東京シティ競馬(大井競馬場)

地方競馬のなかで全国屈指の規模と充実した施設をもつTCK大井競馬場。羽田空港に近く、頻繁に離着陸する旅客機を見ながら大迫力のレースを観戦できる

トゥインクルレースは競馬のイメージを一新

1986年(昭和61)7月、日本初のナイター競馬「トゥインクルレース」を開始したのが、大井競馬場だ。それまで競馬場へ足を運ぶことのなかった若者やカップルをひきつけ、多くの女性ファンを生み出した。レースは毎月1-2回それぞれ5-6日間行われ、トゥインクルレースは4-12月に行われる。浜松町駅から東京モノレールで8分、品川からバスで18分と都心からのアクセスも抜群だ。

TCK PRキャラクター「うまたせ！」の銅像はトゥインクルレース30周年を記念して制作された。人気の撮影スポットだ。奥にはスタンドL-WINGとG-FRONTがある

大井が生んだ怪物「ハイセイコー」の馬像。デビューは1972年(昭和47)。場内には馬頭観音もある

広くてきれいな競馬場、どこから馬を楽しむ？

場内には3つの観戦スタンドがあるが、ガラス張りの近代的な建物がL-WINGだ。グッズショップ「Champions TCK」や投票所、飲食店舗があり、奥に進むと本馬場が目の前に現れる。右側にはゴール、前には表彰式や生ファンファーレが演奏される賞典台、左側にはウイナーズサークルもあり、この辺りが競馬場らしさをいちばん満喫できるところだ。3階のスターシートや4階のスカイシートなどの指定席は雰囲気がまったく異なる。落ち着いた別世界で、競馬場全体を一望することができ、実に壮観。L-WINGの2階からはパドック、3、4階からは品川の街並みも見渡せる。指定席のエリアでなければ誰でも入場可能だ。

L-WINGの正面。手前にゴールやウイナーズサークルがあり、走り抜ける馬たちを間近で見ることができる

L-WING 3、4階の指定席はモニター付き。ゴール直前に位置するG-FRONT、第4コーナーに近い4号スタンドにも指定席がある

世界唯一、左右両回りコースの競馬場

レース直前に馬がお披露目されるパドックも必見だ。オッズなどの情報が表示されるパドックビジョンの前を、引き締まったサラブレッドが順に歩く。ツウはここで馬の様子を見て、馬券を買うといわれる。日本で初めてスターティングゲートが採用されたのも大井競馬場で、1000mから2600mまでレースの距離に合わせてゲートが移動する。コースはダート。2021年(令和3)11月から、従来の右回りレースに加え左回りレースも始まった。世界でも左右両回りのコースをもつのは現在(2021年11月時点)において大井競馬場だけである。なお、競馬中継はテレビ放送やネット配信も行われているので、家で観戦するのも楽しい。

出走前の馬が周回するパドック。サラブレッドの姿の美しさや毛並みの良さを間近に見られる。ここでずっと過ごす人もいる

競馬場グルメも忘れずに

競馬場には、さっと食べられる飲食店が多数あり、焼き鳥から麺類、丼もの、スイーツまでさまざまなグルメを楽しめる。なかでもL-WING 2階の「煮込みとビールのお店 253 by STAR LIGHT」の「特製味噌 もつ煮込み」が人気だ。自家製で手間暇かけて煮込んだモツは、臭みがなく実に洗練された味。モツが凝縮された汁はご飯にかけて食べたくなるおいしさで、メニューには「特製味噌 もつ煮込み飯」もある。ところで、大井競馬場では秋から冬にかけての風物詩も人気が高い。「東京メガイルミ」は全国の行ってみたいイルミネーションランキングで1位に選ばれるなど、カップルはもちろん、家族連れにも好評だ。なお、レース開催中もイルミネーションが灯る。

競馬場グルメのイチオシが「煮込みとビールのお店 253 by STAR LIGHT」の「特製味噌 もつ煮込み」。ビールとの相性は抜群