小田野家

歴史的建造物

無料見学可能な苔むす庭園に囲まれた中級武家屋敷

無料で閲覧できる角館の中級武家の屋敷。主屋は大火で焼失し1900年(明治33)に再建されたものだが、薬医門(やくいもん)を挟む樹齢250余年のアカマツやドウダンツツジなど、手入れが行き届いた庭園の美しさにも定評がある。

JR角館駅方面から向かうと、黒板塀が続く武家屋敷通りの入り口付近に位置する「小田野家」} JR角館駅方面から向かうと、黒板塀が続く武家屋敷通りの入り口付近に位置する「小田野家」

仙北市の史跡に指定されている中級武家屋敷

かつては角館の藩主であった佐竹北家(さたけきたけ)に仕える、中級・下級武士の屋敷が立ち並んでいた東勝楽丁(ひがしかつらくちょう)の一角。JR角館駅から徒歩15分ほど、武家屋敷が並ぶ通りの南の入り口付近に位置する小田野家。岩橋家(いわはしけ)と河原田家(かわらだけ)が並ぶエリアで、歩いて行くと美しい黒板塀と立派な薬医門で囲まれた庭園から突き出す巨大なアカマツが見えてくる。小田野家は佐竹藩を守る武士団として活躍した今宮氏の配下から、佐竹北家の家臣となりこの地に門を構えた。武芸に富んでいたとされ、江戸時代は敷地内に道場もあったという。教科書に載っている『解体新書』の挿絵画家としても有名な小田野直武(おだのなおたけ)ともゆかりのある家柄。1900年(明治33)の大火により焼失し、今残っている主屋はその後再建されたものではあるが、中級武家屋敷の形態を守りつつ明治の士族の暮らしも垣間見えることから、仙北市の史跡に指定されている。

武家屋敷では位の高い武家にだけ認められる門構えの薬医門} 武家屋敷では位の高い武家にだけ認められる門構えの薬医門

特に紅葉の時期に美しく色づくモミジの木々も植えられている敷地内の庭園} 特に紅葉の時期に美しく色づくモミジの木々も植えられている敷地内の庭園

武芸や医療などで地域貢献した家柄

本家である長右衛門家(ちょうえもんけ)からは、秋田蘭画の中心的な存在で『解体新書』の挿絵を担当した小田野直武を輩出。分家である小田野家は居合いの師範としての功績や眼科治療などの功績があり、江戸初期の24石から幕末には88石に発展。1855年(安政2)に江戸で発刊された資料では、小田野家が眼科の名医として紹介されている。ちなみに小田野直武は当時の日本では珍しかった遠近法や陰影法をとり入れた洋風画と、狩野派などの日本画の技法を組み合わせた「秋田蘭画」の確立にも多大な功績を残した。秋田蘭画については小田野家から徒歩10分ほどの「平福記念美術館」に多くの作品が展示保存されている。武芸だけではなく医学や芸術の分野でも多くの偉人を輩出したという家系の美意識は、ていねいに手が入った敷地内の庭園の美しさにも表れている。

一般の通用口と表向きのものとを共用で使う玄関の造り} 一般の通用口と表向きのものとを共用で使う玄関の造り

明治に再建された主屋内部。江戸時代の武家屋敷との違いを見比べてほしい} 明治に再建された主屋内部。江戸時代の武家屋敷との違いを見比べてほしい

美しい庭園散策や屋敷外観を無料で鑑賞可能

位の高い武家の証である薬医門をくぐると、庭園内には下草である笹が一面に植え付けられており、門から玄関まで約20mのドウダンツツジが迎えてくれる。木造平家建ての主屋の屋根は切妻造で、一般通用口と正式な玄関は一緒という造り。来客の際には、玄関付近で身分を区別して案内するというレイアウトになっている。なかには取次・座敷・ナカノマ・オカミ・台所・流し・ナンドなどがあるが、江戸時代から残る武家屋敷と比べると、比較的新しく簡素な造りになっていることがわかる。屋敷内から眺める庭園も見事で、春にはシダレザクラ、紅葉の季節には赤や黄色のモミジが美しい。角館の武家屋敷のなかでも、特に紅葉がきれいなスポットのひとつとしてファンが多い。

庭園には大火で消失しなかったモミの巨木なども立っている} 庭園には大火で消失しなかったモミの巨木なども立っている

スポット詳細

住所
秋田県仙北市角館町東勝楽丁10 map map 地図
電話番号
0187433384
時間
9:00-17:00
休業日
12-4月中旬
料金
[見学料]無料
駐車場
なし

情報提供: ナビタイムジャパン

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最寄り

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