本法寺

寺院

稀代の絵師・長谷川等伯と芸術家・本阿弥光悦ゆかりの寺院

西陣にある日蓮宗の寺院。開祖の日親(にっしん)、絵師・長谷川等伯(はせがわとうはく)、芸術家・本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)の3人のエピソードが伝わっている。

書院から見る本阿弥光悦作庭とされる巴の庭} 書院から見る本阿弥光悦作庭とされる巴の庭

日親上人を支えた本阿弥家の人びと

1436年(永享8)に日親上人が四条高倉に建立したことに始まる。ところが日親は「立正治国論(りっしょうちこくろん)」をまとめ、室町幕府6代将軍・足利義教に禅を捨てるよう迫ったことから投獄されてしまう。時を同じくして、刀剣の鑑定などを家業とし将軍に仕えていた本阿弥清信(ほんあみきよのぶ)も義教の怒りを買って投獄された。獄中で日親に出会った清信は、その教えに触れ熱心な法華経(日蓮宗)の信者となり、出獄後は本法寺を本阿弥家の菩提寺とした。その後、寺は何度かの移転を経て、1587年(天正15)に豊臣秀吉の都市整備によって現在地に移転。そのとき、清信の孫・本阿弥光悦は父親・光二と私財を投じ、伽藍の整備に力を尽くした。江戸時代には末寺34坊を数え大いに繁栄したという。

茶道の表千家、裏千家の家元宅が並ぶ小川通に仁王門が立つ} 茶道の表千家、裏千家の家元宅が並ぶ小川通に仁王門が立つ

本堂前には本阿弥光悦お手植えの松が残されている} 本堂前には本阿弥光悦お手植えの松が残されている

寺院に伝わる「佛涅槃図」と「巴の庭」

拝観は「十(つなし)の庭」からスタートする。庭には9つの石が置かれており、見る人の心にあるもう1つの石(意志)とあわせて「十の庭」と名付けられた。十を「つなし」と読むのは、数を1つ、2つと数えていくと十(とお)には「つ」が付かないという理由だそう。庭を前にした宝物館へ入ると、そこにかかるのは縦10m、横6mにもなる長谷川等伯の筆による『佛涅槃図』(複製)。故郷の能登七尾から、絵師となるべく京都へ出てきた等伯は、菩提寺の本山であった本法寺を拠点に活躍する。涅槃図を描いたのは61歳。息子の久蔵が26歳で早逝したあとのことであった。宝物館から渡り廊下を進むと書院。その前庭が本阿弥光悦作の「巴の庭」だ。経年変化によって巴の形はわかりづらくなっているが、3か所の築山で巴紋をなすことからこう呼ばれる。さらに苔地には半円を2つ組み合わせた石と蓮池があり、これを「日蓮」と読ませ、光悦は本阿弥家の日蓮宗に対する信仰を表したという。

白砂と苔を基調にした枯山水庭園「十の庭」} 白砂と苔を基調にした枯山水庭園「十の庭」

筆一本を片手に持ち空を見上げる長谷川等伯の像} 筆一本を片手に持ち空を見上げる長谷川等伯の像

宗祖日蓮の名前が巧みに表現されている巴の庭} 宗祖日蓮の名前が巧みに表現されている巴の庭

御朱印からもうかがえる日親上人の強い意志

日蓮宗寺院では御朱印のことを御首題(ごしゅだい)と呼ぶが中央に書かれた「南無妙法蓮華経」は、「妙法蓮華経(=法華経)というお経にすべてをお任せします」という意味だ。日蓮宗独特の髭がはねたような字体は、日蓮が書いた文字が基本になっており、光が広がっていく様子を表現しているのだという。字体は各寺院によって特徴があるそうで、本法寺のものは直線的にスッと伸びているほうだとのこと。右の「なべかむり日親上人」という文字は投獄された際、灼熱した鍋を頭にかぶせられる拷問を受けたという逸話にちなむ。また、押印の桐は、豊臣秀吉から五七の桐紋をいただいたものの、太閤殿下と同じ紋を使うのは恐れ多いということで花の数が少ない五三の桐を使っていた時期もあったそうだ。こうしてお寺の方に意味を紐解いてもらえることも本法寺の楽しみのひとつだ。

あて紙には季節の絵が描かれた1枚を挟んでもらえる} あて紙には季節の絵が描かれた1枚を挟んでもらえる

スポット詳細

住所
京都府京都市上京区小川通寺ノ内上ル本法寺前町617 map map 地図
電話番号
0754417997
時間
10:00-16:00
休業日
寺の行事がある場合は休業
料金
【拝観料】
[通常]大人500円、中高生400円、小人・障がい者無料
[特別展]大人1,000円、中高生600円、障がい者500円、小人無料
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
可(外のみ)
英語メニュー
あり
平均予算
【昼】1-1,000円
【夜】1-1,000円
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
不可
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 長谷川等伯ゆかりのお寺
    4.0 投稿日 : 2023.04.29
    地下鉄でもバスです行けます。周辺は茶道にゆかりのある場所のようで落着いた・・・静謐な風情を感じる町並みです。バス停も地下鉄の駅からも直ぐではないので、徒歩圏内ですがちょっと迷いました。日蓮宗の寺院で塔がある大きな寺院です。小説「等伯」の長谷川等伯ゆかりのお寺で、ここには彼の作品も展示されていました。
  • 朝鮮通信使所縁の寺院です
    3.0 投稿日 : 2022.02.25
    巨大な堂宇が在る日蓮宗の寺院です。ただ参拝者らしき人は見られず、お散歩をしている高齢者を見かけただけです。境内に朝鮮通信の看板が有りました。
  • 日蓮宗の「由緒寺院」の一つらしい・・・
    4.0 投稿日 : 2022.02.05
    日蓮宗八本山の一つとか?日蓮宗関係寺院らしく境内は無料(庭園は有料です)、清掃も抜群、堂塔もそこそこのものでした。日蓮宗は本山制度を止めたため本山と云うのは間違いで、各寺院が勝手に標榜しているだけです。今では代わりに「由緒寺院」とか云うらしい???言い方を変えただけで同じことでしょうに・・・。それにしても京都市内には何と各宗派の「本山」と云う寺院が多いことか?千年の都だから、なんてほざいてはいられ...

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アクセス

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