何必館・京都現代美術館
自由な精神を尊び、一枚の絵のために建てられた私立美術館
「何必館」という名に込められた意味
四条通に面する何必館(かひつかん)は、村上華岳(むらかみかがく)、山口薫(やまぐちかおる)、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)の作品を中心に1981年(昭和56)に開館した。「何必館」という名前は、自由な精神をもち続けたいという願いから名付けられた。「必」という漢字は「心」にくさびを打つ形をしている。その前に「何」を付けると「何必」、つまり「何ぞ必ずしも(それは正しいのだろうか)」と、常識や定説を疑ってみるという意味になるそうだ。そこから生み出されるものが創造の糧となると考えられている。美術館の建物も作品を作るかのように丹念に設計施工され、完成まで7年もの歳月がかかった。天井の高いエントランスホールを進んで行くと、四条通の喧騒が嘘のように消え、静かで穏やかな空間になっている。
生活のなかで和の美を追求した北大路魯山人の作品室
グルメ番組などでその名をよく耳にする希代の食通でもあった魯山人。地下階にその作品室がある。陶芸、書、絵画、篆刻(てんこく)など美術工芸のあらゆる分野で、個性あふれる作品を生み出し、なかでも陶芸は、魯山人が求める料理に見合う器がないことから40歳を超えてから始めたという。「つばき鉢」は直径40cmを超えるかという大鉢。もろくて壊れやすい楽焼きでは、この大きさのものを作ることは普通ないそうだ。既存の概念にとらわれず、あえて魯山人は挑戦したのだろう。また、展示にも私立の美術館だからこその試みがなされている。花器には花を生け、皿には水を張り、実際に生活のなかで道具として使われる姿で展示されている作品もある。
作品だけでなく美術館の空間自体を楽しむ光庭
エレベーターで最上階の5階から降りると風景が変わる。目の前には青々とした苔に1本の紅葉の木。視線を上にやると、楕円形の空がぽっかり。そこから陽光が降り注ぎ、風が駆け抜けていく。刻々と移り変わる光に、木の影が苔に映り込んだり、ときには雨や雪が降ったり。作品を見るよりも、光庭を眺めている時間のほうが長かったという来館者もしばしばいるらしい。奥には茶室があり、その待合には魯山人手彫りの篆刻「清風」。この日、床の間にかけられていた村上華岳の『太子樹下禅那』は、館長の梶川芳友さんが魅入られ、何必館誕生のきっかけとなった絵だ。プラチナ泥で描かれた菩提樹を背に金泥の衣をまとった若き釈迦の姿。1枚の絵に出合い、何かを感じ取り、その後の生涯が変わってしまう。そんな体験が何必館には待ち受けているかもしれない。
スポット詳細
- 住所
- 京都府京都市東山区祇園町北側271 地図
- エリア
- 祇園周辺エリア
- 電話番号
- 0755251311
- 時間
- 10:00-18:00(最終入館17:30)
- 休業日
- 月、年末年始、展示替期間
- 料金
- [入館料]大人1,200円、学生1,000円
- 駐車場
- なし
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 不可
- 平均予算
-
【昼】1,001-3,000円
【夜】1,001-3,000円 - 滞在目安時間
- 0-30分
- 車椅子での入店
- 可(バリアフリーに対応していない建物なので、利用できないフロアあり)
- 雨の日でも楽しめる
- はい
情報提供: ナビタイムジャパン
クチコミ
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- 樹木希林さんが通った美術館
- 個人の美術館です。最上階小さなお庭と、床の間があり綺麗なひかりがはいっています。地階では、常設で北大路魯山人の作品を見ることができます。
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- 魯山人らしさとは
- 彼が監修していたならばどのような展開をしたのか?私設であればもっと大胆な取り組みを望む、例えば茶室で5000円位の抹茶を振る舞うなどの
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- 二度と行かない
- ウィリー・ロニス展に行き、作品が素晴らしかったので写真集を購入したら、ポイっと投げるように渡されました。百歩譲って自分は我慢したとしても、故ウィリー・ロニス氏に失礼です。
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