田川市石炭・歴史博物館
全国でも数少ない石炭産業関連に特化した施設
日本を支えた主力坑の姿を伝える遺構
筑豊地方で最大級の炭都として栄えた田川市。市を牽引したのが出炭量の多さで主力坑となっていた三井田川鉱業所伊田坑だ。田川市石炭・歴史博物館はその跡地に建ち、一帯は石炭記念公園として整備されている。ここを訪ねると、目を引くのが赤い鉄骨の構造物と2本の煙突だ。鉄骨の構造物は1909年(明治42)に作られた竪坑櫓(たてこうやぐら)で、地底から人や石炭を運ぶケージを昇降させるために使われていた。高さは約28m。櫓は筑豊に唯一残る鋼製櫓である。
その櫓を見下ろすようにそびえる2本の煙突は、ケージなどの巻上機や各施設の動力用として設置されていた蒸気ボイラーの排煙用として作られた。高さが約45mもあるこの煙突は盆踊りなどで唄われる民謡「炭坑節」の歌詞に出てくる煙突といわれ、同市が炭坑節の発祥である。竪坑櫓と煙突はともに国の有形文化財に登録され、周辺は国指定史跡となっている。
石炭産業の実像に迫るジオラマや機械の展示
館内に入ってみよう。1階の第1展示室では、遥か大昔の石炭の生成や採掘方法の変遷、石炭産業の発展の歴史などが、パネルや実際に使われていた道具などを豊富に展示して詳しく解説されている。特に狭い坑内での手掘りから機械での大量採炭までの作業の移り変わりがジオラマでわかりやすく再現されており見ごたえがある
第1展示室から次に屋外展示場に向かう。そこには、かつて使われていた大型機械類が所狭しと展示されている。炭坑労働者を運んだ「人車」、上下左右に首を振りながら岩盤を掘削していく「ロードヘッダー」、巨大な巻上機のドラム、坑内で使われていた小さな電気機関車など、今にも動き出しそうで迫力がある。その先には炭坑労働者が暮らした社宅(炭鉱住宅)が再現してあり、当時の暮らしぶりが垣間見えてくる。
2階に上がると第2展示室があり、2011年(平成23)、日本で初めてユネスコ「世界の記憶」に登録され、大きな話題を呼んだ山本作兵衛(やまもとさくべえ)氏の炭坑記録画が公開されている。また、出版物や画材など、作兵衛にまつわる資料も見ることができて興味深い。
スポット詳細
- 住所
- 福岡県田川市大字伊田2734-1 地図
- エリア
- 宗像・福岡中部エリア
- 電話番号
- 0947445745
- 時間
- 9:30-17:30(入館は17:00まで)
- 休業日
- 月(祝日・振替休日の場合は翌平日)、年末年始、展示替え期間
- 料金
- [観覧料]一般(含大学生)400円、高校生100円、小中学生50円、未就学児無料
- 駐車場
- あり
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 英語メニュー
- あり(英語等の案内表示・音声ガイド一部あり)
- 滞在目安時間
- 30-60分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
情報提供: ナビタイムジャパン
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