鹿児島神宮

神社

山幸彦の神話が伝わる、大隅国を代表する古社のひとつ

山幸彦とその妻を主祭神とする大隅国一之宮で、本殿などが国の重要文化財に指定されている。また、安産祈願の「石體(しゃくたい)神社」や、神馬を先頭に人馬一体となって踊りながら参詣する「初午祭(はつうまさい)」で知られる。

2022年(令和4)2月に国の重要文化財に指定された社殿。手前から勅使殿、拝殿、本殿と並んでいる} 2022年(令和4)2月に国の重要文化財に指定された社殿。手前から勅使殿、拝殿、本殿と並んでいる

皇室の祖先神を祀る大隅国一之宮

鹿兒島(かごしま)神宮は、霧島市隼人町に広い境内をもつ神社で大隅国一之宮。主祭神は山幸彦として知られる彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)と、その妻・豊玉比売命(とよたまひめのみこと)で、両者は初代・神武天皇の祖父母にあたり、浦島太郎と乙姫のモデルにもなっている。山幸彦はこの地に皇居として高千穂宮(たかちほのみや)を造営し、500年以上にわたり国家の基礎をつくったといわれる。また、八幡神として知られる品陀和気命(ほむだわけのみこと)も祀られており、八幡信仰が盛んになった鎌倉時代以降に「大隅八幡宮」「お八幡(はっまん)さぁー」などと呼ばれ、親しまれてきた。なお、現在の社殿は1756年(宝暦6)に島津氏24代当主で薩摩藩7代藩主の島津重年(しげとし)により造営されたものである。

鹿兒島神宮の御朱印と御朱印帳。御朱印帳は左が1200円、中央が2000円} 鹿兒島神宮の御朱印と御朱印帳。御朱印帳は左が1200円、中央が2000円

重要文化財に指定された社殿に参拝しよう

JR隼人駅から徒歩約15分。大鳥居から参道をまっすぐ歩き、二の鳥居をくぐり階段を上ると左手に社務所があり、さらに階段を上ると右手に本殿が見えてくる。本殿が参道の正面になく、直角に曲がった先にあるのは、伊勢神宮を模して造られたからといわれる。本殿の手前には、天皇の使いである勅使を迎えるための建物・勅使殿があり、あちこちで菊の御紋を目にする。勅使殿の奥には拝殿、さらにその奥に本殿がある。本殿正面の左右に、龍をかたどった柱・龍柱(りゅうばしら)があるので探してみよう。龍柱は南九州の大きな神社や沖縄、台湾、中国などで見られるもので、一説には火伏せのために水を司る龍を配したといわれる。

拝殿の天井には240点もの草花が描かれている。奥にあるのは本殿で、両脇にカラフルな龍柱が見える} 拝殿の天井には240点もの草花が描かれている。奥にあるのは本殿で、両脇にカラフルな龍柱が見える

拝殿の隣の授与所では、十数種類もの色鮮やかな玩具が売られている。これらは御祭神や日本神話にちなんだ信仰玩具で、鹿兒島神宮で古くから伝承されてきたものだ。たとえば、山幸彦がなくした釣り針を飲み込んでいたという赤女魚(あかめ)を模した「鯛車」や、初午祭の神馬の鞍を飾る豆太鼓を玩具にした「初鼓(はつつづみ)」などがあり、現在も記念品として購入する人が多いという。

右上が鯛車で、左下が初鼓。右下の「鳩笛」は八幡神の使いのハト、その横の「土鈴(どれい)」は初午祭の神馬の首に飾る金鈴を模している} 右上が鯛車で、左下が初鼓。右下の「鳩笛」は八幡神の使いのハト、その横の「土鈴(どれい)」は初午祭の神馬の首に飾る金鈴を模している

本殿に向かって右隣にある四所(ししょ)神社も国の重要文化財} 本殿に向かって右隣にある四所(ししょ)神社も国の重要文化財

安産祈願で名高い石體神社

鹿兒島神宮の境内には摂末社が14社あり、そのなかで本殿の北東約300m、かつて高千穂宮があったとされる場所に鎮座するのが摂社の石體(しゃくたい)神社だ。安産成就の神として信仰されており、毎月戌の日の午前中に行われる祈祷には、多くの妊婦さんが訪れる。また、社殿に向かって右隣には丸石が積まれた場所がある。その丸石を1個持ち帰ると安産にご利益があり、無事出産したのちに御礼参りで丸石を2個供えるという風習が伝わっている。

石體神社の社殿の脇に丸石が積まれている} 石體神社の社殿の脇に丸石が積まれている

本殿の裏側にある鳥居から5分ほど階段を上ると末社の稲荷神社に着く} 本殿の裏側にある鳥居から5分ほど階段を上ると末社の稲荷神社に着く

鹿児島県の三大行事のひとつとされる初午祭

鹿兒島神宮の代表的な行事のひとつで、旧暦1月18日を過ぎた最初の日曜に行われる初午祭は、主祭神の山幸彦が領民に神馬を下賜して農耕、牧畜などを奨励したことに由来するといわれる。祭りでは「鈴かけ馬」と呼ばれる背中に飾りを付け首に鈴を付けた神馬を先頭に、多数の踊り連が太鼓や三味線歌にあわせ踊りながら参詣する。一説には1543年(天文12)1月18日、島津氏第15代当主の島津貴久が神馬の霊夢を見たため、その日が鈴かけ馬の参詣日になったと伝えられる。踊り連には地元の企業や商工会、厄男たちなどの団体が参加し、毎年10万人もの見物客が訪れるという。

1943年(昭和18)に奉納された木馬。初午祭での「鈴かけ馬」の飾り付けがされている} 1943年(昭和18)に奉納された木馬。初午祭での「鈴かけ馬」の飾り付けがされている

スポット詳細

住所
鹿児島県霧島市隼人町内2496-1 map map 地図
エリア
霧島エリア
電話番号
0995420020
時間
[参拝時間]8:30-17:00
料金
無料
[御祈願料]6,000円から
駐車場
あり(350台)
クレジットカード
不可
電子マネー/スマートフォン決済
不可
Wi-Fi
なし
コンセント口
なし
喫煙
滞在目安時間
30-60分
車椅子での入店
乳幼児の入店
雨の日でも楽しめる
はい

情報提供: ナビタイムジャパン

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クチコミ

  • ヒコホホデミを祀る大隅國一宮
    4.0 投稿日 : 2022.06.19
    山幸彦として知られるヒコホホデミを祀る、南九州最大級の神社です。現在の社殿は江戸時代の建物で国重文、彫刻などの装飾や天井の植物の餌が美しく巨大な社は壮麗な感じを覚えました。比較的近くにある霧島神宮とはまた違う趣で興味深かったです。
  • 疏水沿いに蛭児神社まで龍馬ハネムーンロード
    4.0 投稿日 : 2022.05.13
    自宅から鹿児島神宮までは何度か歩いていましたが、今回はそこから疏水沿いを蛭児神社まで龍馬ハネムーンロードを往復約10km歩いてみました。鹿児島神宮は神代創建という古社で、大隈国で最も社格の高い一宮。そのため大鳥居手前の交差点近くには、大隈一之宮と彫られた立派な石柱が立っています。全国正八幡の本宮でもあります。主祭神は山幸彦とトヨタマヒメの夫婦です。初詣や初午祭には多くの人で賑わいます。旧社地に...
  • 鹿児島神宮/鹿児島県霧島市[大隅国一宮]中国料理なすの華[ランチ]
    5.0 投稿日 : 2022.04.21
    鹿児島神宮(かごしまじんぐう)は、鹿児島県霧島市隼人町内(かごしまけんきりしましはやとちょううち)にある神社だ。大隅国一宮で、祭神は天津日高彦火火出見尊(あまつひだかひこほほでみのみこと)、豊玉比売命(とよたまひめのみこと)2021年11月14日、この日中国料理なすの華でランチを済ませた。食事を終え、鹿児島神宮にやってきた。駐車場はとても広い。由緒書き。天津日高彦火火出見尊は、日本神話の山幸彦...

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アクセス

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