二ツ森

頂上からの景色。人工物の一切ない山並みはとても貴重

初心者にもおすすめの二ツ森登山

白神山地は自然への影響がないように、世界遺産地域(核心地域)への入山は規制されている。だが、バッファゾーン(緩衝地帯)への入山は比較的しやすいため、白神山地に行きたいと思ったときは二ツ森などの緩衝地帯での登山がおすすめだ。入り口は日本海に面した八峰町にある。登山口までは舗装されているが、初心者はツアーやガイドとともに登ることをおすすめしたい。初めてでも登りやすいなどと表記されていることもあるが、登山道が急なところもあるためトレッキングポールや杖を持参すると良い。

登山道。階段になっているが急なため、杖を使って登るのが良い

ガイドを頼んでの登山がおすすめ

東北の山には山小屋がなく、寝泊りはできない避難小屋が多くある。二ツ森の入り口にも避難小屋とトイレがある。途中に休憩スペースやトイレがないため最初に済ましておくと良い。また自動販売機はないため宿泊施設や国道沿いにあるコンビニ、町内の商店で必要なものを購入しておくこと。山頂の標高は約1086m、往復約2時間で下山できる。核心地域を途中望むことのできるのが魅力で、運が良ければ山頂から日本海、男鹿、岩木山、八甲田山が見える。初めて登る方には、ぜひガイド(ガイド料1人9000円-、ガイド1人に付き2、3人までを推奨)を付けて登山することをおすすめする。森の説明を聞きながら歩く登山は特別なひとときになるはず。ガイドの問い合わせは「八峰町白神ガイドの会」まで。

登山道までは国道101号を北上し、二ツ森方向へ50分ほどで入り口へ到着

おすすめの時期は新緑の季節5月下旬から深緑の時期の6月、また黄葉時期10月中旬から下旬頃

集合場所に使われる「ぶなっこランド」。ここで靴の履き替えや登山準備を行う

登山を終えたあとは温泉で楽しんで

山もあり、海もあるのがこの町の特徴。登山を楽しんだあとには、温泉で疲れを癒やすのはいかがだろうか。八峰町には温泉もあり「八森いさりび温泉ハタハタ館」と「あきた白神温泉ホテル」で、お湯に浸かり夕食に海鮮をいただき、山の恵と海の恵を存分に味わえる。飲み物や虫よけスプレーなどの登山の用意やお土産もこちらの宿泊施設でそろえることができる。地元の味を楽しみたい方は農家民宿「花みずき」がイチオシ。素泊まりを希望のときには民宿がおすすめ(素泊まり4500円-)。

「八森いさりび温泉ハタハタ館」にある舟型露天風呂

まだまだほかにも楽しめる八峰町

二ツ森がある八峰町は日本海にも面しており、海側では海水浴やシーカヤックなどのマリンスポーツも楽しめる。二ツ森の最寄り駅であるJRあきた白神駅の目の前には、オートキャンプ場や宿泊施設であるあきた白神体験センターがあり、海のアクティビティと二ツ森登山などの森のアクティビティ両方の窓口になっている。世界自然遺産はその昔深い海の中にあったが、何万年もの歳月をかけて今の高さになったといわれている。海と森はつながっており、自然の豊かさを体感するには二ツ森登山だけではなく海まで楽しんでいただきたい。

目の前が日本海の「あきた白神体験センター」。登山の受付はこちらへ