト。過激に見える作品もあるが、彼が今でも人々をひきつけ続けるのは、これらが投げかける強烈なメッセージのせいかもしれない。反対にその先に続く「希望の展示室」は、白い壁が明るく輝く空間。館長の中村和男氏の希望で、小淵沢の日の出の太陽の照度に合わせて照明が調整されている。一転してこちらは明るい雰囲気で、まさに希望を象徴するような作品が展示され、カラフルで巨大な立体作品も目をひきつける。

真っ暗な空間に作品が浮かび上がる「闇の展示室」

広いスペースにポジティブな印象の作品が並ぶ「希望の展示室」

自由の廻廊を抜けると「自由の展示室」へ。こちらではさまざまな企画展が行われ、キース・ヘリング以外の現代アート作品が展示されることも。最後にあるのが中庭「ミュージアムシアター」。2015年(平成27)のリニューアルオープンで新たに加えられた部分である。壁は稲妻をイメージし、円形の空間は禅を表現しているという。また、見落としがちなのが、屋上にあるテラス「スカイステージ」。自然と建物の調和を感じることのできる空間で、ベンチもあるので休憩にもぴったりだ。このように、建築そのものもこの美術館の魅力。時間をかけてゆっくりと鑑賞したい。

「ミュージアムシアター」はミュージアムショップと隣接している

八ヶ岳山麓の大自然に囲まれる「スカイステージ」

その名を知っている人は多いが、ここに展示されているような影の作品に触れたことのある人は少ないかもしれない。キース・ヘリングは80年代のアメリカを代表する現代アーティスト。ニューヨークの地下鉄で行った「サブウェイ・ドローイング」が注目を集め、展覧会では国際的にも高く評価された。その後もワークショップや社会的プロジェクトを行うなど精力的に活動を行っていたが、エイズを発症し、1990年(平成2)に31歳という若さで亡くなっている。美術館では、80年代のアメリカの光と影を象徴するような彼の作品に触れることができる。

ポップなグッズが手に入るミュージアムショップ

スポット詳細

住所: 山梨県北杜市小淵沢町10249-7 地図
エリア: 清里・小淵沢エリア
時間: 9:00-17:00(最終入館16:30)
休業日: 無休、臨時休館についてはウェブサイトをご覧ください。
料金: 【入館料】
[一般]1,500円
[学生(16歳以上)]800円(必ず学生証をご提示ください)
[15歳以下のお子様]無料
[障がい者手帳のご提示]600円(お連れ様1名まで同額)
駐車場: あり(30台)
クレジットカード: 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済: 可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、WAON、Apple Pay、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
Wi-Fi: あり
コンセント口: なし
喫煙: 不可
英語メニュー: あり(館内MAP 英語あり)
平均予算: 【昼】1-1,000円
【夜】1,001-3,000円
滞在目安時間: 30分-120分
車椅子での入店: 可
乳幼児の入店: 可