野村美術館
茶道具や能面・能装束を春秋に公開
野村財閥を一代で築いた2代目・野村徳七の人となり
野村証券、旧大和銀行の創始者である2代目・野村徳七は1878年(明治11)に大阪で生まれた。家業の両替商を継いで証券業を始めたのち、日露戦争で財をなしたことをきっかけに本格的に金融業に乗り出す。そのかたわら、海外事業としてインドネシアやブラジルで農場を経営し、貴族院議員としても活躍。そんな忙しい日々を送っていた得庵が、心の平安を求めて打ち込んだのが茶の湯だ。藪内流で「得庵」という茶名を受け、茶道具の収集にも情熱を傾けるようになる。さらに、健康のため始めたとされる謡も、舞台に立って演じるまでに上達。京都の別邸である碧雲荘には能舞台を作り、自ら演じることもあったという。このように茶の湯と能楽に傾倒した得庵は、近代数寄者としても名を馳せた。
得庵のコレクションやその作品を核にした展示
得庵が亡くなってから約40年を経た1984年(昭和59)に開館したのが野村美術館だ。時候のよい春と秋の年2回、限られた期間だけ開館し企画展が催される。館では、得庵が書画、茶道具、能面、能装束の名品や、得庵自身の遺作を中心に約1900点を収蔵。そのなかには7点の重要文化財も含まれる。展示室は2室からなり、1階のメイン展示室では、テーマにもとづいた美術品を展示。その一角には茶室形式の展示スペースが設けられている。また地下の展示室では、テーマに沿った併設展や、現代作家による茶道具などの個展を開催。さらに、折々に触れて各種イベントや講座も催され、その情報はウェブサイトで発信されている。
気軽に楽しめる立礼(りゅうれい)茶席で上生菓子とお抹茶を
このように茶の湯が収蔵品の中心となっている野村美術館では、抹茶と生菓子をいただくこともできる。よくある畳の上に正座というスタイルではなく、椅子とテーブルでいただく立礼という形式。正座はちょっと辛いとか、畳に座ることに慣れていない海外の方にも喜ばれそうだ。気軽な雰囲気ではあるものの茶室のしつらえは本格的で、さりげなく配された茶道具や書画は美術品として館が収蔵しているものになる。たとえば、この日の掛け軸は松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)の書、花入は藪内流10代家元・藪内竹翠(やぶのうちちくすい)によるもの。これらが間近で鑑賞でき、お茶は各流派の先生が日替わりで点ててくれる。また1階のミュージアムグッズのコーナーでは、茶席で使えそうな懐紙なども扱っており、お土産としてもぴったり。近代数寄者の粋をそこかしこに感じる空間に足を運んでみよう。
スポット詳細
- 住所
- 京都府京都市左京区南禅寺下河原町61 地図
- エリア
- 銀閣寺周辺エリア
- 電話番号
- 0757510374
- 時間
- 10:00-16:30(最終入館16:00)
- 休業日
- 月(祝日の場合は翌平日)、夏季、冬季
- 料金
-
【入館料】
[一般]800円
[高大生]300円
[障がい者]300円
[中学生以下]無料 - 駐車場
- あり(5台)
- クレジットカード
- 可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、Apple Pay、PayPay、LINE Pay、d払い、auPAY、ALIPAY)
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円, 1,001-3,000円
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 名品そろいですが…
- 野村財閥の名品を鑑賞できる美術館ですが、規模が小さいのに800円の入館料はちょっと高いかな。近所の泉屋博古館も800円ですけど、もっと規模が大きいし、庭園を眺められるラウンジもあるし、無料のドリンクのサービスもあるし…。ここ野村美術館は庭園はないし、ラウンジもないし、もちろんドリンクサービスもない…。すぐ隣に野村財閥の豪奢な別荘があるんだから、美術館からお庭が見えるような造りにできないもんですかね...
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- 貸切感を満喫
- 残暑の残る2019年9月中旬に初訪問した。先に南禅寺に参拝し、その足で向かう。南禅寺境内最奥の大方丈から左手に進み、龍渕閣の前を通って鹿ケ谷通りへ出るルートが無駄なくて便利です。美術館は小さいながらも建物は新しい。館内に入れば冷房がよく効いてて、汗が一気に引いて快適だ。入館料は800円。割引となる諸会員リスト見せてもらうも私はどれも適用外。JAF割り入れてほしいね。展示室は1階と地下1...
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- 茶道具で花見
- 早い春の一日、南禅寺のお隣にある野村美術館に足を運んでみました。春の特別展「茶道具で花見」を楽しむことができました。茶道具に描かれた桜の数々。いにしえの昔より日本人が愛している桜が、いろんな形で表現されています。南禅寺のような喧騒とは無縁の静寂の世界がそこにはあります。[前期]3 月 9 日(土) - 4 月21日(日)[後期]4 月23日(火) - 6 月 9 日(日)
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