レイモンハウス 元町店

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おいしいハム・ソーセージが生まれる秘密を探ろう

ハム・ソーセージブランドの老舗「函館カール・レイモン」では、工場見学を受け入れている。製造の現場を見られるだけでなく、工場直売所では、お得な価格でハムやソーセージなど人気の商品を購入することも可能だ。

工場の様子を見学。今まさにここでおいしいソーセージが製造されていると思うとワクワクする} 工場の様子を見学。今まさにここでおいしいソーセージが製造されていると思うとワクワクする

知る人ぞ知る、幻のサラミからスタート

「函館カール・レイモン」は函館が誇るハム・ソーセージの老舗ブランドである。1925年(大正14 )に、創業者のカール・ワイデル・レイモンが、函館駅前にハム・ソーセージ店を開いたのが始まりだ。見学可能な「函館カール・レイモン工場」は、五稜郭エリアから車で15分ほどの鈴蘭丘(すずらんおか)町にある。元町にある「レイモンハウス」とは別の場所なので、間違えないように。さて、受付を済ませたら2階に上がろう。スタートは「サラミ乾燥室」だ。乾燥中のサラミが、いくつもぶら下がっているのが窓越しに見える。サラミは、ソーセージを加熱後、乾燥させるのが一般的な製造方法だが、函館カール・レイモンのサラミは、生ソーセージをじっくり2か月ほどかけて自然乾燥させている。乾燥前には400gあったものが、乳酸菌発酵の影響で脱水が進み180gにまで減少。水分が抜け、肉のうまみだけがギュッと凝縮された状態になるのだ。これはレイモンの生前から変わらない製法だが、当時は技術的な問題で1週間に1回しか販売できず、幻のサラミと呼ばれていたのだとか。効率化が進んだ現在でも流通数は少なく、こちらの工場直売所など、限られた店舗でしか購入できない。

レイモンは60余年にわたり、函館でハム・ソーセージ作りに心血を注ぎ、1987年(昭和62)に93歳で生涯を閉じた} レイモンは60余年にわたり、函館でハム・ソーセージ作りに心血を注ぎ、1987年(昭和62)に93歳で生涯を閉じた

日本人女性と駆け落ちし波乱万丈の人生に

さて次は広いホールに座っての、歴史ビデオの鑑賞タイムだ。オーストリア゠ハンガリー帝国生まれのカール・ワイデル・レイモンは、食肉加工のマイスター(高い技術を要する仕事に就くための資格。数年修業したうえで、試験を突破しないと資格は得られない)の家に生まれ、自身も14歳でマイスターを志した。欧米各地で製缶技術などを習得し、帰国途中の1919年(大正8)に日本に立ち寄る。そのとき、知り合った日本人に頼まれ、ハム・ソーセージの製造や製缶技術の指導にあたることになり、やがて函館へやって来た。ここでレイモンは、日本人女性コウと運命の恋に落ちる。国際結婚には厳しい時代、二人は駆け落ちを決意。コウは国を捨てレイモンの故郷にわたり、二人でハム・ソーセージの店を始めた。しかし3年後、レイモンは日本へ戻ることを決意する。その理由は明かされなかったが、コウへの思いやりがあったことは想像に難くない。そしてふたりはコウの故郷・函館に舞い戻る。

見学通路には、レイモンの生涯の紹介がパネルでも紹介されている。ほかにソーセージに使うスパイスの解説などがある} 見学通路には、レイモンの生涯の紹介がパネルでも紹介されている。ほかにソーセージに使うスパイスの解説などがある

充実の展示内容で大人も大満足

帰国後もレイモン夫妻の波乱万丈な人生が続くが、詳しくはビデオを見てのお楽しみだ。レイモンの情熱と、人類愛までを視野に入れた「食の哲学」に心を打たれるだろう。さて、見学ルートに戻ろう。ガラス窓越しに工場をのぞくと、職人が肉塊を大量に切り分け、みるみるうちにケーシング(腸詰め)していく様子が見える。見学ルートには、レイモン愛用の器具や、レトロでかわいい創業当時の商品パッケージなどが並ぶ。さらに壁面にはレイモン構想の「北海道畜産開発プラン」の紹介や「日本の食肉史」などがわかりやすくパネル展示され、見ごたえ満点だ。レイモンは1代限りで店を閉める予定でいたが、日本ハムの創業者が「レイモンさんの技術を失くすのは惜しい」と事業承継に名乗りを上げた。マイスターだったレイモンから技術を学ぶには、大変な苦労があったそうだ。レイモンの技術と情熱は、現在、日本ハム北海道ファクトリー株式会社が受け継いでいる。

2階の見学ルートから、製造現場である工場を見学。1時間で150kgほどのソーセージが充填されていくという} 2階の見学ルートから、製造現場である工場を見学。1時間で150kgほどのソーセージが充填されていくという

レイモン愛用のスモークハウスなどが見学できる。なおガイドの案内は2022年(令和4)現在、コロナ感染予防のため休止中} レイモン愛用のスモークハウスなどが見学できる。なおガイドの案内は2022年(令和4)現在、コロナ感染予防のため休止中

引き継がれるハム・ソーセージへの情熱

生前、レイモンは「ワタシの作ったハムやソーセージは本物の味です。手作りの味です。ワタシのハムはね、肉の細胞を一時的に眠らせるだけ。人間の胃に入るとすぐその細胞はよみがえるんですよ。だからビョウキ治ります。チカラ出ます。だから食べナサイ」と言っていたそうだ。もちろんハムやソーセージで病気が治る訳はないのだが、来日当時、小柄で栄養状態が悪く見えた日本人を心配して出た言葉なのだ。「レイモンさんの信念を引き継ぎ、体にやさしい製法にこだわっています。もちろん素材も厳選し、その肉本来の力で熟成が進むよう余分なものはいっさい加えません。手間暇惜しまず製品を作っていますよ」と同社の岸部慶隆(よしたか)さんは誇らしげだ。高級品といわれることもある「函館カール・レイモン」ブランドだが、歴史と製法を知れば、決して高くはないと納得できる。見学の終わりは、直売所へ。お得に商品が手に入るので、忘れずに立ち寄ろう。

「胃袋の宣教師」を自認してきたレイモン。ビデオではレイモンが子どもに呼びかけるやさしい声を聞くことができる} 「胃袋の宣教師」を自認してきたレイモン。ビデオではレイモンが子どもに呼びかけるやさしい声を聞くことができる

工場直売所では、通常販売価格の10%OFFで購入できる。幻の「サラミ」は通常2469円のところ2222円} 工場直売所では、通常販売価格の10%OFFで購入できる。幻の「サラミ」は通常2469円のところ2222円

スポット詳細

住所
北海道函館市元町30-3 map map 地図
エリア
函館エリア
電話番号
0138224596
時間
[1F(ファーストフード)]9:00-17:30
[1F(物販)]9:00-18:00
[2F(レイモン歴史展示館)]9:00-18:00
休業日
年末年始
料金
[レイモン歴史展示館入館料]無料
駐車場
あり(4台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、PayPay、LINE Pay、d払い、auPAY、ALIPAY)
Wi-Fi
あり
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり
平均予算
【昼】1-1,000円
【夜】1-1,000円
滞在目安時間
0-30分
車椅子での入店
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

アクセス

map map 地図

最寄り

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