金沢湯涌江戸村

博物館/科学館

江戸時代の武家屋敷や商家、農家が並ぶ野外ミュージアム

金沢湯涌江戸村は、江戸時代の建物10棟を展示、公開している野外ミュージアムだ。武家屋敷や商家、農家と、さまざまな様式の建物があるので、違いを見比べながら、当時の人々の暮らしぶりや文化に思いを馳せてみよう。

手前に見えるのが武家屋敷で、奥は商家。村内には多様な建物が集まっている} 手前に見えるのが武家屋敷で、奥は商家。村内には多様な建物が集まっている

約2万平方メートルの敷地に10棟の建物を展示

「金沢の奥座敷」と呼ばれる湯涌温泉。金沢湯涌江戸村は、その温泉街のすぐそばにある。瓦屋根を掛けた立派な門が入り口だ。実はこれ、加賀藩の上級武士が住んだ家の表門である。約2万平方メートルの敷地には、この門を含め10棟の歴史的建造物が当時の姿のままで展示され、靴を脱いで内部を自由に見学できるようになっている。「旧石倉家」だけはお隣の福井県から移築されたものだが、これ以外は金沢や能登で実際に住まいとして使われていたものだ。10棟のうち、3棟が国、3棟が県、4棟が市の指定文化財となっている。どの建物も、今でも人が住んでいるような雰囲気で、村内を歩いていると江戸時代にタイムトリップしたような気分を味わえる。

時代劇のセットのようにも見えるが、どれもかつては実際に使われていた建物だ} 時代劇のセットのようにも見えるが、どれもかつては実際に使われていた建物だ

町人や武士の暮らしが垣間見える「町家・武家ゾーン」

村内は商家や武家屋敷5棟が立つ「町家・武家ゾーン」と4棟の農家で構成する「農家ゾーン」に大きく分かれる。入り口近くにあるのが町家・武家ゾーンだ。まず屋根の上に石が載った板葺き石置き屋根の家が2軒、目に飛び込んでくる。1軒は農村へ種苗を販売していた「旧松下家」で、土間に商品を並べた店の間や帳場などがある。もう1軒は米の仲買商などを営んでいた「旧山川家」で、2階まで吹き抜けになっていて、立派な梁が何本も交差している様子が確認できる。ゾーン奥にある堂々とした建物は「旧石倉家」だ。参勤交代時の本陣として建てられた家で、殿様気分で厚畳(あつじょう)に座ることもできる。「農家ゾーン」に向かう途中にある「旧永井家」は足軽屋敷、「旧平尾家」は下級武士の屋敷だ。同じ武士でも身分の違いによって、造りが随分と違っていて興味深い。

旧松下家の帳場。そろばんなどを展示し、当時の雰囲気を再現している} 旧松下家の帳場。そろばんなどを展示し、当時の雰囲気を再現している

旧山川家の朱壁の座敷。天井などに施された漆塗りが見事だ} 旧山川家の朱壁の座敷。天井などに施された漆塗りが見事だ

「農家ゾーン」では紙漉き農家などを公開

農家ゾーンには4軒の茅葺き屋根の建物が展示されている。その1つ、「旧園田家」は金沢の紙漉き農家だ。作業する部屋を石敷きにするなど、水仕事に適した造りが特徴的である。「旧高田家」はもともと、金沢の山奥に立っていた農家だ。土間の横の一段低い場所にある馬屋では、農耕用の馬を肥育していた。「旧平家」は奥能登の農家で、17世紀に建てられたと見られている。梁や柱はすすで真っ黒で、柱には手斧の痕も残されている。「旧野本家」は旧平家と同じく奥能登の農家だが、随分と規模が大きい。居間からは山里ののどかな風景を見ることができるほか、耳を澄ませば近くを流れる浅野川のせせらぎも聞こえ、心が癒やされる。

「農家ゾーン」では金沢と能登から移築した4軒を展示している} 「農家ゾーン」では金沢と能登から移築した4軒を展示している

旧園田家で紙漉きに使われていた部屋は石敷き。今は実演用の道具が置かれている} 旧園田家で紙漉きに使われていた部屋は石敷き。今は実演用の道具が置かれている

囲炉裏を中心に人形を配置して生活の様子を再現した旧高田家} 囲炉裏を中心に人形を配置して生活の様子を再現した旧高田家

スポット詳細

住所
石川県金沢市湯涌荒屋町35-1 map map 地図
電話番号
0762351267
時間
9:00-17:30(最終入園17:00)
休業日
火(祝の場合は翌平日)、年末年始(12/29-1/3)
料金
【入園料】
[一般]310円
[65歳以上・障害者手帳をお持ちの方及びその介護人]210円
[高校生以下]無料
駐車場
あり(47台)
クレジットカード
可(VISA、MasterCard、JCB、AMEX、銀聯、DISCOVER、Diners Club)
電子マネー/スマートフォン決済
可(Suica、PASMO、QUICPay、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、Apple Pay、Google Pay、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY)
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
不可
英語メニュー
あり(英語表記のリーフレット等あり)
平均予算
【昼】1-1,000円
滞在目安時間
60-120分
車椅子での入店
可(車椅子での建物内見学には対応していません。)
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • 加賀、能登、越前の「民家」を移築保存した大事な場所
    5.0 投稿日 : 2023.01.21
    全てが国・県・市の文化財指定されている日本伝統建築物群の民家園。加賀、能登、越前から武家住宅・町屋・農家などの「民家」を移築しています。町屋と農家の移築民家園はいくつかは存在するが、武家住宅(中級以下の武士宅)と本陣(宿場町の本陣/問屋場)までも存在するのは、なかなか無い。日本民家園の佐地家遺構は、主屋の移築は適わず門・供待だけになっている。(ちなみに佐地家主屋は、名古屋市東区の歴史古写真...
  • 江戸時代にタイムスリップ
    3.0 投稿日 : 2021.10.02
    金沢湯涌温泉にあります、江戸時代の加賀藩内にあった民家、武士住宅、農家など住宅また江戸時代の色々な道具を展示しています。
  • 2010年に旧江戸村を引き継ぎ開設
    4.0 投稿日 : 2019.11.06
    大きく農家ゾーンと町家・武家ゾーンの二つに分かれています。農家ゾーンには4棟の建物が保存されています。茅葺き屋根の建物で江戸時代に建てられたようです。江戸時代からある遊び、竹馬がありました。実際に乗ってみると難しいことがわかります。また、町家では旧山川家住宅が興味を引きました。現金沢市竪町にあった商家で安政年間に建てられた建物です。内部には優れた意匠の茶室なども往時の生活が偲ばれます。

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アクセス

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