枚聞神社
竜宮伝説と玉手箱が伝わる開聞岳のふもとの古社
開聞岳を仰ぎ見る薩摩国一の宮
薩摩半島の南端にある名山で、その稜線の美しさから薩摩富士とも呼ばれる標高924mの開聞岳。枚聞(ひらきき)神社はその北麓にある古社で、薩摩国一の宮とされる。主祭神は天照大神として知られる大日孁貴命(おおひるめむちのみこと)で、ほかに皇祖神8柱を祀っている。さらに、南薩摩地方の総氏神でもあり、交通安全、航海安全、漁業守護にご利益があるとされている。2つの鳥居をくぐり、参道をまっすぐ歩いて行くと、社殿の真上に開聞岳の頂を仰ぐことができる。一般的に神社の社殿は南を向いているが、枚聞神社ではなぜか北を向いている。一説によると、かつては開聞岳自体が御神体だったといわれ、現在も頂上に末社で奥宮の御嶽(みたけ)神社が鎮座している。
朱色と黒が美しい枚聞神社の社殿
社殿はすべて朱漆塗りの極彩色で、朱色と黒のコントラストが美しい。手前には勅使殿があり、その奥に拝殿、幣殿(へいでん)、本殿が連なっている。勅使殿は鹿児島県独特の建物で、屋根には向拝(こうはい)と呼ばれるひさしが付いており、天井には植物絵が描かれている。勅使殿の左右にはそれぞれ長庁(ながちょう)と呼ばれる建物があり、本殿に向かって左手の東長庁は授与所となっており、御守や御札などをいただける。本殿は1610年(慶長15)に島津氏17代当主の島津義弘により再建されたもので、1990年(平成2)に県の有形文化財に指定された。本殿の正面左右には雲龍の彫刻柱があり、こちらも極彩色に塗られている。ほかにも、すぐ近くに社務所の建物があり、御朱印はこちらでいただくことができる。
宝物殿で琉球王の扁額を見よう
境内には宝物殿があり、入殿料100円で内部を拝観できる。代表的な宝物は、松と梅の蒔絵で飾られた化粧箱「松梅蒔絵櫛笥(まつうめまきえくしげ)」で「玉手箱」とも呼ばれ、国の重要文化財に指定されている。ただし、残念なことに2022年(令和4)12月現在修理中で、終了予定の2024年(令和6)頃まで見ることができない。見学できるもののうち、注目したいのは琉球王から奉納された扁額7枚だ。かつて島津氏に入貢していた琉球人にとって、開聞岳は南方からの海路の重要な道標であり、琉球王も入貢のたびに航海安全を祈って、神社に扁額を奉納したと伝えられている。このほかに、例大祭の前夜祭である10月14日に奉納される神舞(かんまい)の面も展示されている。
日本最古の井戸の伝説
神社周辺の見どころとして、本殿より800mほど北に「玉乃井」の遺跡があり、神代の昔からあった日本最古の井戸と伝えられている。ここは、山幸彦として知られる彦火々出見命(ひこほほでみのみこと)と、竜宮に住む海神の娘・豊玉姫命(とよたまひめのみこと)が初めて出会った場所とされる。のちに両者は結婚し、この物語は竜宮伝説として浦島太郎と乙姫のモデルにもなった。枚聞神社の宝物が「玉手箱」と呼ばれるのも、この影響かもしれない。現在、井戸は枯れているが、神代の恋物語を現代に伝える場所として大切に残されている。
スポット詳細
- 住所
- 鹿児島県指宿市開聞十町1366 地図
- エリア
- 南薩摩エリア
- 電話番号
- 0993322007
- 時間
-
[参拝時間]終日
[社務所・札場]8:00-17:00 - 休業日
- 無休
- 料金
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【宝物殿】
[大人]100円
[子供]50円 - 駐車場
- あり(300台)
- クレジットカード
- 不可
- 電子マネー/スマートフォン決済
- 不可
- Wi-Fi
- なし
- コンセント口
- なし
- 喫煙
- 可
- 滞在目安時間
- 30-60分
情報提供: ナビタイムジャパン
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クチコミ
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- なかなか荘厳
- 開聞岳の方面から池田湖に向かい際に立ち寄りました。この地域を代表する神社らしく、クスノキの説明の看板にありましたが、境内には樹齢 1000年を越える古木も多数あるらしく、その歴史が伺えます。人は少なく快適に見学できました。
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- 目に鮮やかな朱が印象的でした
- 「そうめん流し」で有名な唐船峡から1㎞弱のところにあります(^^)薩摩国一之宮ですので、ご縁日には相当賑わうと思いますが、私がお参りした平日の昼前(しかもあいにくの空模様)は他の参拝客はまったくいませんでした。静謐な境内を一人でお参りすることができてラッキーでした。
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- 初詣は混雑
- 2日昼過ぎに行きましたが、最初の鳥居から長い行列で参拝は諦めました。駐車場はあまり待たずに入れたのにちょっと残念でした。駐車場は入口すぐですが、池田湖方面への道でもあり、観光の場合は正月三が日避けた方が無難です。
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