標津サーモン科学館(サケの水族館)

館内の「川の広場」ではサケ科のイトウなどを観察でき、エサやり体験も楽しめる

サケ科の魚類展示種類数日本一の水族館

「標津サーモン科学館」は、世界中に生息しているサケの仲間18種を展示する水族館。世界自然遺産知床への羅臼側入り口となる標津町内にあり、中標津空港からは車で25分ほどの場所にある。ここには、シロザケやカラフトマス、サクラマス、ニジマス、イトウなど、サケ目サケ科の魚類18種が勢ぞろいしており、サケ科の魚の展示種類数は国内トップを誇っている。館内には大小さまざまな水槽でサケ科の魚が展示飼育されていて、「サケ」にこんなたくさんの種類があったのかと、新しい発見も多く見ごたえ満点。見学のほか、エサやりなど、迫力ある魚たちの姿に触れ合える体験コーナーもある。特に人気があるのは、「チョウザメ指パク体験」。名前のとおり、チョウザメに指をパクッと食べられる体験だ。入館料は大人650円、小中学生200円。建物1階の受付で入場料を支払ったら、まずは順路に従って見学しよう。

ひときわ高い建物の上は展望台になっている。天気がよければ知床連山や国後(くなしり)島などを眺められる

水槽にはさまざまなサケ科の魚が展示されている。間近で見て楽しもう

季節によってはサケの遡上や産卵の様子が見学できる

初めに見学できるのは、同館でいちばん大きな「大水槽」だ。海水で満たされた水槽で、サケ科の魚類だけではなく、カレイやクロソイなど標津町周辺の海の魚が展示されており、この地域に生息する魚について学ぶことができる。次の見学スポットは「魚道水槽」。これは、サケが遡上する標津川と実際に水路でつながっている水槽(つながるのは9～10月のみ)で、季節により展示内容が変わる。2～5月はシロザケの稚魚の群泳、9～10月は標津川に回帰したシロザケ、カラフトマスの遡上などだ。川の上流を目指してジャンプするサケの姿は迫力満点。11月にはシロザケの産卵する様子も観察できる。運がよければ産卵の瞬間が見られるかも。2つの水槽を見学したら、2階の天井まで吹き抜けになっている「川の広場」へ。お待ちかねの体験コーナーの登場だ。

実際に標津川とつながる「魚道水槽」。稚魚の群泳やサケの遡上が見られない時期は、チョウザメなど別の魚種が展示される

エサやりや「指パク」など、体験ものを楽しもう！

「川の広場」には魚種ごとに展示されたさまざまな水槽が並んでおり、ここが体験エリアとなる。エサやり体験用のエサを購入したら、好きな水槽を選んで魚たちにエサをあげてみよう。水槽内にパラッとエサを入れると、我先にと勢いよく飛びつく魚たち。ときには水しぶきが周囲に飛び散るほど豪快だ。数ある水槽のなかでもひときわ人気なのが、「チョウザメ指パク体験」の水槽。エサを投げ入れチョウザメが集まってきたら、チョウザメの近くに指を出してみよう。すると、チョウザメがエサと間違えて指をパクリ。ちょっと怖いが、安心してほしい。チョウザメには歯がないため、指をくわえられても痛くないのだ。指を軽く吸われるような不思議な感覚で、子どもでも安心安全。歯がないとわかっていてもドキドキするこの体験、予約は不要で、入館者であれば誰でも無料で楽しめる。体験後は、各種水槽や、サケの歴史や文化について紹介された展示など、見学ルートが続く。知的好奇心もかなり満たされ、見学後はサケについて詳しくなれるはず。じっくり時間を取って訪れたいスポットだ。

「チョウザメ指パク体験」。はじめは恐るおそる、でも一度やってみると楽しくて、もう一度やりたくなる

エサやり体験用のエサは100円。館内のカプセルトイで販売している

カレイやヤドカリなどに直接触れられるタッチプールもある