神代植物公園

武蔵野の面影が残る園内で、四季の花々と草木を楽しむ

約50万平方メートルの広大な敷地に約4800種類の植物が植えられ、バラをはじめ梅や桜、ツツジなど、季節の花々を楽しむことができる。公園に隣接する関東屈指の古刹、深大寺にも合わせてお参りしたい。

都内でも有数の規模を誇る「ばら園」。正面に建つガラス張りの建物は大温室

調布市の北西部に位置する神代植物公園は、有料区域の「本園」と無料区域の「植物多様性センター」「水生植物園」「自由広場」からなる。本園の入り口は西側にある「正門」と南側の「深大寺門」の2か所。路線バスを利用する場合は、京王線調布駅、JR三鷹駅・吉祥寺駅から約20分、「神代植物公園前」で下車すると正門まで徒歩1分ほど。公園の敷地は東京都の街路樹などを育てるための苗圃(びょうほ)だったが、1961年(昭和36)に都内唯一の植物公園として開園した。

雑木林や草地、築山など変化に富んだ本園には10万本・株の樹木が植えられている

入り口で案内図をもらい、本園を散策してみよう。広い園内は植物の種類ごとに30ブロックに分けられており、ざっと一周するだけでも1時間ほどかかる。なかでも人気なのが、敷地の南西側にある「ばら園」。西洋風の庭園に、オールドローズやモダンローズ、野生種など約400種類5200株(秋バラ約300品種5000株)が植えられている。春バラは5月から7月、秋バラは10月から11月が見頃で、色とりどりのバラが咲き乱れる光景は圧巻。なかでも神代植物公園にちなんで名づけられた「クイーン・オブ・神代」は、2009年(平成21)度の国際バラ新品種コンクールで金賞を受賞した、深紅の美しいバラだ。

開花時期には、香り高い朝のバラを楽しめるように早朝開園も行われる

「ばら園」の正面には、2016年(平成28)にリニューアルオープンした大温室が建っている。ガラス張りの温室内には約1300種類の熱帯や亜熱帯地方の植物が植えられ、花の数が少なくなる冬でもランやベゴニア、スイレンなど彩り鮮やかな花々を楽しめるのがうれしい。熱帯スイレン室には、インドネシアのスマトラ島だけに生息する世界最大の花(花序)で悪臭を放つショクダイオオコンニャクが展示され、数年に一度だけ花を咲かせるという。

冬でも暖かい温室内で、熱帯・亜熱帯地方原産の植物を観察できる

原種をはじめさまざまな品種が花を咲かせるベゴニア室

園内にはこのほか、つつじ園やさくら園、広々とした芝生広場、うめ園、武蔵野の面影を残す雑木林などがある。四季折々の表情を見せる自然に触れながら散策を楽しもう。広場やベンチでお弁当を広げるのもいいし、食事のできるカフェや売店もある。

ピクニックに最適の芝生広場。中央のススキに似た植物はパンパスグラス

本園の南東側には「深大寺門」があり、深大寺へと通じている。山門から名物のそば屋が並ぶ参道を東へ5分ほど歩くと、神代植物公園の分園「水生植物園」に至る。池や水路にはアシやオギといった水辺の植物が生え、初夏から夏にかけては、ハナショウブやコウホネ、ミソハギなどが見られる。湿地帯から遊歩道を上った城山(深大寺城跡)にはそば畑もある。

深大寺の裏山から湧き出た水が集まる「水生植物園」。かつては水田だった

時間が許せば、「植物多様性センター」にも立ち寄ってみたい。桜並木を挟んで本園の北側にあり、無料で公開されている。次世代に植物の多様性を残すための取り組みを行っており、東京の絶滅危惧植物について学べるほか、奥多摩・武蔵野・伊豆諸島の自然環境が再現されている。

スポット詳細

住所: 東京都調布市深大寺元町5-31-10 地図
エリア: 多摩東部エリア
電話番号: 0424832300
時間: 9:30-17:00(入園は16:00まで)
休業日: 月(祝の場合は翌日)、年末年始(12/29-1/1)
料金: 【入園料】
[一般・大人]500円
[65歳以上]250円
[中学生]200円(都内在学、在住の中学生は無料)
[小学生以下]無料
駐車場: あり(328台)
クレジットカード: 可(VISA、MasterCard)
電子マネー/スマートフォン決済: 可(Suica、PASMO、iD、nanaco、WAON、楽天Edy、au WALLET、PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、メルPAY、d払い、auPAY、ALIPAY、wechatpayなど)
Wi-Fi: あり
コンセント口: あり
喫煙: 可(植物会館前1か所)
平均予算: 【昼】1-1,000円
滞在目安時間: 60-120分
車椅子での入店: 可
乳幼児の入店: 可