五十崎凧博物館
常時400点展示。凧づくりやうちわづくりも体験できる!
伝統行事「いかざき大凧合戦」が行われる小田川沿いに立地
松山市内から車で約50分の、愛媛県南西部に位置する内子町。五十崎(いかざき)凧博物館は自然豊かな風景が広がる内子町五十崎に1989年(平成元)に開館した世界中の凧を集めた博物館だ。博物館の目の前を流れる小田川沿いで毎年5月に開催される「いかざき大凧合戦」は400年の歴史をもつ伝統行事で、1966年(昭和41)には愛媛県の無形民俗文化財にも指定されている(2022年9月現在コロナ禍につき休止中)。合計約400枚の凧が大空に舞い上がる様子を見るために3~4万人が訪れる一大イベントで、「出世凧」や畳100枚分という特大サイズの「100畳凧」なども集結する。また、「カガリ」と呼ばれる刃物を糸に仕込み、相手の凧を切り合うという空中合戦も見どころのひとつだ。五十崎大凧博物館では現在、館内を見学すると(入館料300円)凧の無料レンタルを行っている。小田川の河原沿いで凧揚げができるので、童心に戻って楽しんでみてほしい。
庶民が遊ぶ玩具として江戸時代頃から流行した凧の歴史
凧揚げの歴史は古い。平安時代に中国から日本へ伝来した凧揚げは、はじめは貴族の遊戯として広がったといわれている。一般市民に広く普及したのは江戸時代頃で、子どもだけでなく大人も夢中になるほどの大流行ぶりだったようだ。凧揚げを競い合って喧嘩になったり、参勤交代の列に落ちるなどしたため、江戸幕府から凧揚げ禁止令が出されたという歴史も残されている(諸説あり)。凧揚げの時期は地方によってさまざまで、正月や端午の節句、お盆など、季節のお祝い事に結びついた地域文化がうかがえる。五十崎凧博物館の館内へ入るとすぐ、左手の壁面いっぱいに凧の歴史年表が広がっている。イラストとともに歴史的文献が展示されており、順を追って凧の歴史を知ることができる。「タコ」でなく「イカ」とも呼ばれていたという興味深い一説も。
鮮やかな凧が多数並ぶ展示室からお気に入りを見つけよう
展示室へ入ってすぐの頭上には空を舞っているかのような龍の連凧が出迎えてくれる。シンガポールで作られた全長200mほどの巨大な凧で、館内の天井をぐるりと囲むように展示されているので、尻尾がどこまで続いているか観察してみよう。展示室には中国やアメリカ、ヨーロッパなどの世界中から集められた凧がぎっしりと飾られ、その色づかいや個性的な形から広い大陸文化を感じられる。順路に沿って足を進めていくと、次は全国の都道府県から収集された日本の凧の展示が。描かれているモチーフは武者や生き物などさまざまで、見比べると地域ごとの文化がはっきりしていておもしろい。ぜひ細やかな凧の作りにも注目してみよう。そして、数多く展示されている凧のなかでも印象的なのが「いかざき大凧合戦」の初節句行事で使用する「出世凧」だ。縦4m×横3mの大凧で初節句を迎える子どもたちの名前が筆で書かれている。子どもの健やかな成長を望む心は400年の歴史においても共通の願いだと感じとることができる。
見学後は凧づくりやうちわづくり体験を楽しむこともできる
内子町五十崎には恵まれた水源があり、和紙生産も盛んな地区。館内では和紙を使った凧づくり、うちわづくり体験も行っている。白凧にイラストや凧文字を書いて糸付けを行う「凧づくり体験」(2000円 ※300円の入館料込み)や、記念に飾るのにちょうどいい「飾り凧づくり体験」(1000円)のほか、「うちわづくり体験」(1000円)もある。当日参加も可能だが、凧を同時に3つ以上作る場合や、竹に和紙を貼るところから行う白凧作りを希望する場合は事前の申し込みが必要だ。愛媛県内で凧づくりやうちわづくりのできる施設は、五十崎凧博物館のみ。さまざまな凧の展示を見てひらめきを感じたあとに、自分だけのオリジナル凧を製作してみては。
スポット詳細
- 住所
- 愛媛県喜多郡内子町五十崎甲1437 地図
- エリア
- 内子エリア
- 電話番号
- 0893445200
- 時間
- 9:00-17:00(入館受付16:30まで)
- 休業日
- 月(祝の場合は開館)、年末年始
- 料金
- [入館料]大人300円、小人150円
- 駐車場
- あり(30台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- あり(Do SPOT)
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 可(喫煙所のみ可)
- 英語メニュー
- あり
- 平均予算
- 【昼】1-1,000円
- 滞在目安時間
- 0-30分
- 車椅子での入店
- 可
- 乳幼児の入店
- 可
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 目の保養です
- アクセスは悪いので、車でない人は旅里庵で自転車を借りましょう。世界の凧も展示しているのですが、1番美しいなと思ったのは、日本の鶴の凧でした。こんな風に鶴そのものの凧があるんだと感動しました。
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- 優しい職員の方
- 3月中旬の平日に訪問しました。平日ということもあり、私たちの他に訪問者がいませんでした。そのため、職員の方が内子の凧について付きっきりで色々と教えてくださいました。メインホールには世界中(もちろん日本も)の凧が沢山飾ってあり、職員さんのお話によると、どんな形の凧も1度は空を飛んだことがあるそうです!普段はあまり深く触れることもないと思うので、内子に訪れた際は立ち寄ってみるのも面白いと思...
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- けんか凧
- 「けんか凧」と呼ばれる、大凧合戦は、内子町の伝承行事です。館内には、やっこだこや鬼の顔の凧など全国各地のたくさんの凧が展示されていました。大凧は見ごたえはありました。
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