谷保天満宮

神社

梅の名所として知られる、東日本最古の天満宮

湯島天満宮・亀戸天神社と並んで、関東三大天神のひとつに数えられる古社。「交通安全祈願発祥の地」として知られ、また梅林では1月中旬から3月にかけて約350本の紅白の花が咲き誇る。

入母屋造りの拝殿。本殿とともに国立(くにたち)市の有形文化財に指定されている} 入母屋造りの拝殿。本殿とともに国立(くにたち)市の有形文化財に指定されている

甲州街道沿いに鎮座する、緑と水に恵まれた神社

国立市にある谷保天満宮は、JR南武線谷保駅から歩いて3分ほど。鉄道会社が駅名を「やほ」としたため、地名も「やほ」と呼ばれるようになってしまったが、本来の読み方は「やぼ」。谷保天満宮も、古くから住んでいる地元の人は「やぼてんまんぐう」と呼ぶ。甲州街道に面して建つ一の鳥居をくぐり、木々に覆われた参道を進もう。坂を下って石段を降りると、その先に社殿がある。神社の社殿は階段の上に位置することが多いが、ここでは「下り宮」という珍しい構造になっている。

一の鳥居の先には鎮守の森が広がっている。境内は約2万平方メートルの広さをもつ} 一の鳥居の先には鎮守の森が広がっている。境内は約2万平方メートルの広さをもつ

学業の神さま、菅原道真公をお祀りする社殿

平安時代、右大臣菅原道真公が太宰府に左遷されると、道真の子らも流罪となり、第三子道武は武蔵国に流された。903年(延喜3)に道真が亡くなると、道武は父をしのんで多摩川の中州に父の像を祀った。これが谷保天満宮の起こりとされる。1181年(養和1)に当時谷保村のあった崖線(ハケ)下の現在の地に神殿が遷され、その後、江戸時代に甲州街道が崖線の上に整備されたことにより、一の鳥居が甲州街道側に建てられることになった。

菅原道真公のお使いである牛。自分の体の悪い部分をなでるとご利益があるといわれる} 菅原道真公のお使いである牛。自分の体の悪い部分をなでるとご利益があるといわれる

菅原道真公が描かれた絵馬は受験生の合格祈願に人気} 菅原道真公が描かれた絵馬は受験生の合格祈願に人気

現在の本殿は1749年(寛延2)に建てられたもので、かつては日光東照宮のような極彩色が施されていたという。拝殿は1851年(嘉永4)の建築。社務所の2階にある宝物殿には、鎌倉時代のものとされる「木造獅子狛犬」、藤原経朝の筆とされる「天満宮」の扁額が展示され、国の重要文化財に指定されている。

交通安全祈願の由来となった、日本初のドライブ旅行

1908年(明治41)8月1日、有栖川宮威仁(ありすがわのみやたけひと)親王がフランス製自動車「ダラック号」のハンドルを握り、そのあとを国産初のガソリン自動車「タクリー号」など11台が続いて、舗装もされていない甲州街道を新宿から谷保天満宮まで走る「遠乗会」が行われた。これが日本初のドライブツアーといわれている。天満宮の湧水で汗をぬぐってから梅林で昼食会が催され、ここで日本初のドライブサークル「自動車倶楽部」が設立された。有栖川宮威仁親王は天満宮を参拝後、無事に帰途につかれた。そのため谷保天満宮は「交通安全祈願発祥の地」とされ、交通安全のお守りは特に人気が高い。

境内には「交通安全祈願発祥の地」と書かれた車祓い所がある} 境内には「交通安全祈願発祥の地」と書かれた車祓い所がある

清らかな湧き水と、春の訪れを告げる梅の花

境内にある高低差数mの崖線は、この地域の言葉で「ハケ」と呼ばれ、豊富な地下水が湧き出している。本殿の裏手にある「常磐(ときわ)の清水」は、「東京の名湧水57選」に選ばれている霊水。一度も枯れたことがないといわれ、かつては付近の人々の井戸として使用されていた。清水を集めた弁天池には鯉が泳ぎ、弁財天が祀られている。

澄んだ水をたたえる弁天池。周囲の小道にはアジサイが植えられている} 澄んだ水をたたえる弁天池。周囲の小道にはアジサイが植えられている

天満宮といえば菅原道真公ゆかりの梅が植えられていることが多い。ここ谷保天満宮の梅林も見事だ。1月中旬から3月上旬にかけて約350本の紅白の梅が咲き誇り、例年2月下旬に「梅まつり」が開催される。梅の花がデザインされたパステルカラーの御朱印帳は、「日本一かわいい御朱印帳」として有名になり、御朱印ブームの先駆けとなった。

スポット詳細

住所
東京都国立市谷保5209 map map 地図
電話番号
0425765123
時間
[お礼場]9:00-16:50
休業日
年中無休
料金
[拝観料]無料
駐車場
あり(20台)
クレジットカード
不可

情報提供: ナビタイムジャパン

アニメスポット情報

アニメ・AIRの第2話、第4話に登場する神社のモデルであると言われている。

※ナビタイム調べ

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クチコミ

  • 多摩地域を代表する社の一つ
    4.0 投稿日 : 2021.01.01
    甲州街道沿いに佇む東日本でも最古という天満宮です。南武線谷保駅から徒歩数分、JR国立駅、京王線府中駅、聖蹟桜ヶ丘駅からのバスもあります。境内には梅園や紫陽花園などもあり、開花のシーズンには賑わうようです。
  • 鶏が放し飼いされている境内
    3.0 投稿日 : 2020.11.29
    谷保駅から徒歩3分。甲州街道沿いに鎮座している。903年創建。祭神は菅原道真。東日本最古の天満宮。正面が朱に塗られた本殿は寛永年間(1624-1643)の造営。木造銅板葺きの拝殿は江戸末期の造営。境内には鶏が放し飼いされているが、その理由は不明。
  • 東日本最古の天満宮
    4.0 投稿日 : 2020.10.10
    国立市内の南方に鎮座しています。菅原道真の三男道武が当地に流され、父を祀る霊廟を建立したことを起源とする神社です。参道を下りた先に拝殿と本殿がある珍しい下り宮になっているのは、地域を流れる多摩川の度々の流路変化に伴う甲州街道のルート変更がもたらした、人々の往来に関連しているようです。学問成就の多数の祈願絵馬が掛かる境内では、自然に住み付いたという鶏たちが、自慢の声を張り上げて迎えてくれました...

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アクセス

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