のこのしまアイランドパーク

遅咲きの鮮やかなコスモスで彩られた園内の花園

広大な花畑と海が織りなす絶景があちこちに

博多湾に浮かぶ島でありながら福岡市西部の姪浜(めいのはま)にある能古島渡船場から市営フェリーでわずか10分程度でアクセスできる能古島。その北端の高台に位置する「のこのしまアイランドパーク」は1969年(昭和44)に開園。当地で農業を営んでいた創業者が「これからの人々は疲れた心を癒やすため自然を求めるだろう」と花いっぱいの公園を構想し、手作業で木々や花々を植えて開園にこぎつけたという。その狙いどおり、花のシーズンになると大勢の人が詰めかける。

市営フェリーは姪浜から朝夕の通勤通学時間を除き1時間に1本出ている

起伏に富んだ園内。あちこちで花畑が目を楽しませてくれる

総面積は約15万平方メートルもあり、春は菜の花や桜をはじめ、ツツジ、ダリア、アジサイ、夏はサルビア、ダリア、ヒマワリ、秋はコスモス、サザンカ、冬はスイセンと一年中花の絶えることはない。ゆるやかな高低差がある園内には遊歩道が整備され、花畑のなかに小道が設けられていたり、林の隙間から海が見えたりなど、散策を楽しいものにしている。また、写真を撮りたくなるスポットがあちこちにあり、特に志賀島や海の中道がある青い海をバックにした「パノラマ花壇」の花畑の光景は福岡市を代表する絶景のひとつとして有名だ。パノラマ花壇の近くには自然の木に吊るした手作りブランコがあり、まるで海と空に向かって飛んでいくような「映える」写真を撮れる。

園内の奥にあるパノラマ花壇からの眺め。手前は芝生広場になっている

パノラマ花壇近くのブランコは人気の撮影スポット

思いきり遊んで体を動かせ、オリジナルスポーツも

園内には自由に遊べる運動場や芝生広場があるほか、「うさぎ園」や「やぎの家」「ポニーの家」(エサ代は別途)、アスレチック施設や遊具のある「こどもひろば」、斜面を専用のソリで滑るロープスキー(有料)、さらにはゲートボールとグランドゴルフをミックスさせたような当園のオリジナルスポーツ「のこのこボール9ホール500円)」のコースがあり、小学生から高齢者まで幅広い世代に人気を呼んでいる。

花園や景色だけでなくポニーやウサギなどにも癒やされる

のこのこボールを楽しみに訪れるグループも多い

食事スポットは充実、陶芸体験もできる

園内いちばん奥にある「芝の広場」の横にはレストランやBBQハウスがあり、開放感いっぱいの景色を楽しみながら食事ができる。「芝の広場」手前にはレトロな街並みを再現した「思ひ出通り」があり、福岡市内から移築された明治時代の町家を利用した土産店やギャラリー、懐かしい駄菓子やおもちゃの店、能古島特産の「能古うどん」を提供する店、喫茶店などが並ぶ。昭和30年代に活躍したオート三輪や昔の公衆電話も展示されているほか、古民家の縁側で昔のおもちゃで遊ぶスペースもあり、懐かしさに浸れるスポットだ。また、ろくろを使った陶芸体験、皿や有田焼のフィギュアへの絵付け(楽焼)体験(どちらも有料)があり、自分だけの土産を手に入れることができる。福岡市内から手軽に島旅気分が味わえて花や絶景に癒やされるのこのしまアイランドパーク。一度は訪れたい憩いの園だ。

古民家などが移築され、趣のある通りになっている「思ひ出通り」